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中学生の不登校ブログ

不登校の中学生・高校生がゲーム依存症になる原因【依存症の健康被害や根本的な治療法を解説】

2020.09.15

この記事を読むのに必要な時間は約 55 分です。

疑問&お悩み

・不登校の子どもがゲームばかり!でも、「中学生や高校生なら誰もが通る道」って聞くから大丈夫でしょ?

・とは言っても、「なんで、そこまでゲームに夢中になるの?」

・やりすぎはよくないだろうけど、「正直、やめさせる方法はわからないし…。」

 

「不登校の子どもがゲーム漬けになるのは、よくあること。そのうち、よくなるから大丈夫です」

子どもの不登校で悩んでいるあなたなら、きっと目にしたことがある言葉だと思います。

「みんな同じなら、うちの子どもも大丈夫」

そう思いたい気持ち、よくわかります。

しかし、心のどこかでは「本当に?」と思っていませんか?

「いつか」や「そのうち」に、明確な期日はありません。
「いつかは、ゲームをやめてくれる」「そのうち、不登校も解決する」という保証はないのです。

 

この記事では、

「例え今、あなたの子どもが不登校でゲーム三昧でも“いつか”はゲームをやめます。
“そのうち”不登校も解決します」

とは言いません。

代わりに、

「不登校の子どもが、なぜゲームにハマるのか」

「ゲームの何が不登校の子どもを取り憑かせるのか」

「ゲーム漬けの予防・脱却の方法、不登校を解決に導く無料相談先」

についてお話しします。

 

この記事を書いている私は、小学校から中学校の間に不登校で、長いことゲームに逃避していました。

あなたのお子さんには、同じ轍を踏んでほしくありません。
大人になってから、「あの頃、何もしていなかったな…」と後悔してほしくないのです。

それでは、「不登校の子どもがなぜゲームにハマるのか」からお話ししていきます。
あなたの「なぜ?」や不安が、少しでも軽くなれば幸いです。

 

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1. 不登校の中学生や高校生がゲーム依存症になる理由【家に引きこもりゲームをする原因】

 

不登校の中学生や高校生が引きこもり、ゲーム依存症になるのには、いくつか理由があります。
1つ1つ紹介していくので確認していきましょう。

 

1-1. ゲームに依存することで現実逃避している

 

結論から言うなら、不登校の子どもにとってゲームは、現実逃避の手段として都合がよいからです。
実は、不登校の子どもというのはストレスを抱え、常に葛藤しています。

不登校の子どもが抱えるストレス

  • 失望感…自分が“不登校”になってしまった事実
  • 罪悪感…不登校が、自分自身の他に家族にもマイナスの影響を与えていること
  • 焦燥感…「学校に行った方がいい」と「わかっている」が、どうしようもできず月日が過ぎる
  • 無力感…「このままじゃダメだ」と思うも八方塞がりで、「頑張ってもムダ」だと感じる

もし、このようなストレスや現実の苦しさを忘れさせてくれるモノが、簡単に手に入るとしたら?

さらに、現実では味わえない爽快感や達成感があり、他者からも認められて優越感に浸れるとしたらいかがでしょう?

あなたも「ちょっといいな」「何それ?気になる…」と思いませんでしたか?

この「ちょっとよさそう。楽しそう」と思えるものが、ゲームです。
非現実の世界は、現実の世界が苦しい不登校の子どもにとって、とても魅力的に映ります。

現実世界で問題やストレスに直面することで抑うつ的な心理傾向に陥り、その結果、現実から逃避するためにネットゲームに没入し依存していくという関係が想像できる。

橋元良明・大野志郎・天野美穂子・吉田一揮(2019)「タイプ別にみたネット依存傾向者と脱却者の分析」(参照2020-09-13).
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/manage/wp-content/uploads/2019/03/35_1.pdf

上記の言葉が示す通り、ゲームは不登校という事実から目を背けられ、なおかつ現実では得られなかった欲求や居場所が驚くほど簡単に手に入ります。

また、思春期の子どもが自己コントロール能力の発達段階でありながら、ストレスによって自己コントロール能力を失っていることも不登校の子どもがゲーム三昧に陥りやすい要因と言えるでしょう。

