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サポーターのホンネ日記

スダチ 不登校サポーターのホンネ日記 #4 第二章  暴言への対応 ~親子関係の見直し~

2025.02.25

こんにちは、スダチの不登校支援サポーターです!

今回は、前回の「第一章  長いサポートの始まり」の続きからお話ししていきます。

【前回までのあらすじ】

小学5年生のかのんちゃんは、5年生になった頃から行き渋りが始まり、最終的には学校へ行けなくなってしまいました。

友達とも仲が良く、表面的な問題はなかったものの、家庭内ではお母さんへの暴言が激しくなり、親子関係に課題があることが見えてきました。

お母さんは過去の厳しい叱り方を振り返り、自分の関わり方を変えなければならないと強く決意。

しかし、病院などからの「幼い子どもだと思って接する」というアドバイスを実践したところ、かのんちゃんの要求がエスカレートし、事態はさらに悪化してしまいました。

試行錯誤を重ねるも、改善の兆しが見えず、お母さんとお父さんは子育てに自信を失っていました。

そんな中、スダチのサポートを受ける決断をし、「親子関係の築きなおし」「自己肯定感の向上」「前向きな姿勢の育成」などを目標に、長期的なサポートがスタート。

かのんちゃんの再登校への道、そして親子関係の改善は果たして実現できるのでしょうか?

▼家族構成

家族構成

・母

30代後半の専業主婦。

・父

30代後半、シフト制で勤務している会社員。

仕事で忙しい中、ほぼすべての面談に同席している。

・長女:かのんちゃん

公立の小学校へ通う小学5年生。

・次女

小学2年生。かのんちゃんと喧嘩も多いが仲良し。

▼サポート開始時のお子さん

サポート開始時のお子さん

地元の公立小学校に通う小学5年生。

進級後、行き渋りが増え5月末の登校を最後に不登校になる。

かのんちゃんは、活発で友達も多いタイプのお子さんで、学校を休んでも放課後には近所の友達とよく遊んでいた。

苦手な授業や先生はあったかもしれないが、学校での表面的な問題は特に見られなかったものの、家庭内での暴言は激化。

特に、お母さんへ強い怒りを抱え、思い通りに物事が進まなければ、お母さんを傷つけるような言葉を多く浴びせていた。

背景には、不安感の強さや安全基地の感覚の低さが影響していた。

▼サポート開始直後の親御さんの様子

サポート開始直後の親御さんの様子

・無料相談前は、スクールカウンセラーや小児カウンセリングに親御さんのみ相談していたが、お父様がスダチの不登校に対する考え方に共感してくださり相談に申し込んでくださった。

(初回相談から最終回まで、ほぼ全ての面談にご両親そろって参加された。)

・お二人ともお子さんへの対応に悩まれ、特にお母様は度重なる暴言に参ってしまっている状態だった。

・お子さんへ愛情を伝えたいのにその伝え方が分からず、常に自分の対応が正しいのか不安が強かった。

注意

※実際のサポートを元にしていますが、人物名など個人を特定できる情報は仮で設定しております。

※記載している内容はあくまでもサポートの一部でございます。

第二章 暴言への対応 ~親子関係の見直し~

デジタル制限の開始

7月初旬。

いよいよサポートが始まろうとする直前、藤川さんから一通のメールが届きました。

〈実際のメールのやり取り〉

かのんちゃんが妹さんを叩いたのでお母さんが叱ったところ、

「ママの言い方が嫌、反省して」
「ママのどこが悪いかわからないの?」
「ママが気持ち悪いから気持ち悪いって言っているの」と、

かのんちゃんは一方的にお母さんに強い怒りの感情をぶつけました。

けれど、実はかのんちゃん、お母さんのことが大大大好きなんです。

ですので、これだけ強く怒ったあとに「大好きなのにこんなこと言ってしまう。ごめんね。」と泣いて訴えます。

その辛そうな姿をみてお母さんも泣いてしまうそうです。

そんな日々の繰り返しで、サポートをスタートできるか....との問い合わせでした。

このメールをみて、お二人が暗いトンネルの中でどうすればいいかわからず迷子になっているような印象を抱きました。

その苦しさを想像するだけで私まで涙が出そうになってしまいます。

お互いのことが大好きなはずなのに、傷つけあってしまう。このような関係性を一日でも早く改善してあげたいと、改めて強く決意した瞬間です。

 

ルール発表はお母さんの事前準備の甲斐あってスムーズに行うことができました。

ルール内容には、「やるべきことをやらなければ、やりたいことはできない」という考えのもと、デジタル類の制限や生活リズムを整えること、家族団らんの時間を確保することなどが盛り込まれています。

発表直後はタブレットを使えなくなることに号泣していたそうですが、その日のうちに気持ちを切り替えることができたそうです。

〈実際のメールのやり取り〉

 

ただ、ルール開始前日の夕方ごろからイライラしはじめ、ルールの紙を破り、「こんなルール勝手に決めるな」「自分の人生ぐらい好きにさせて」「一生学校には行かない」と強く抵抗し、反発したそうです。

〈実際のメールのやり取り〉

ちなみにサポーターとしてこの反応は想定済

みです!

