「フリースクールって具体的にどんな場所?」
「学校との違いは何?うちの子に合うのかな?」
フリースクールは、登校困難な状況にあるお子様のための民間教育施設です。
学習サポートや生活面の支援を通じて、お子様が自分らしく過ごせる環境を提供します。
好きなタイミングで通学し、自由に活動できるケースが一般的で、不登校のお子様の新しい居場所として活用されています。
本記事では、フリースクールの実態、特徴、活動プログラム、必要な費用などを包括的にまとめました。
利点・課題点、全国の推奨施設リストも掲載していますので、フリースクール選択の判断材料としてお役立てください。
目次
【重要】学校復帰・将来の社会参加を視野に入れている方へ
多くのフリースクールは、学校への復帰を主目的とせず、お子様が精神的負担なく過ごせる居場所づくりに重点を置いています。
フリースクールの環境は通常の社会生活と性質が異なるため、その環境に慣れ親しむと、将来的に一般社会へ戻る際の障壁になることがあります。
お子様に将来的に学校復帰してほしいとお考えの保護者の方には、不登校専門支援「スダチ」の活用をおすすめします。
スダチの復学プログラムでは、不登校の本質的な原因を解決するアプローチにより、お子様が平均20日間で主体的に再登校を実現しています。
フリースクールとは|民間運営の教育施設
フリースクールは、民間事業者が運営する教育施設の一形態で、登校できない不登校のお子様が通う場所です。
まずはフリースクールの基本的な特徴を見ていきましょう。
不登校の子どもへ学習・生活面の支援を提供する民間施設
フリースクールは民間の教育機関であり、文部科学省などの公的機関による認可を受けた学校ではありません。
お子様の置かれた状況に応じて自立支援や学習サポートを実施し、安心できる「居場所」を提供する施設として機能しています。
NPO法人による運営、ボランティア団体の運営、個人経営など形態は多様で、運営主体により支援の方向性、実施プログラム、利用料金などが大きく変わります。
フリースクールの3つの主要な支援方向性
フリースクールは大きく3つの支援軸に分類できます:
- 学業サポート型 :学校に通えないお子様の学習の遅れを防ぐための個別指導
- 居場所提供型:不登校のお子様が生活リズムを整えるための拠り所となる
- 個性伸長型:お子様の興味関心や才能を伸ばす活動を中心に展開
学業サポートを重視するフリースクールでは、マンツーマン指導を中心に教科学習を提供します。
不登校のお子様は学校にも家庭にも居場所がないと感じがちなため、気軽にスタッフと対話できる心のより所となるフリースクールも存在します。
芸術活動、スポーツ、プログラミングなど、お子様の興味や個性を育てる授業を展開するフリースクールもあります。
運営の自由度と注意点
多くのフリースクールは月曜から金曜まで学校と同様の時間帯で開校していますが、毎日の通学は必須ではなく、お子様が希望するタイミングで通えます。
また、フリースクールには法的な設置基準が存在しないため、開設に教員免許も不要で、誰でも始められます。
教育に関する専門知識や経験が乏しい方が指導にあたっているケースも見られるため、利用の際は施設の質をしっかりと見極める必要があります。
フリースクールの対象年齢と入学条件
主な対象年齢層
対象年齢は施設により異なりますが、小学生・中学生・高校生を受け入れている施設が大半です。一部の施設では成人も受け入れています。
ただし、実際には小学生・中学生の利用が最も多いのが現状です。
高校生向けのフリースクールも存在しますが、フリースクールでは高校卒業資格を取得できません。
そのため高校生年代になると、高卒資格が得られる通信制高校へ進学するケースが一般的です。
通信制高校は自学自習が基本となるため、3年間での卒業を支援する通信制サポート校を併用する選択肢もあります。
小学生から高校生まで対応しているフリースクールの場合、高等部は実質的にサポート校として機能していることがほとんどです。
高校生に対して純粋に「居場所」提供を目的とするフリースクールもありますが、数は限られています。
入学のハードル
フリースクールには入学試験や特別な入学資格は基本的に設けられていないため、入学手続き自体は比較的容易です。
フリースクールで提供される活動プログラム
フリースクールで実施される活動内容について、文部科学省のデータを基に見ていきましょう。
主な活動内容の実施割合
| 活動内容 | 実施率 |
|---|---|
| 個別学習指導 | 85.2% |
| 相談・カウンセリング | 82.3% |
| スポーツ活動 | 66.1% |