参考文献

橋元良明・大野志郎・天野美穂子・吉田一揮(2019)「タイプ別にみたネット依存傾向者と脱却者の分析」(参照2020-09-13)
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/manage/wp-content/uploads/2019/03/35_1.pdf

河邉 憲太郎・堀内 史枝・上野 修一「青少年におけるインターネット依存の現状と関連する心理・社会的問題」(参照2020-09-13)
https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1210070540.pdf

 

1-2. ゲーム以外にストレスを解消したり、不安を紛らわせたりする方法がない

 

不登校の中学生や高校生にとっては、ゲーム以外にストレスを解消したり、不安を紛らわせたりする方法がないということも、ゲーム依存症になってしまう理由の1つです。

本人なりに「学校に行かなくてはいけない」と不安に思い焦る一方、学校であった嫌なことや、友人関係、自分自身のことなどについての悩みが解消されず、「どうすればいいのかわからない」状態です。

そうした不安定な状況の中で、不安やストレスを解消するためにゲームに熱中してしまいます。

 

しかし、実際にはゲームに没頭してもストレス原因が解決するわけではないため、ストレスは溜まる一方です。

正しいストレス解消法や、親御さんができることについては次の記事で解説しています。

主に中学生のお子さんを対象に書かれていますが、小学生や高校生にも応用できますので参考にしていただけると幸いです。

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1-3. ゲーム内のコミュニティが唯一の居場所になり、仲間の誘いを断れなくなる

 

最近では、プレイヤー同士で交流できるオンラインゲームなども増えてきました。
学校以外の場所で、交流できる場所があることはいいことなのですが、ゲーム内のコミュニティが唯一の居場所になっていると、仲間の誘いを断れなくなります。

「ゲームを断ったら、自分の居場所がなくなってしまうのではないか」

そんな不安にかられて、ゲームの誘いを断れなくなってしまいます。

また、「仲間に認められたい」という思いが強くなりすぎると、ゲーム内での強さや地位などを高めようとして、際限のない課金をしてしまったり、レベルを上げるために長時間ゲームをしたりと、どんどんゲームから離れられなくなってしまいます。

 

ゲーム依存症の子どもに対して、親御さんが出来る対処法についてはコチラの記事で詳しく解説しています。

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2. ゲーム依存症(ゲーム障害)とは?【不登校の中学生・高校生に見られる症状】

ここからは、ゲーム依存症の症状について詳細を解説いたします。

2-1. ゲーム障害(依存症)の診断基準

 

2019年に世界保健機構(WHO)は、ゲームに長時間没頭すると、生活が不規則になり、社会生活・健康面にも影響を及ぼすことから「ゲーム障害」として国際疾病分類に正式に認定しました。

ゲーム障害(依存症)になると、生活の何よりもゲームが最優先され、生活上で問題が起きたとしてもゲームを辞められない、コントロールできない状態に陥ります。

特に次の症状に当てはまると、お子さんはゲーム依存症気味であると判断することができます。

ポイント

  • 自分でゲームに対するコントロールができない
  • ゲームが他の興味や活動より、何よりも優先される
  • ゲームによって生活上での問題が生じていてもなお、ゲームをしてしまう
  • 本人だけでなく、家族や社会生活などにも大きな問題を引き起こしている
  • ゲームによる深刻な問題が、12ヶ月以上続いている

ゲームによる強いマイナスの影響が12ヶ月以上続くとされていますが、人によってはたった3~4ヶ月でも深刻なケースになることも…。
「まだ大丈夫」という楽天的な判断は、後々の後悔に繋がる可能性があるので注意が必要です。

参考文献

World Health Organization(WHO)(2018)「Gaming disorder(ゲーム障害)」(参照2020-09-13).
https://www.convention.co.jp/news/detail/contents_type=16&id=841

文部科学省(2019)「ギャンブル等依存症指導参考資料について」(参照2020-09-13)
https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/1415166.htm

厚生労働省(2020)ゲーム依存症対策関係者連絡会議,「ゲーム依存症対策関係者会議 資料」(参照2020-09-13)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000202961_00004.html

 

2-2. ゲーム障害(依存症)になったときの健康被害

 