かのんちゃんのように発表時には「ルールを守らなかったらどうなるのだろう?」「どうせそうは言っても、お母さんたち本気じゃないだろうし、私に甘いんだよね!」と、本当にデジタルを制限されるのか半信半疑な思いから、比較的すぐに気持ちを切り替えられるお子さんが多いです。

ところが前夜になりルール開始目前になると、徐々に現実味が増し、「お母さんのせいでやる気がなくなった」「一生学校には行かない」と、親御さんの心変わりを狙おうとする言動が増え始めます。

ただ、このような言葉はルール発表のタイミング以外でもほとんどのお子さんがサポート期間中に何十回と言ってくるセリフです。

事前に藤川さんにもそのことを伝えていたので、お母さんも、お父さんもあまり動じることなく「ルールは予定通り開始する」と、冷静に対応してもらうことができました。

 

ただ、藤川家の場合、ルールへの反発はありましたが、それ以上に「お母さんに勝手に決定された」ということへの怒りが暴言という形で強く現れました。

つまりルール開始前からあった暴言が一時的に悪化したのです。

このようにルール開始直後は、一時的に親子関係が悪化したように見える瞬間があります。

ただ、高く飛ぶためにはしゃがみ込みが必要です。

親子関係においても良好な関係を築くために、一時的な衝突は避けられません。

そこで「具体的に何をすればいいか」行動レベルでのアドバイスを心掛け、暴言をはじめ日々の対応方法を変えてもらいました。

〈実際のメールのやり取り〉

サポーターが特に注意した3つのポイント

親子関係を変えていくために以下の3つのポイントに絞ってアドバイスを行いました。

①暴言を真正面から受けない、応戦しない

これまで藤川さんは、かのんちゃんから暴言を言われると、なんとか自分の思いをわかってもらおうと同じトーンで強く説明したり、納得させようとすることが多く、その結果言い合いになってしまうことが多かったようです。

また、始めは怒らないようにすることを意識していても、怒りをぶつけられれば当然、親も人間なのでイライラしてきます。

最終的にはあまり望ましくない言い方で思いをぶつけてしまい、「またやってしまった」と後悔することも多かったようです。

そこで、アドバイスさせていただいたことは、暴言が出た時は、藤川さんがその場を離れるか、かのんちゃんを違う場所に連れていき、タイムアウトをさせるということです。

お互い感情的に言いあわないよう距離をとってもらうよう助言しました。

特に、
・暴力(体罰)で返すこと
・その場しのぎの解決を図ること(取引を持ち掛けること)
・子どもの発言にいちいち付き合い、振り回されること

がないように意識してもらいました。

〈実際のメールのやり取り〉

始めはタイムアウトしようとすると、
「勝手に話を終わらすな」「落ち着くことなんてない、後で話すことなんてない」と大声で叫ばれ、離れようにも離れられないということが続きました。

「タイムアウトが必要」「暴言が出たら離れてください」と言われても、聞くのとやるのとでは全く異なります。

親御さんとしてはアドバイス通りにやったのにうまくいかなかったとき、「やっぱり無理じゃん」「うちに合わなかったのか」「うまくいかなかったことをサポーターさんに言いづらい」と思われる方もいるかもしれません。

ただサポーターとしては、アドバイスを実践されたか、そして実践したのにうまくいかなかったときには、その理由や心境を話してもらえると非常にありがたいのです!

なぜなら、サポーターも聞くのと実践するのとでは全く難しさが異なることをよくわかっていますが、ただ、それが「なぜ難しいのか」「親御さんがその時どのような気持ちになったのか」深堀していくことが解決の糸口を探すヒントになるからです!

うまくいかなかったときに、「なぜうまくいかなかったのか」「どうすればうまくいくか」「葛藤なく実践してもらえるか」を考えることがサポーターの腕の見せ所です。

藤川さんも実際、タイムアウトを意識して、かのんちゃんと距離をあけようとしたときに、下記のような言葉を言われました。

〈実際のメールのやり取り〉

藤川さんとしては、暴言がでたら距離をあけようと思っても、今まで自分もたくさんかのんちゃんを傷つけてきた、ヒステリックな怒り方も多くしてきた。

だからこそ「ママだって私をたくさん傷つけてきた」「10年我慢してきた」と言われると、何も言えなくなってしまい、毅然とした態度を貫くことができなくなるとお話してくださいました。