| 調理体験 | 64.4% |
| 自然体験(観察・農業など) | 63.5% |
| 社会体験(見学・職場体験など) | 60.4% |
| 芸術活動(音楽・美術・工芸など) | 59.3% |
| 家庭訪問支援 | 40.7% |
| 子ども主体のミーティング | 41.0% |
| 宿泊体験 | 34.8% |
| 講義形式の授業 | 32.8% |
| 学習成果・作品発表会 | 29.1% |
最も多く提供されているのは個別学習指導です。
次いで、芸術活動、スポーツ、調理体験などの体験型プログラムの実施率が高くなっています。
また、相談・カウンセリングは保護者とお子様の両方に対応している施設がほとんどです。
参考:文部科学省「民間の団体・施設との連携等に関する実態調査」
フリースクールの利用費用|入学金と月額料金
フリースクールを利用するには「入学金」と「月額授業料」の支払いが必要です。
費用相場
| 項目 | 金額目安 |
|---|---|
| 入学金 | 50,000円前後 |
| 月額授業料 | 30,000〜50,000円 |
| 年間費用 | 約40万円前後 |
施設によっては、教室維持費、教材費、イベント参加費などが別途必要になる場合もあります。
公立学校と比較すると経済的負担が大きいため、利用を検討する際は家計への影響を十分に考慮する必要があります。
フリースクールで取得できる資格と卒業認定
フリースクールは国が定める学校ではないため、フリースクールへの通学だけでは卒業資格は取得できません。
ただし、在籍する学校との連携により卒業認定を得られる可能性があります。
学年別の卒業資格取得可能性
| 学校種別 | 卒業資格の取得 |
|---|---|
| 公立小・中学校 | 義務教育のため、学校に通えなくても卒業できるケースが大半。フリースクールへの通学は必須ではない。 |
| 私立小・中学校 | フリースクールの通学が出席日数として認定されれば、テスト等を受けて卒業できる可能性あり。ただし内部進学は困難になりやすい。 |
| 全日制高校(公立・私立) | フリースクールの通学が出席として認められても、授業未受講のため単位取得が難しく、進級・卒業できないケースが大半。不登校から復帰できない場合、通信制高校への転入・サポート校利用で高卒資格を目指すのが一般的。 |
【重要】出席日数確保だけでは進路は広がらない
フリースクールで出席日数を確保する際に、保護者が必ず理解しておくべき重要な注意点があります。
中学生の場合、フリースクールへの通学が学校の出席として認められても、受験で有利にはならないという現実です。
学校の出席として認められない場合と同様、将来の進路選択は制限されてしまいます。
「出席日数」と「内申点」は別物
その理由は、「出席日数」と「内申点」が全く別の評価基準だからです。
多くのお子様が受験する公立全日制高校の入試では、以下の要素が合否判定に使われます:
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 学力検査 | 5教科または3教科の試験結果(100点満点) |
| 内申書の出席日数 | 学校への実際の出席日数 |
| 内申書の内申点 | 1〜3年生の各教科成績を数値化したもの |
フリースクールへの通学が学校の出席として認められても、授業やテストに参加していなければ、教師は成績を評価できません。
その結果、内申点は0点となってしまいます。
私立の全日制高校でも、入試で内申点を考慮する学校が多数派です。仮に内申点不要の学校でも、学力試験で高得点が求められます。
その場合、フリースクールでの学習のみで受験に必要な学力を習得するのは極めて困難と言えます。
<実例>不登校YouTuberゆたぼんさんのケース
実際に、不登校系YouTuberとして知られるゆたぼんさんが、全日制公立高校の受験に挑戦しましたが、残念ながら不合格となったことが報道されました。
ゆたぼんさんは、オンラインフリースクールへの参加が学校の出席として認められたこと、学力試験に向けた受験勉強にも取り組んでいたことをSNS等で発信していましたが、合格には至りませんでした。
以上を踏まえると、お子様の将来の選択肢を広げるためにフリースクールを検討しているのであれば、フリースクールではなく学校復帰を目指す方が望ましいと言えます。
フリースクールと他の教育機関の違い|比較表
フリースクールと、全日制学校・通信制学校・サポート校・適応指導教室の違いを整理します。