「お子さんの今後、すべてに影響を及ぼす」と言っても過言ではありません。

何かしら1つでも問題が生じると、本人の他に家族をも巻き込むのがゲーム障害(依存症)です。
はじめは本人の体調不良のみでも、本調子がでない憂鬱な日が増えるため心が荒みます。日増しに苛立ちが募れば、家族への言動も乱暴化するでしょう。
やがては、本人と家族の対立、子どもと親の立場の逆転など、親子間の関係さえ悪化します。

ゲーム障害(依存症)による影響

身体面の問題

  • 不眠・睡眠障害
  • 昼夜逆転による脳機能の低下
  • 座りっぱなし、寝たままによる運動不足
  • 食事が疎かになることによる栄養摂取の偏り
  • 視力低下・肺活量減少

心の問題

  • 家族や他者とのコミュニケーション能力の低下
  • イライラ感・衝動性が高まる
  • 脳への影響で性格が短気になることで生じる、暴言や暴力
  • 劣等感や社会からの孤立によるストレス

 

もし、ゲーム漬けを放置して不登校が長引くと…

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2-3. ゲーム障害(依存症)になりやすい子どもの特徴

 

ゲーム障害(依存症)は、誰にでも起こりうる可能性がありますが、特に年齢が低いほど陥りやすいと言われています。

他にも、性格やストレスの度合い、環境も関わると考えられています。
特に不登校の子どもはストレスがある中で家にいるため、ゲームに手を出しやすい状況であることは意識しておく必要があるでしょう。

不登校の子どもが、ゲーム障害(依存症)になりやすくなる要因

  • 心理的な要因(ストレスなど)
    不登校の子どもは、自分が不登校であることを負い目と感じていることが多、常にストレスを抱えていると考えている。

  • 環境的な要因(いつでもすぐに遊べる)
    1日中家で過ごす。自室にゲーム機やスマートフォンを持ち込める環境は簡単にゲームをできる状況であるということ。
  • 家族の要因(親子・家庭環境)
    中学生は思春期であるため、親子間でもギクシャクしやすく、軋轢が生じやすい。一部では、親子関係以前に家庭環境が健全ではない場合は、より依存症になりやすいと言われている。

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特に、心理的・家族の要因は子どもにも大きなストレスを与え、脳機能にも影響します。
脳の思考や理性的な部分を担う機能が鈍ると、自己コントロールもままなりません。

このような状態で安易にゲームを与えるとどうなるのか。結果は明白でしょう。

そして、ゲーム障害(依存症)にさせないためには、事前の対策が要となります

 

2-4. 中学生・高校生がゲーム依存症となる兆候

 

子どものゲームに関するトラブルは、昔からどの家庭でもありました。
テレビを使ったテレビゲームが主流だったので、子どもがゲームをしている状況を親が把握しやすく、親に叱られながら泣く泣くゲームを中断するといった場面はよくあることでした。

しかし、最近ではスマホアプリなどで、どこでも手軽にゲームに没入できてしまいます。

自室に籠っていた場合、親は子どもがゲームをしているのかどうかを把握できない状況です。

そのため、誰でもゲーム依存症になってしまう可能性があるのです。

親御さんができる対策の1つとしては、まずはゲーム依存症の兆候を把握しておきましょう。

依存が進む前に早めに対策を講じることが大切です。

ゲーム依存症の兆候は次のとおりです。

  • ゲームをプレイする時間が長時間になった
  • 夜中までゲームに没頭している
  • 朝、いつもの時間に起床できない
  • ゲームのことばかり考えてしまう
  • ゲームについて注意すると激怒する
  • 他の物事に興味を持てない
  • プレイ時間・遊び方について嘘・誤魔化しをする
  • 課金額が上がっている

 

3. ゲーム障害(依存症)と不登校を根本的に解決する方法【親のできることと接し方】

 

ゲーム障害(依存)を断ち切るにも、不登校を解決するためにも必要なことがあります。
それは、健全な親子関係の築きなおしです。

実は、不登校やゲーム障害(依存)になりやすい子どもには、いくつか共通点があります。

不登校やゲーム障害(依存)になりやすい子ども

  • 人を信じられないため、本音を言えない
  • 本心では人との関わりを求めているものの、無関心なフリをする
  • 何をするにしても自信がない

主に、自分に対する自己評価の低さが起因だと言われていますが、なぜ、こうした状態になるのでしょう。

それは、子どもが「自分は家族から愛されている」という感覚を実感できていない可能性があるためです。

決して親御さんの愛情が足りなかったのではなく、「うまく伝わっていない」もしくは、「子どもが素直に受け取れていない」だけなのでご安心ください。

では、子どもが「自分は家族から愛されている」と思うには、どうすればよいでしょうか?

