この記事の結論
2022年10月実施の親の会対象アンケートで、不登校が子どもと親に与える影響が浮き彫りになりました。休んだことで「心が安定」が68.4%・「ストレスが減った」が56.1%とプラスの変化が見られた一方で、「昼夜逆転」が54.8%・「自信がなくなった」が40%とマイナスの変化も同時に発生。
さらに親御さんの9割の家庭で支出増・3割で収入減という経済的負担も明らかに。
本記事では、この二面性の読み解き方と、1,900名以上の支援で見えてきた「次のステップを設計する」発想をお伝えします。
「学校を休ませてから、息子の表情が穏やかになりました」
「でも昼夜逆転して、別の心配が始まっています」
不登校で悩む親御さんから、こうした「複雑な現状」をお聞きすることがよくあります。実際に学校を休ませることで楽になる部分と、新たに生まれる問題があるものです。
当記事では、不登校が子どもと親に与える影響調査の数字を整理しつつ、1,900名以上の支援で見えてきた「次のステップを設計する」視点をお伝えします。
この記事を読んでわかること
- 学校を休ませることで起きる「プラスの変化」と「マイナスの変化」の両面
- 「心の安定」と「昼夜逆転」が同時に起きるとどう判断すればいいか
- 親御さんの9割の家庭で支出増・3割で収入減という経済的実態
- 親御さんが感じる「自責の念・孤独感」と精神的負担の構造
- スクールカウンセラーが増えても不登校が減らない本当の理由
目次
1. 学校を休んだ子どもの「プラスの変化」|心の安定とストレス軽減
2022年10月、全国の不登校児童生徒を持つ保護者が集まる親の会を対象に行われたアンケートで、学校を休んだ子どもの変化が明らかになりました。
1-1. 心が安定した子は68.4%
アンケート結果では、学校を休んだことで「心が安定した」が68.4%と最も多い変化でした。
学校に拒否感のあるお子さんが休養を取ることで、精神的に落ち着いていく傾向が数字に表れています。
1-2. ストレスが減った子は56.1%
「ストレスが減った」と答えた家庭も56.1%。学校から離れることで、お子さんの心理的負担が和らぐ実感がある親御さんも多いことが分かります。
1-3. 緊急避難としての「休む」は確かに有効
深刻ないじめや健康問題があるお子さんにとって、休むことが命を守る選択になることは間違いありません。
プラスの変化が出ること自体は否定すべきではないのです。
スダチご利用者の声
学校を休ませた当初、息子の表情は確かに穏やかになりました。けれど数週間で昼夜逆転と運動不足が深刻になり、別の問題が大きくなってしまいました。「休めば解決する」と単純に考えていた自分を反省しています。
小学4年生・女の子の保護者 ▶ 直筆アンケートを見る
参照:登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク「不登校の子をもつ親への全国アンケート」(640人対象・2023年5月文部科学省記者会見で公表)/不登校新聞・東洋経済オンライン報道 https://toyokeizai.net/articles/-/675926
2. 同時に起きる「マイナスの変化」|昼夜逆転と自信喪失
ところが、同じアンケートでは「マイナスの変化」も同じくらい大きいことが分かっています。
2-1. 昼夜逆転した子は54.8%
「生活時間が乱れて昼夜逆転した」が54.8%。実に半分以上の家庭で、お子さんの生活リズムが大きく崩れています。
昼夜逆転の原因は、運動不足による寝つきの悪さや、スマホの使い過ぎによるブルーライト過剰などが考えられます。
生活リズムの乱れは心身に影響します。特に成長段階にあるお子さんの場合は、成人以上に健康への影響が出やすいため注意が必要です。
2-2. 自信がなくなった子は40%
「自信がなくなった」が40%。学校から離れることで「みんなと違う」という感覚が強まり、自己肯定感が下がるお子さんが少なくありません。
2-3. 「心は安定したけど昼夜逆転」をどう読み取るか
ストレスは確かに減るけれど、生活リズムが壊れ自信を失っていってしまう...。
この二面性は、「学校を休ませれば解決」と単純に判断できないことを示しています。
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参照:同上調査(登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク 親の全国アンケート 640人対象) https://toyokeizai.net/articles/-/675926
3. 親御さんの9割の家庭で支出増・3割で収入減
ご家庭の経済的な影響も無視できません。
アンケートでは、親御さんの家計への影響も詳細に調査されました。
3-1. 食費・光熱費・教育費が増える
不登校の家庭の約9割で、支出が増えていました。
給食のない分の食費・お子さんが1日中家にいる光熱費・フリースクールや塾の教育費など、複数の支出が同時に増えていきます。
3-2. 割の家庭で収入が減る
さらに、3割の家庭で収入が減少。
パートタイムへの切り替え・退職などで、収入面の打撃も大きくなっています。シングルのご家庭ではより深刻で、生活保護に至るケースも報告されています。
3-3. 「お金で解決できない」精神的負担
経済負担が大きくなる中で、親御さん自身の自責の念・孤独感も深まります。
仕事も子育ても同時に整えなくてはならないプレッシャーが、家庭全体の空気を重くします。