このメールをみたとき藤川さん自身の心のわだかまりを解消してあげなければ、前進することは難しいと判断しました。

そこで「きちんと面と向かって謝罪すること」を提案しました。

〈実際のメールのやり取り〉

もちろん暴言を言われたときに謝れば、親御さんの立場がどんどん弱くなっていくので望ましくありません。

どのように伝えれば藤川さんの思いが伝わるか、また、伝え方だけでなく伝えるタイミング、想定される反応に対する返答方法まで含めてアドバイスをおこないました。

当然一回謝罪しただけで、これまでのわだかまりが全て解消されることはありません。

サポート中も、かのんちゃんのお母さんへの怒りはことある度に再燃しました。

それでも、このやりとりをきっかけに、親子関係の風向きがかわったことは確かです。

このように、親御さんが率直な思いをお話してくださったからこそ、状況を前進させることができました。

②言いなりにならない

かのんちゃんはよく、お母さんのことを召使のように、「体ふいて!下着持ってきて!」と一人でできることまでお母さんにしてもらうことがよくありました。

また、例えば「この暑さどうにかして!」とどうにもならないようなことまでお母さんに訴え、「全部ママのせい」と、関係ないことまで全て「お母さんのせい」にすることがよくありました。

〈実際のメールのやり取り〉

藤川さんは、医療機関からもらったアドバイスである「2,3歳の幼い子のように接する」を続けたことで、かのんちゃんはやってもらうことが当たり前、お母さんはいうことを聞いてくれる存在と認知されてしまったのです。

このように、不登校をきっかけに親御さんが一生懸命お子さんの要望を聞いてあげるというご家庭は、スダチ相談者の中でも非常に多いです。

ただお子さんは自分の都合のいいように接してくれるのが愛情、優しさだと思ってしまい、このような関係性を続けていくと、「私のいうことならなんでも聞いてくれる」と勘違いしてしまい、要求がどんどんエスカレートしていきます。

そして、最終的には親子関係が逆転します。

ですので、愛情と甘やかしを混同しないことが非常に重要で、そのために、藤川さんにはかのんちゃんのいいなりにならず「自分でできることは自分でやってもらう」ことを意識してもらいました。

〈実際のメールのやり取り〉

もちろん始めはそんなことを言えば、「なんで急に??!」と反発を受けましたが、それでも最後まで手を出さないようお願いすると、最終的には渋々自分でやり始めることが増えていきました。

③愛情の伝え方

もともとお母さんとの「ギュー」が大好きなかのんちゃん。

ただ、かのんちゃんは怒ったり、不機嫌なときにも「ギュー」とスキンシップを求めることが多くありました。

もちろん愛情を伝えるという意味ではとても大切ですが、重要なことは「お子さんの感情が高ぶった状態で甘えを受け入れると、甘えがエスカレートしてしまう」ということです。

「こうすれば親が機嫌を取ってくれる」と勘違いしてしまうからです。

そのため、泣きわめいたり、怒っているときには、甘えを受け入れず、落ち着いたときに、改めてハグをしたりスキンシップをとって愛情を伝えてもらうようにしました。

〈実際のメールのやり取り〉

サポート前半は特にこの3つのポイントを意識しながら、アドバイスを行いました。

そして、その中で現れる小さな変化、成長を見逃さず褒める、これらを繰り返していくことで、徐々に藤川さんとかのんちゃんの関係性が変わっていきます。

お母さんへの反発が強いかのんちゃん、望ましい親子関係を築きなおせるのか・・・?

次回は第三章「大きなチャンス到来!」をお届けします。(次回2025年2月28日(金)の21:00に公開予定です)

※サポーター日記は、毎週火曜日/金曜日に更新しています!(場合によって、内容の変更もあります)

 

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  • この記事を監修した人
小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

不登校支援サポート スダチ 代表
株式会社スダチ 代表取締役社長

「学校へ行こうかな」を自然と引き出すサポートを展開するスダチの代表。これまでで1,000名以上のお子さんを再登校に導いてきた。

「誰もが巣立ちゆける世界を」をミッションとし、不登校の解決はそのための通過点に過ぎないと考えている。
これまで不登校の子ども達に向けたボランティア活動を通し、多くの不登校の子どもたち、保護者様と関わる。

ボランティア活動を通して、子ども達や親御さんとお話しする中で、「本当は学校に行きたい、だけど行けない。自分でも行けない理由が分からない」子ども達が多くいることを知る。

そのように苦しんでいる子ども達や親御さんを見て、「不登校で苦しむ子供たちを一人でも多く救いたい」との思いを持つようになり、不登校支援事業を立ち上げるに至る。


【著書】
不登校の9割は親が解決できる 3週間で再登校に導く5つのルールPHP研究所

【メディア露出実績】
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