答えは1つ。改めて子どもを育てなおすこと。

“育てなおす”とは、今までの子育ての過程では足りていなかった愛情を追加で補うイメージです。

親子関係の築きなおしや関係性の補強にもなるため、子どもの中に「自分は家族から愛されている。大丈夫だ」と思える自己肯定感(自己受容)が芽生えます。

子ども自身が自分で自分を受け入れられるようになると、他者との関わり合いの中でも生きていける存在になるのです。

この頃にはすでに、ゲーム障害(依存)を絶ち、不登校も乗り越えていることでしょう。

自己肯定感(自己受容)の有無は、子育ての最終ゴール“自立”にも大きく繋がります。

 

4. 不登校の中学生・高校生がゲーム依存症になったときの治療方法

 

4-1. スダチなどの専門機関に相談する

 

まずは、スダチなどの不登校の親子を支援する専門機関に相談してみましょう。

専門機関であれば、同じようなゲーム依存症を解決し再登校に導いてきた実績があります。

また、スダチでは、お子さんがゲーム依存になった根本的な原因を紐解いて解決いたします。
お子さんの自己肯定感を育てるための接し方や声かけをご指導させていただいております。
親御さん方が支援内容に合わせて日々行動してくださっているおかげで、ゲーム依存で不登校だったお子さん方もゲーム依存から抜け出し平均3週間で再登校しています。

親御さんの気持ちを受け取って心の不安を取り除いたうえで、お子さんの不登校解決のためにサポートさせていただきます。
まずは、無料相談から現状のお子さんの様子をお聞かせください。

4-2. 病院を受診する

 

病院を受診して、現在のゲーム依存度や健康状態、生活状態などを確認し、治療する方法もあります。

病院では、現状を確認したうえで、本人の年齢や環境、依存度に合わせた治療を始めてくれます。

現状ではゲーム依存症を治す薬はありません。
ゲーム依存に対して起こる「症状」(例えば、睡眠障害など)に関する薬を処方される場合が多いです。

睡眠障害の薬を処方されたとしても、ゲーム障害を根本的に解決しない限り睡眠障害は解決されないうえに薬をずっと飲み続けることになってしまいます。

 

4-3. 心理士によるカウンセリング

 

専門医や心理士とのカウンセリングで、なぜゲーム依存症になってしまったのか、その解決策を一緒に考えていく方法もあります。

ゲーム依存症の場合、子ども自身が依存状態にあることを自覚していない場合も多くあります。

カウンセリングの中で、ゲームのプレイ時間や生活サイクル、原因などを探って「自分がゲームに依存していると自覚する」ことができます。

本人が「このままじゃだめだ」と気づければ、ゲームとの新しい向き合い方のきっかけになります。

 

4-4. デイケア

 

デイケアでは、集団での運動や食事、話し合いなどの場を通して、ゲーム以外の活動を促す場所です。

コミュニケーションが苦手なお子さんは、一人でも没頭できるゲームに依存しやすくなります。

デイケアでは、集団で楽しめるスポーツを通して現実のコミュニケーションの大切さや、運動不足などを実感できるきっかけにもなります。

また、話し合い活動では次のようなテーマで話し合うことが多いです。

 

  • ゲーム以外の活動を楽しむにはどうすればいいか?
  • ゲームの時間を減らすにはどうしたらいいか?