スダチご利用者の声
不登校で家計の支出が9割の家庭で増えるというデータは本当に実感します。食費・光熱費・教育費の三重苦で、夫婦で疲弊していました。スダチに早期解決を求めたのは、経済面でも精神面でも限界に近づいていたからです。
小学6年生・男の子の保護者 ▶ 直筆アンケートを見る
参照:同上調査(登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク 親の全国アンケート 640人対象) https://toyokeizai.net/articles/-/675926
4. 「親が好きなことをしていれば子供は変わる」の限界
親の会やフリースクールでよく聞かれるアドバイスがあります。
4-1. 「お母さんが好きなことを」では子どもは変わらない
「お母さん自身が好きなことをしていれば、子どもは変わる」
このアドバイスは親御さんの心を軽くしますが、直接的な解決にはなりにくいのが現実です。
4-2. 仕事を辞めた親御さんが「過干渉」になる落とし穴
スダチに相談に来られる親御さんの中には、「子どもの不登校で仕事を辞めた」という方もいます。
けれど家にいる時間が増えた結果、過干渉になってしまい、お子さんへのプレッシャーが増えてしまうケースもあります。
4-3. 仕事は続けながら家庭を整える
スダチでは「仕事を辞めずに家庭を整える」方針を多くの親御さんにお伝えしています。
経済的負担を減らしながら、家庭での声かけ・ルール・生活リズムを毎日整えていくのが現実的なアプローチです。
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5. スクールカウンセラーが増えても不登校が減らない本当の理由
過去10年でスクールカウンセラーは増えてきました。しかし不登校は同時に増え続けています。
5-1. 「話を聞いてもらう」場としては有効
スクールカウンセラーは、親御さんの話を聞いてもらえる場として一定の役割を果たしています。
気持ちが整理される効果はたしかに存在します。
5-2. 「具体的なアドバイスが得られない」声が多い
ただスダチに相談に来られる親御さんからは、「具体的なアドバイスが得られなかった」「待ちましょうとしか言われなかった」という声を多くいただきます。
再登校という具体的な結果を求める場合、別の支援が必要です。
5-3. 「相談先」と「解決先」は分けて考える
気持ちを聞いてもらう「相談先」と、再登校に向かう「解決先」は別物として整理することが、現実的な選択肢を広げます。
スダチご利用者の声
親の会で「お母さん自身が好きなことをしていれば子供は変わる」と言われていましたが、息子の昼夜逆転は止まりませんでした。スダチで家庭環境から具体的に整えていく方針に切り替えてから、ようやく前に進めるようになりました。
小学5年生・男の子の保護者 ▶ 直筆アンケートを見る
6. スダチが大切にしている「次のステップを設計する」関わり
スダチは1,900名以上のお子さんを再登校に導いた実績があります。スダチの平均再登校期間は22.6日です。
6-1. 休むことのプラス・マイナス両面を踏まえる
スダチでは、「休むことのプラス・マイナス両面」を踏まえて、ご家族と一緒に方針を立てます。
一律に「休ませる」ではなく、お子さんの状態に合わせて毎日アドバイスをお届けします。
6-2. 生活リズム・自己肯定感を取り戻す家庭設計
「昼夜逆転・自信喪失」というマイナスの変化を防ぐため、生活リズム・自己肯定感を取り戻す家庭設計を一緒に作っていきます。
6-3. 仕事を辞めずに、家庭から動かす
経済的負担を増やさないため、仕事を続けながらでも取り組める家庭での関わり方をお伝えしています。
短時間でも質の高い関わりに変えることで、お子さんは変わっていきます。
焦らなくて大丈夫です。多くの親御さんが同じ場所を通って、お子さんと一緒に少しずつ前へ進んできました。
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7. よくある質問
不登校の影響調査について、親御さんからよくいただく質問にお答えします。
7-1. 学校を休ませると本当に子どもが楽になるのですか?
短期的には「心の安定」などのプラスの変化が出ます。
ただし長期化すると「昼夜逆転・自信喪失」というマイナスの変化も発生します。両面を踏まえて、休ませた後の道筋を設計することが大切です。
7-2. 仕事を辞めるべきか迷っています
スダチでは「仕事は辞めなくていい」とお伝えすることが多いです。
家にいる時間が増えると過干渉につながり、結果的にお子さんにプレッシャーをかけてしまうこともあります。
7-3. 親の会に通うのは効果がありますか?
気持ちを共有できる場として一定の価値があります。ただし、再登校という結果を求める場合は、別途具体的な解決策を提供してくれる支援を検討するのがおすすめです。
8. まとめ|「休ませる」だけでなく「次のステップ」を設計する
不登校が子どもと親に与える影響は、プラスとマイナスの両面があります。
「心の安定」が68.4%でも、同時に「昼夜逆転」が54.8%。このデータが教えてくれるのは、「休ませる」だけでは状況は整わないという事実です。
スダチは経済的負担も含めて、ご家族全体の道筋を「次のステップ」まで設計することが、お子さんの未来を支えます。
1,900名以上の親御さんと一緒に「明日の朝、何と声をかけるか」を考えてきました。