| 施設種別 | 対象 | 支援内容 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| フリースクール | 小・中・高・成人 | お子様への負担を軽減し、学習・生活支援を実施。「居場所」提供が中心。高卒資格は取得不可。 | 入学金:5万円 月額:3〜5万円 |
| 全日制学校 | 小・中・高 | 文科省の学習指導要領に基づいた教育を提供。通学により卒業認定取得。 | 公立・私立で異なる |
| 通信制学校 | 中・高 | ICTや電子教材による学習。スクーリング等を経て高卒資格取得。 | 年間6万円〜 |
| サポート校 | 中学卒業見込者<br>通信制高校在籍者 | 通信制高校の生徒が3年で卒業できるよう学習・生活・精神面を支援。学習塾・予備校等の民間教育機関が運営。高校生向けフリースクールとも位置づけられる。 | 入学金:5万円 月額:3〜5万円 |
| 適応指導教室 | 小・中 | 市町村教育委員会運営。不登校の小中学生の復学に向けた学習支援。集団授業の練習、登校習慣づくりなど。 | 無料 |
卒業資格の取得
卒業時に高卒資格を取得できるのは、全日制学校と通信制高校のみです。
フリースクールやサポート校は、お子様の心の拠り所にはなりますが、卒業資格は得られません。
適応指導教室の特徴と課題
適応指導教室は教育委員会が運営する復学支援施設で、復学を目標としたカリキュラムが組まれています。
在籍校と直接連携できる点がメリットですが、フリースクール同様、一般的な学校生活とは大きく異なる環境です。
実際、学校と同様の授業や講義形式の学習を実施している施設は全体の30%未満で、大半が個別指導中心です。
そのため適応指導教室の生活に慣れても、学校復帰後に生活スタイルの大きなギャップを感じてしまうことがあります。
参考:日本教育新聞「適応指導教室の実態と不登校児童・生徒の活動や支援策」
フリースクールの5つのタイプ|目的別分類
「フリースクール」と一口に言っても、施設ごとに目的や運営方針が大きく異なります。
主なタイプを5つに分類して解説します。
1. 居場所提供型フリースクール
不登校のお子様は学校に自分の居場所がないと感じ、通学を躊躇しています。
こうしたお子様が安心して通え、自分らしく過ごせることを最優先するフリースクールです。
スタッフや仲間とのコミュニケーションを通じて、徐々に自信を回復していくことを目指します。
2. 学習支援特化型フリースクール
不登校のお子様は学校に通えないため学習の遅れが生じやすく、進学や就職に影響する可能性があります。
学習支援に特化したフリースクールでは、個別指導で教科学習を提供し、進学・就職をサポートします。
ただし、教員免許を持たず、教育に関する専門知識がない方が指導しているケースも多いため、信頼できる施設かどうかの見極めが重要です。
3. 医療連携型フリースクール
発達障害の特性が不登校のきっかけとなるお子様も少なくありません。
医療機関と連携しているフリースクールでは、適切な医療サポートを受けながら、発達障害の特性をコントロールする方法などを学べます。
4. 自宅支援型フリースクール
外出自体が困難なお子様には、自宅で支援を受けられるフリースクールが適しています。
スタッフが直接自宅を訪問したり、オンライン授業で関わりを持ったりします。
フリースクールという新しい環境へのハードルが高い場合、まず自宅支援から始めるのも一つの選択肢です。
5. 技能特化型フリースクール
芸術、スポーツ、プログラミング、自然体験学習など、特定分野の技能向上に特化したフリースクールです。
お子様の興味関心がはっきりしている場合におすすめです。
フリースクール卒業後の進路|その後の選択肢
フリースクールに通うお子様の卒業後の進路について解説します。
最も一般的な進路
基本的に、小学校・中学校でフリースクールに通っていたお子様は、通信制高校へ進学するケースが最も多いです。
そのままフリースクールの高等部(実態は通信制サポート校であることがほとんど)を利用しながら、通信制高校の卒業を目指すお子様もいます。
その他の進路選択肢
以下のような進路も考えられます。
・転校・編入で全日制高校へ進学
・高卒認定試験を受験して大学進学を目指す
・定時制高校へ進学
・職業訓練校のサポートを受けて就職を目指す
・高校進学せず就職
ただし、全日制高校への進学や大学受験には、十分な学力が必要となるため、フリースクールでの学習だけでは対応が難しい場合もあります。
フリースクールに通う3つのメリット
メリット1:学校の出席として扱われる可能性
2017年に施行された「教育機会確保法」により、学校以外でも適切な学習環境が整っている場所であれば、出席扱いとすることが認められました。