 

同じ悩みを抱えている仲間と話し合い、一緒に前へ進むことでゲーム依存を克服できる可能性があります。

 

4-5. 入院治療

 

ゲーム依存症の度合いが高く、カウンセリングやデイケアでも治療が難しい場合は、入院治療という手段もあります。

 

入院治療は、物理的にゲーム環境から離します。

2ヶ月ほど病院に入院をし、主に次のことを通し、ゲーム依存症を克服できるよう治療を進めます。

 

  • 生活習慣を整える
  • 周囲とゲーム以外で人間関係を構築
  • 学校に対する不安を取り除くためのカウンセリング
  • 投薬治療

 

第三者によって指導してもらうことで、規則正しい生活習慣を取り戻せる可能性が高いです。

しかし、親子の信頼関係の構築が不十分なままで、無理矢理入院させてしまうと、子どもからの信頼を失ってしまいます。

そのため家に帰宅してから、再びゲーム依存に陥ってしまう可能性もあるでしょう。

正しい親子関係を築き直したうえで、入院治療などを検討してみましょう。

 

5. 不登校の中学生・高校生がゲーム依存症にならないための予防方法

 

この章では、不登校のゲーム障害(依存症)対策についてご紹介します。

段階的に紹介していますので、お子さんや家庭の状況に合わせて参考にしてください。

すでに問題が生じていて、「どうしようもないかも…」と不安に思っていても大丈夫です。
依存症は、治るまでには時間と根気、本人へのサポートが必要ですが、不治の病ではありません。

気になる場合は、兎にも角にも早めに専門機関へ相談することが、解決への1歩につながりますよ。

5-1. 子どもとの信頼関係を築く

 

親御さんの仕事が忙しく、お子さんが一人でいる時間が長いほど、ゲームに没頭してしまう環境が作られてしまいます。

忙しくて少ししか時間が取れなくても、お子さんとの時間は大切にしましょう。

また、お子さんとの時間をたくさん作れるご家庭でも、お子さんに対し過保護になることは避けた方が良いです。

お子さんが自分で行動する前になんでもやってあげてしまうと、お子さんは、自分で考えて行動することができなくなってしまいます。

結果として学校生活で何か行動する際、自分に自信を持てず、学校にストレスを感じ、不登校となる場合があります。

そして現実逃避するためにゲームに依存してしまうのです。

 

お子さんと過ごすときは、過保護になりすぎず、適切な距離感で親子関係を築きましょう。

 

また、お子さんが好きなゲームを全て否定することは避けた方が良いです。
お子さんの好きなものを肯定してあげることで、正しい信頼関係が構築されます。

そのうえでお子さんが長時間ゲームに没頭しているときには「今のその状況は良くないよ」と毅然とした態度で教えてあげる必要があります。

また、お子さんが何か取り組んだときには結果を見ず、取り組んだ過程を見てたくさん褒めてあげてお子さんの自己肯定感を育てましょう。

 

5-2. ゲーム障害(依存症)に関する正しい知識を得る

 

「ゲーム依存=ゲームが好きなだけ」と、大人も子どもも思いがちですが、世界保健機構(WHO)にも正式に認められた精神疾患です。
まずは親御さんもそれを理解することが重要です。

ゲーム依存症を甘くみて、対策が遅れてしまっては、親御さんもお子さんもつらい思いをすることになります。

ゲーム依存症がどんな病気なのか、どんな症状なのか、放っておくとどうなってしまうのか、医師に相談したり、書籍やホームページで調べてみましょう。

ゲーム依存に関する正しい知識を得ることで、ゲームとの関わり方を考えるきっかけになります。

 

5-3. ゲーム障害(依存症)対策の基本はルールを作って習慣化しておくこと

 

子どもをゲーム障害(依存症)から守るためにも、ゲーム漬けになる前にあらかじめルールを決めて習慣化しておきましょう

事前に以下のようなルールを決めておくことで、のめり込みを防げる可能性が高まります。

ルール

  • ゲーム機、スマホやタブレット端末の使用時間
  • ゲーム機、スマホやタブレット端末を使用する場所

こうしたルールを決める際に、親御さんが勝手に決めて強制しても意味はありません。
お子さん自身にもメリットやデメリットを考えさせ、話し合うとよいでしょう。

ルールを考える際は、「禁止」「ダメ」と行動を否定して制限するのではなく、「○○時から○○時の間に使う」「リビングで使う」というように肯定する形にすると抵抗感なく取り組めます。

「破ったらダメ」「絶対に禁止」と言われれば言われるほど、決まりを破りたくなるのが人の性質です。

また、ルールを家族みんなで生活に取り入れることで、家族内の一体感も生まれてくるでしょう。

参考文献

厚生労働省(2020)ゲーム依存症対策関係者連絡会議,「ゲーム依存症対策関係者会議 資料」(参照2020-09-13)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000202961_00004.html

