この記事の結論
文部科学省の調査で、不登校児童生徒はおよそ30万人、いじめの認知件数は68万件といずれも過去最多になりました。これを受けて文科省は来年度予定していた対策を前倒しし、2023年度補正予算案にスクールカウンセラー時間増・教室外の別室設置・タブレット端末の健康管理アプリ導入を盛り込みました。
本記事ではこの対策の中身と、ご家族として並行して動かせる選択肢を整理します。
文部科学省の最新調査によると、2022年度の不登校児童生徒は約30万人、いじめの認知件数は68万件超と、いずれも過去最多を更新しました。
これを受けて文科省は対策を急ぎ、本来来年度予定だった施策を前倒しで2023年度補正予算案に盛り込んでいます。
スクールカウンセラー時間増・別室設置・タブレット健康管理アプリなど、行政の支援は確実に広がっています。
本記事では対策の中身を整理しながら、ご家族として並行して動かせる選択肢もお伝えします。
この記事を読んでわかること
- 文科省調査|不登校30万人・いじめ68万件という過去最多の数字
- 2023年度補正予算案に盛り込まれた3つの対策の中身
- スクールカウンセラー時間増がご家族の支援につながるかの考察
- 「教室外の別室」が再登校への道を遠ざけるリスク
- タブレット健康管理アプリで何が変わるか・変わらないか
目次
1. 文科省調査|不登校30万人・いじめ68万件という過去最多
まずは数字を整理します。
1-1. 不登校児童生徒は約30万人
文部科学省の最新調査では、小中学校の不登校児童生徒は約30万人。
10年連続で増え続けており、増加ペースも年5万人と止まりません。
1-2. いじめの認知件数は68万件超
小中高・特別支援学校でのいじめ認知件数は68万件超。これも過去最多の数字となっています。
いじめの認知が広がったことが背景にあるとも言われています。
1-3. 両方とも対策が必要な水準に
不登校・いじめのいずれも、もはや社会的な対応が求められる水準に達しています。
文科省が来年度予定の対策を前倒しで実施することにしたのも、この危機感の表れです。
参照:文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(2024年10月公表) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm
スダチご利用者の声
スクールカウンセラーの時間が増えるのは、確かに相談する窓口としては助かります。ただ「具体的にどう動くか」のアドバイスは得られず、状況は変わらないままでした。私たちが必要としていたのは別の支援だったと痛感しています。
小学4年生・女の子の保護者 ▶ 直筆アンケートを見る
2. 年度補正予算案に盛り込まれた3つの対策
文科省が打ち出した対策の中身を見ていきます。
2-1. 対策①|スクールカウンセラーの相談時間を増やす
学校に配置されるスクールカウンセラーの相談時間を増やす方針です。
これにより、お子さんや保護者が相談しやすい環境を整える狙いがあります。
2-2. 対策②|教室外の別室を学校内に用意する
教室に行きづらいお子さんのために、学校内に居場所となる別室を用意します。
保健室登校に近い形で、お子さんが学校に来やすくする工夫です。
2-3. 対策③|タブレットに健康管理アプリを導入
タブレット端末に日常的な心身の健康管理を行うアプリを導入。
お子さんの状態を見える化する取り組みです。
2-4. つともご家族の支援につながるか
これらの対策はそれぞれに価値があります。
同時に「これだけで状況が変わるか」と問われると、まだ届かない部分もあるのが現実です。
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3. スクールカウンセラー時間増の意義と限界
最初の対策から考えてみます。
3-1. 相談窓口が広がるのは確実な前進
スクールカウンセラーへの相談時間が増えることで、より多くのお子さん・親御さんがアクセスできるようになります。
「話を聞いてもらう場」としては大きな前進です。
3-2. 「具体的なアドバイス」までは届きにくい
ただ、スダチに相談に来られる親御さんからよく聞くのは、「話は聞いてくれたけれど、明日どう動くかは見えなかった」という声です。
カウンセラーは見守りを推奨することが多く、具体的な行動指針までは届きにくい構造があります。
3-3. 「窓口の数」と「結果」の関係
過去10年でスクールカウンセラーは増え続けてきました。しかし不登校も同時に増え続けている。
この事実が、窓口を増やすだけでは届かない領域があることを示しています。
スダチご利用者の声