学校に相談し、校長からの許可が得られた場合に限りますが、フリースクールを利用して出席扱いを受けるお子様は増加傾向にあります。
ただし前述の通り、出席日数を確保できても内申点は0点です。高校受験を控えた中学生の場合、内申点が低いと進学先が限定されてしまいます。
メリット2:学校とフリースクールの併用が可能
フリースクールは補助的な活用も可能で、週3日はフリースクール、残り2日は学校という通い方もできます。
両方に通っても問題ないため、「絶対に毎日学校に行かなければならない」というプレッシャーから解放されることは、不登校のお子様にとって大きな安心材料です。
フリースクールに新たな居場所を作れることも重要なメリットと言えます。
メリット3:個別サポートで学習を継続できる
少人数制や個別指導により、お子様一人ひとりのペースに合わせた学習支援が受けられます。
自宅での自学自習が困難な場合、フリースクールを活用することで学習習慣を維持できる可能性があります。
フリースクールの3つのデメリット・注意点
デメリット1:学校復帰・再登校が困難になる
フリースクールは自由度の高い環境です。
それが悪影響を及ぼすこともあります。
・毎日通わなくてもよい
・決まった時間に登校しなくてもよい
・勉強せず好きなことをしていてもよい
・いつでも自由に帰宅してよい
こうしたフリースクールの自由な雰囲気に慣れてしまうと、元の学校への復帰や再登校のハードルが大幅に上がります。
デメリット2:社会復帰の障壁が高くなる
小学生・中学生でフリースクールに通い始めたお子様は、そのまま高校生向けフリースクールや通信制高校へ進学することが多いです。
通信制高校には2つのコースがあります。
| コース種別 | 特徴 |
|---|---|
| 通学コース | 週1〜5日で好きな通学日数を選択 |
| オンラインコース | 自宅でオンライン授業、通学は年4回程度のみ |
オンラインコースを選択した場合、大半の時間を自宅で過ごすことになります。
授業時間以外は、ゲームやネットサーフィンなど自由に時間を使える状況です。
デジタル機器への依存が進み昼夜逆転し、そのまま不登校や引きこもりが深刻化するリスクには十分な注意が必要です。
また、高校生向けフリースクールや通学日数を自由に選べる通信制高校の生活は、一般的な学校・社会生活のリズムとは大きく異なります。
こうした生活に慣れてしまうと、将来一般的な社会での集団生活に大きなギャップを感じることがあります。
社会復帰のハードルが上がってしまうことを理解しておく必要があります。
デメリット3:経済的負担が大きい
フリースクールへの通学には相応の費用がかかります。就学支援金も受けられないため、全額自己負担となります。
一般的な公立学校と比較すると、費用負担は大幅に増加する傾向にあります。
年間40万円前後、3年間で120万円を超える計算になることも珍しくありません。
不登校のお子様におすすめの選択肢
フリースクール検討前に再登校を目指せる「スダチ」
将来の学校・社会復帰を視野に入れている場合におすすめの復学支援サービス「スダチ」をご紹介します。
本記事をお読みの保護者の方は、不登校のお子様が学校に通えず悩み、苦しんでいる姿を目の当たりにされているからこそ、フリースクールという選択肢を考えていらっしゃることと思います。
しかし、フリースクールに一度入ると、現在通っている学校への復学や社会復帰のハードルが高くなってしまいます。
フリースクールへの入学前に、まず一度学校復帰への挑戦をおすすめします。
挑戦した上でフリースクールを選択するのは遅くありません。
スダチの特徴
スダチは「現在通っている学校への再登校」を目的とした不登校専門機関で、平均約20日間での再登校実績を持っています。
短期間での解決が可能な理由は、保護者を通じて毎日お子様へ支援を提供できる体制にあります。
スダチは毎日お子様の状況を保護者からヒアリングし、その時のお子様に最適な接し方と声かけを具体的にフィードバックしています。
健全な親子関係を構築した上で、信頼できる保護者から適切な接し方・声かけを実施することで、お子様の自己肯定感が育ち、不登校を根本的に解決できるのがスダチ支援の最大の魅力です。
再登校後に学校で何か問題が生じても、お子様が自分で乗り越えられるようになったり、親子の対話で解決できる力も身につきます。
無料相談では、現在のお子様の状況をお伝えいただくことで、再登校に向けた具体的なアプローチ方法や、今のお子様に必要な接し方・声かけについてアドバイスを受けられます。
よくある質問(FAQ)
Q1. フリースクールに通えば私立の小・中学校の卒業資格は得られますか?