 

5-4. ゲーム障害(依存症)気味なら、まずは生活を見なおす

 

ゲームが引き金で、生活リズムが乱れはじめたのなら、気づいた段階で生活習慣の見なおしをしましょう。

放置すると、ゲーム障害(依存症)へ陥る可能性だけが高まり、不登校も長引く結果になります。

方法としては、お子さんに「どういう1日だったら理想的か?」を聞いて、今とのギャップを洗い出します。
そして、理想との差は何か何をすれば近づけるのか。今、マイナスの影響を与えているのは何か?と考えるのも有効的です。

その際に、ゲームは楽しくて面白いものかもしれないが、今のように身体を不調にさせてしまう側面もあることを伝えてみるのもよいでしょう。

また、ゲームから脱却するためには「ゲームに手を伸ばしてしまう行動」に注力して対策を考えましょう。

例えるなら、ゲームが気になりだしたら別の行動で上書きさせるイメージです。

もし「ゲーム機やスマホにタブレット端末が気になり始めたら…」

A「冷水で顔を洗う」
B「保冷剤を顔に当てて30秒目を閉じる」
C「ゲームをしたい感情を言葉にする、紙に書き出す」

などです。

ゲームに手が伸びそうになる瞬間は、何度も必ず訪れます。
事前に「もし…」と想定したうえで、具体的に何をするのかが明確な対策をつくっておくと、いざというときに実行しやすくなりますよ。

 

5-5. ゲーム以外の楽しめる趣味をもつ

 

ゲームはリアルではありません。仮想世界のものです。

お子さんが「現実世界も楽しいんだ」と思えるような体験をさせてあげましょう。

お子さんにとって何か興味のあることに取り組んでみると、お子さんは充実感や達成感を経験することができます。

取り組んでみたことがうまくいかないときも、結果を見ずに取り組んだ過程をたくさん褒めてあげてください。

一緒に楽しみながら一緒に成功体験を積み上げていくことで、お子さんの自己肯定感が育ち、親子の絆も深めることができます。

 

5-6. すでにゲーム障害(依存症)の影響があるなら一刻も早く専門機関へ相談する

 

家族から見ても、ゲーム障害(依存症)だとわかる、明らかに問題が生じているのであれば、一刻も早く専門機関へ相談しましょう。

障害(依存症)の期間が長ければ長いだけ、子どももあなたも辛い思いをしてしまいます。

一般的な相談先として、心療内科およびメンタルクリニック、精神科があげられます。
また、保健所や精神保健福祉センターでも依存症への相談を受け付けているので、一度問い合わせてみてください。

下記の「依存症対策全国センター」では、全国の依存症の相談窓口・専門機関を検索することが可能ですよ。

「依存症対策全国センター」

6. 【ゲーム依存の予備知識】不登校の中学生・高校生は、どうしてゲームにハマるの?漫画やアニメとは何違うの?

 

ゲームの他に現実の辛さから逃れられる物といえば、漫画やアニメも思い浮かぶでしょう。
しかし、漫画とアニメ、ゲームには少々違いがあります。

違いとは「進んでいくものを追うのか、自分の手で進めていくのか」
特に「自分が成長している感覚があるか」です。

漫画とアニメ、ゲームを比べてみましょう。

漫画とアニメ

  • 読む・見ることで可能なのは、あくまでも話を追うこと。物語の世界に、自分は介入できない。
  • 既に主人公(キャラクター)が存在しているため、自分が主役になることはない。
  • 仮に、自己投影や空想することで活躍する気分は味わえても、目に見える形で残らない。「自分が強くなっている感覚」は得られない。

ゲーム

  • 自分が、ゲームの世界の主人公(キャラクター)になれる。
  • 仮に、主人公という役割りを持ったキャラクターが存在している場合でも、主人公を操作できるのはプレイヤーである自分。
  • 自分の手で遊ばない限り進展しない。進めることで、「キャラクター=“自分が強くなっている感覚”」を得られる。

ゲームは、受け身では何も進みません。
自分の手で自分の化身を操作することで、ゲームの世界でできることが増えます。
できることを積み重ねる。つまりは、「自分が強くなっている感覚」を得られるのです。