学校に教室以外の居場所ができるのはありがたい取り組みです。しかし息子が本当に求めていたのは「教室に戻る道筋」だったので、別室登校が居心地のよい場所になると、教室に戻るチャンスから遠ざかってしまうのではないかと感じます。
小学6年生・男の子の保護者 ▶ 直筆アンケートを見る
4. 「教室外の別室」が再登校への道を遠ざけるリスク
2つ目の対策にも、注意したいポイントがあります。
4-1. 「学校に来やすくなる」のは確か
教室には入れないけれど、別室なら来られる。
そんなお子さんの居場所が広がることは、確かに価値があります。
4-2. 居心地の良さが「教室復帰」を遠ざけることも
スダチが現場で見てきたのは、別室が居心地の良い場所になると、お子さんが教室に戻るタイミングを掴みにくくなるパターンです。
段階を増やすほど、それぞれの段階で新しい壁が生まれます。
4-3. 「最初から教室復帰」を目指す方が自然
スダチでは、「最初から教室復帰」を目指す方が、お子さんにとって楽な道筋になると考えています。
元々通っていた席に戻るほうが、新しい別室に通うより自然だからです。
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5. タブレット健康管理アプリで何が変わるか・変わらないか
3つ目の対策はテクノロジー活用です。
5-1. 「現状の見える化」は前進
健康管理アプリで日々の状態を記録・可視化することで、お子さんの変化に気づきやすくなります。
早期発見という意味では有効な仕組みです。
5-2. ただし「現状」と「行動」は別物
アプリが教えてくれるのは「現状」であって、「明日どう動くか」ではありません。
データを見たうえで、家庭でどう関わるかを考えるサポートが別途必要になります。
5-3. 「データ」と「伴走」のセットが必要
スダチのサポートでは、親御さんが日々のお子さんの様子をメールで報告し、コンサルタントが翌日までに「明日朝はこう声をかけてください」と具体的な行動指針を返します。データと並行して、伴走者がいる仕組みです。
スダチご利用者の声
タブレットの健康管理アプリができても、結局そのデータをどう使うかは家庭次第です。アプリが教えてくれるのは『現状』であって『どう動くか』ではありません。本当に必要なのは、毎日のメールサポートのような『行動のアドバイス』だと感じています。
小学5年生・男の子の保護者 ▶ 直筆アンケートを見る
6. 行政支援と家庭の関わりを「両輪」で動かす
スダチが大切にしている視点をお伝えします。
6-1. 行政の対策は確実に意味がある
スクールカウンセラーも別室も健康管理アプリも、それぞれに確実な意味があります。行政の取り組みを否定するものではありません。
6-2. 家庭で動かせる部分が、結果に直結する
ただ、お子さんが最も多くの時間を過ごすのはご家庭です。
家庭での声かけ・生活リズム・ルールを整えることが、結果として再登校に直結します。
6-3. 「両輪」で動かすという発想
行政支援を活用しながら、並行して家庭の関わり方を整える。この両輪の発想が、お子さんを最も支えます。
6-4. 子ども時代の1日1日が取り戻せない時間だから
子ども時代の1日は、お子さんの人生にとって取り戻せない時間です。だからスダチは、平均22.6日という再登校期間を大切にしています。
1,900名以上のご家族との伴走経験から、お子さんに合った道筋をお伝えします。
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7. よくある質問
行政の不登校対策について、親御さんからよくいただく質問にお答えします。
7-1. 補正予算の対策がいつから始まりますか?
2023年度補正予算案として2023年10月の臨時国会に提出される予定でした。2024年度から段階的に展開が進んでいます。
7-2. スクールカウンセラーの時間が増えれば、より相談しやすくなりますか?
物理的に相談機会は増えます。ただ「具体的な行動指針」を求める場合は、別の支援を併用するのがおすすめです。
7-3. 別室登校・タブレットアプリも積極的に活用すべきですか?
ご家庭の状況によります。行政の支援に頼り切らず、家庭の関わりも並行する姿勢が、結果につながりやすいと感じています。
8. まとめ|「行政の対策」と「家庭の関わり」を両輪で
不登校30万人・いじめ68万件という現実を前に、文科省が補正予算で対策を急ぎます。これは確実に前進です。同時に、行政の取り組みだけで状況が変わるわけではない、というのも事実です。
「行政の対策」と「家庭の関わり」を両輪で動かす。この発想で、お子さんに合った道筋を一緒に考えていきましょう。