在籍校の協力の程度にもよりますが、出席日数として認定され卒業資格を得られる可能性はあります。
ただし、在籍校への復帰ができないままだと、内部進学は困難になるケースが多いです。
また卒業できたとしても前述の通り内申点は0点となるため、その後の進路選択が制限されます。
Q2. フリースクールとはどういう施設ですか?
フリースクールとは、不登校のお子様をサポートする民間の教育施設です。
個別指導による学習サポートを提供したり、生徒の自主性を尊重して興味のある活動ができるようサポートしたりします。
Q3. フリースクールと学校の違いは何ですか?
学校は文部科学省が定める学習指導要領に従い、教科の学習時間が明確に決まっていますが、フリースクールには学習指導要領の適用がありません。
その他の主な違い:
- 毎日の通学が義務ではない
- 授業時間が固定されていない
- その日の活動内容をその日に決められる
- 学習内容を個々に調整できる
小学校・中学校・高等学校と比べると、はるかに自由度が高いのが特徴です。
Q4. フリースクールの欠点は何ですか?
フリースクールを利用する際に注意すべき主な欠点は以下の4点です:
- 就学支援金制度の対象外で全額自己負担となる
- 在籍校の出席として認められても内申点は0点となり、進学先が限定される
- 高校生の場合、フリースクール卒業だけでは高卒資格を取得できない(最終学歴は中卒)
- 一般的な社会性が身につきにくく、社会復帰が困難になる可能性がある
Q5. フリースクールの学費は月いくらですか?
フリースクールの相場は月額30,000円〜50,000円が一般的です。
学費以外にも以下の費用が別途必要になることがあります:
- 教室維持費
- 教材費
- イベント・体験活動費
- カウンセリング費用
- 施設利用費
年間トータルで40万円〜60万円程度の費用を見込んでおく必要があります。
Q6. フリースクールは不登校を解決できますか?
フリースクールは不登校のお子様の居場所を提供することが主な目的で、不登校の根本原因を解決することを目指してはいません。
お子様が心地よく過ごせる環境は提供できますが、学校復帰や将来の社会参加を目指す場合には適さないことがあります。
不登校を根本的に解決し学校復帰を目指すなら、専門的な復学支援サービスの利用をおすすめします。
Q7. フリースクールに通っていても高校受験はできますか?
受験自体は可能ですが、前述の通り内申点が0点となるため、合格は非常に困難です。
公立全日制高校の多くは内申点を重視するため、学力試験で高得点を取っても合格できない可能性が高くなります。
私立高校でも内申点を考慮する学校が多く、内申点不要の学校では学力試験の難易度が高い傾向にあります。
Q8. フリースクールと適応指導教室の違いは?
| 項目 | フリースクール | 適応指導教室 |
|---|---|---|
| 運営主体 | 民間(NPO、企業、個人) | 市町村教育委員会 |
| 費用 | 月3〜5万円 | 無料 |
| 目的 | 居場所提供、学習支援 | 学校復帰支援 |
| 対象 | 小・中・高・成人 | 小・中学生のみ |
| 在籍校との連携 | 施設により異なる | 直接連携あり |
適応指導教室は公的機関の運営で無料ですが、対象が小中学生に限定されます。
また、復学を目的としていますが、実際の学校生活とは異なる環境であるため、復学後のギャップに注意が必要です。
ぜひお子様の将来を見据えた選択を
本記事では、フリースクールの特徴について詳しく解説してきました。
お子様が不登校になったとき、「フリースクールに通えば外出の機会ができ、人との交流も生まれ、社会復帰につながるのでは?」と考える保護者の方は多いはずです。
フリースクールは確かにお子様の居場所となり、学習サポートやスキル向上に役立つ場所ですが、その一方で社会復帰のハードルが上がってしまうのが現実です。
これらを踏まえると、以下のような判断基準で考えることをおすすめします。
○学校・社会復帰を視野に入れている場合 → フリースクールではなく、復学支援サービスの利用を検討
○学校・社会復帰を前提とせず、お子様が無理なく所属できるコミュニティで過ごしてほしい場合 → フリースクールの利用を検討
お子様の将来を第一に考え、焦らず慎重に選択することが大切です。
フリースクールを選ぶ場合も、必ず複数の施設を見学し、お子様自身が実際に体験した上で決定することをおすすめします。
また、学校復帰を目指す場合は、専門的な支援を早期に受けることで、より早く問題を解決できる可能性が高まります。
お子様にとって最善の選択ができるよう、本記事の情報が少しでもお役に立てば幸いです。