 

6-1. 子どもだけでなく大人もハマるゲームの仕組み

 

「自分が強くなっている感覚」は言い換えれば、「前進している、自分が成長している感覚」です。

「強くなった」「進んだ」と実感した次の瞬間には、「もっと強くなりたい!」「もっと先へ進むには…」と無意識で思うもの。

この「もっと」を刺激する工夫が、ゲームにはあちこち散りばめられているのです。
特に、いかにプレイヤーを飽きさせずにモチベーションを維持させるかの要素は、特に注力されています。

プレイヤーを飽きさせないための仕組み

  • 成長が数字でわかる・「あとどれくらい?」が見ただけで判断可能
    レベルや進捗度が数字で表示されることで、「あとどれくらいで次に進めるのか」が直感的にわかる。
  • 自分ができることがわかる
    「スキル」や「技」の名目で、今の自分に何ができるのか、使えるのか明確にわかる。
  • 次に何をするのか、やることが明確で迷わない
    ゲーム開始後は、チュートリアルでプレイヤーをゲームの世界へ誘導しつつ、操作させることで「何をどう操作すればいいのか」を理解させる。
    その後はクエストや依頼という形で「何をするべきか、何を進めるべきか」をプレイヤーに提示する。
    (やるかやらないかは自由だが、やらない理由がないため、おのずと進める流れになる。)
  • 自由に使えるお金があり、失っても簡単に手に入る
    ゲームの中だけで自由に使えるお金が存在する。
    キャラクターのレベルや物語の進展に比例して貯まりやすくなり、遊ぶほどに湯水のように使える。例え、大金を失っても遊ぶことで容易に取り戻せる。
  • 何度もやり直せる、何度も試せる
    ゲームは、失敗してもやり直しが可能。むしろ、ゲームオーバーになるとミスを取り戻そうとして、「次こそは…」と躍起になる。

参考文献

ゲームの世界と現実を比較すると、いかがでしょう。
「自分ができることがわかる」現実だと「あなたは何ができますか?得意なことは?」と聞かれるようなものです。

あなたはスッと答えられますか?

また、「何度もやり直せる、何度も試せる」とは、失敗してもよい環境であるということ。

自分が不登校になったことで、「自分は失敗したかも。戻れないかもしれない」と思っている子どもにとって、何度もやり直しの効くゲームの世界ほど夢のような場所はないのです。

そのため、居心地のよいゲームにのめり込むほど、抜け出すことは困難に…。
想像に容易いように、ネット依存やゲーム障害(依存症)へのリスクは高まります。

7. 中学生・高校生の不登校はゲーム依存になっている場合によくある心配事

 

ここからは、中学生・高校生で不登校の子どもがゲーム依存になっている場合によくある心配事を紹介します。

 

7-1. 1日何時間やったらゲーム依存症?

 

睡眠障害や憂鬱などの心の問題が起きても、「ゲームを6時間以上続け、生活に支障をきたすまでやり続ける」場合は、ゲーム依存症といえます。

ただし、ゲーム依存症は「何時間やったら」依存症というよりも、「やめなければならないのにやめられなくなったら」依存症です。

 

7-2. ゲーム依存症はどうしたら治る?

 

お子さんだけの努力や親御さんのサポートだけでは難しい場合があります。

そのときは以下の方法を検討してみましょう。

  • スダチなどの専門機関に相談
  • 病院を受診
  • 心理士によるカウンセリング
  • デイケア
  • 入院治療

 

スダチでは、不登校からゲーム依存になったお子さん方を平均3週間で再登校に導いています。

お子さんがゲーム依存から抜け出せないときには、ぜひ無料相談から現状のお子さんの様子をお聞かせください。

ゲーム依存や不登校の根本的な解決に向けて一緒に前進しましょう。

7-3. ゲーム中毒者の特徴は?

 

ゲーム中毒者(依存症)の特徴には以下のようなものがみられます。

  • ゲームをするために睡眠や学業の時間を削る
  • 食事中や他人との会話中にもゲームをする
  • 体調不良が起こる
  • ゲームのことを注意されるとイライラする

 

7-4. ゲームをやりすぎると脳はどうなるのか?

 

ゲームをやりすぎると脳にどんな影響を与えるかは、科学的な根拠は示されていません。

しかし、大量のドーパミンが放出されることで、受容体の数が減ったり、感受性が低下したりすると言われています。

 

7-5. ゲーム依存症は精神障害なの?

 

ゲーム依存症は、精神障害です。

世界保健機構(WHO)が2019年に国際疾病分類として新たにゲーム障害(依存症)を認定しました。

生活の何よりもゲームが最優先され、生活上で問題が起きたとしてもゲームを辞められない、コントロールできない状態に陥ります。

 

7-6. ゲーム依存症のときゲームを取り上げてもいい?

 

結論から先にお話しすると、よくありません。

正しい親子関係ができていない状態でゲームを取り上げると、お子さんは親との関係を完全にシャットアウトしてしまう可能性があります。

これは好き放題甘やかしていいというわけではありません。

ゲームとの付き合い方を親子で相談し、その約束を何度も破り学校に行けない状態が続いてしまう場合はゲームを取り上げるべきです。

しかし、ゲームに関する話し合いもなく「いきなり」ゲームを取り上げることはおすすめできません。

 

8. まとめ

 

「不登校の子どもがゲーム漬けでも、そのうちよくなる」
“そのうち”
をただ待つのは、子どももあなたも辛い思いをする期間を延ばしているのと同じ。

不登校の子どもがゲーム三昧になるのは、自分が不登校だという罪悪感や不安から目をそらすため。

ゲームにはプレイヤーを飽きさせないため、モチベーションを維持させる工夫が数多く取り入れられています。
このため、罪悪感や不安感などのストレスを抱えた状態であり、自己コントロール能力の発達段階である子どもはゲームにのめり込みやすくなるのです。

のめり込むと、ゲーム障害という依存症に陥り、治療が必要になる場合も…。

ゲームへの逃避と不登校に起因しているのは、子どもの根底にある「自己評価の低さ」です。

要因は、親からの愛情がうまく伝わっていない、子どもが素直にうけとれていないことにあります。
もう一度、育てなおしをすると愛情を正しく伝えられるようになるため、子どもの自己評価も上がり、自己肯定感(自己受容力)も育ちます。

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9. 追伸:不登校でゲームばかりのお子さんをお持ちの親御さんへ【無料】

最後に1つだけ。

あなたがお子さんの「不登校」「ゲーム」について疑問や不安を抱えているのであれば、そのモヤモヤを外へ出す機会をつくってほしいと思います。

今のあなたが心の底から笑えていないこと、子どもさんは気づいています。

同時に子どもは、「親に迷惑をかけているのは自分だという事実に対して罪悪感も抱いているのです。

子育て全般なら、比較的、友だちにも相談しやすいかと思います。

ですが、不登校のことを話すのは少々気が引けますよね。

同じように悩んでいる人の思いや考えを聞きたい場合、不登校の子どもを持つ親御さんを対象にした当事者の会(親の会)へ参加してみるといいですよ。

また、私たちなら、あなたの気持ちを受け取って心の不安を取り除いたうえで、お子さんの不登校解決のための手助けができるかもしれません。

\ ここから、あなたの悩みやお子さんの今の様子を教えてください。不登校専門家の私たちが最大限サポートします /

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

  • この記事を監修した人
小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

不登校支援サポート スダチ 代表
株式会社スダチ 代表取締役社長

「学校へ行こうかな」を自然と引き出すサポートを展開するスダチの代表。これまでで1,000名以上のお子さんを再登校に導いてきた。

「誰もが巣立ちゆける世界を」をミッションとし、不登校の解決はそのための通過点に過ぎないと考えている。
これまで不登校の子ども達に向けたボランティア活動を通し、多くの不登校の子どもたち、保護者様と関わる。

ボランティア活動を通して、子ども達や親御さんとお話しする中で、「本当は学校に行きたい、だけど行けない。自分でも行けない理由が分からない」子ども達が多くいることを知る。

そのように苦しんでいる子ども達や親御さんを見て、「不登校で苦しむ子供たちを一人でも多く救いたい」との思いを持つようになり、不登校支援事業を立ち上げるに至る。

-中学生の不登校ブログ

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