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サポーターのホンネ日記

スダチ 不登校サポーターのホンネ日記 #5 第二章  みさきちゃんの新たな挑戦 〜登校への一歩〜

こんにちは、スダチの不登校支援サポーターです!

今回は、前回の「第一章  すれ違う親子関係、再登校までの壁」の続きからお話ししていきます。

【前回までのあらすじ】

サポート開始から1ヶ月が経過し、みさきちゃんには少しずつ変化が見られるようになってきました。

家の中での生活リズムも整い、家族との関わり方にも変化が生じています。

そして、ついに7月1日からの登校に向けた挑戦が始まります。

しかし、長く不登校だった子どもにとって、学校に戻ることは並大抵のことではありません。

そんな中で、親御さんがどのようにみさきちゃんを支えるべきか、どんな声掛けをするべきかが問われる場面が増えていきました。

みさきちゃんは、無事に再登校に踏み出すことができるのでしょうか..?

今回は、「みさきちゃんの新たな挑戦〜登校への一歩〜」についてお話していきます。

▼家族構成

家族構成

・母

40代前半の専業主婦。

・父

40代後半、会社員。

仕事の合間や帰宅後にみさきちゃんと話す時間を積極的に設けている。

・長女:みさきちゃん

中学1年生。
感情の起伏が激しく、反発することも多いが、自分の考えを強く持っており、納得しないと行動に移しづらい性格。

・長男

中学3年生で、みさきちゃんとは一定の距離を置きつつも関わることもある。
みさきちゃんが家庭内でルールを守らないことに対し、不満を抱えている。

▼サポート開始時のお子さん

サポート開始時のお子さん

ルール説明には不服そうな態度を取り、「いつ終わるのか?」と質問。

登校についての話題になるとシャットアウトし、携帯の使用制限には強い不満を示し、追試の話をされると荒れて自室にこもる。

朝は不機嫌だが、布団をたたむ・洗濯物を取り込むなどの習慣はあり、家事を手伝うと誇らしげな様子も。

転校を希望する一方、高校や大学進学の展望も語る。

▼サポート開始直後の親御さんの様子

サポート開始直後の親御さんの様子

サポート開始前、親御さんはみさきちゃんの生活習慣や学校への適応に強い不安を抱えていた。

・みさきちゃんの登校意欲の低さや、家庭内でのルールが守られない状況が続く中、どう対応すべきか悩んでいた。

・話し合いを試みても反発され、効果的な方法が見つからず、親子の関係がぎくしゃくする場面もあった。

・特にお母さんは日々の対応に疲弊しつつも、何とか前向きな変化を促そうと模索していた。

注意

※実際のサポートを元にしていますが、人物名など個人を特定できる情報は仮で設定しております。

※記載している内容はあくまでもサポートの一部でございます。

第2章:みさきちゃんの新たな挑戦 〜登校への一歩〜

生活リズムの調整

7月1日からの登校を見据え、生活リズムをより整える必要がありました。

就寝時間を守るため、ブレーカーを落とす対応をとることにしました。

最初は反発するかと思いましたが、思いのほか素直に受け入れてくれました。

一方で、朝の起床は相変わらず波がありました。

早く起きられる日もあれば、11時ごろまで寝てしまう日もあり、なかなか安定しませんでした...。

それでも、朝ごはんのご褒美を活用しながら、少しずつ朝の習慣を定着させる努力が続けられました。

「朝、きちんと起きられたら、おいしい朝ごはんが食べられるよ。」

このような声掛けをしながら、無理のない範囲で起床を促しました。

また、これまでみさきちゃんは学校の勉強に対して興味を示さないことが多かったのですが、ある日、お兄さんの教科書を読んでいる姿が目撃されました。

「読むものがないから。」

そう言いながらも、新しいことに興味を持ち始めていることは確かでした。

また、「夏休みはしっかり遊びたいから、今のうちにできることは済ませておきたい」と話すようになりました。

自分で計画を立てる意識が芽生えてきたことは、大きな成長の一歩です。

この時期は、サポーターとしても慎重に見守る必要がありました。

無理に「勉強しなさい」と言えば反発を招くだけだからこそ、みさきちゃんが「やってみようかな」と思えるような環境作りを意識し、齊藤さんにもサポートをお願いしました。

サポーターとして、この変化には大きな希望を感じました。

「『やらされる勉強』ではなく、自分で『やるべきこと』を考え始めたことが本当に素晴らしい。」そう思いながら、齊藤さんと一緒に、どのようにこの芽を伸ばしていくかを考えました。

〈実際のメールのやりとり〉

家族の関わり方の変化

お父さんとの関係は以前から良好でしたが、最近は特に深い会話が増えてきていました。

「大学には行かないけど、高専に行こうと思う。高卒より給料がいいし、就職も安泰と聞くから。」

これまで進路について具体的に話すことはほとんどなかったみさきちゃんが、自ら未来について考え、お父さんに相談するようになったのです。

お父さんも、 「高専に行くのもいい選択だと思うよ。でも、そのためにもまずは中学校をしっかり終わらせることが大事だね。」

とアドバイスをし、みさきちゃんの選択を尊重しつつ、前向きな姿勢を後押ししていました。

一方で、お母さんに対してはまだまだ強い反発がありました。

例えば、お母さんがiPadの使い方に迷っていると、「そんなのも分からないの? バカじゃない?」と笑いながら言ってしまうことがありました。

これに対して、母は毅然とした態度で伝えました。

「家族だからといって、何を言ってもいいわけじゃないよ。そんな風に言われたら、誰だって嫌な気持ちになるよ。」

このように伝えることで、みさきちゃんも少しずつ「言葉の選び方」について考える機会を持つようになりました。

私目線でも、「親御さんがどんなふうに関わるかで、子どもの成長の仕方は大きく変わり、お母さんの冷静な対応が、今後の関係性を変えていくはず。」

そう感じながら、この関係の変化を慎重に見守ることにしました。

〈実際のメールのやりとり〉

登校前の心の準備

登校を目前に控え、みさきちゃんには「恒常性」の話を伝えることが重要になってきました。

「来週から学校に行くって決めたけど、直前になると『やっぱり行きたくない』って気持ちが出てくるかもしれない。それは、今までと違うことをしようとする時に自然と起こる現象なんだよ。」

この言葉は、不安定な時期にある子どもにとってとても大切なものです。

変化の前に心が揺れるのは当然のこと。

その揺れを「ダメなこと」と思わず、「そういうものだ」と知るだけでも、気持ちが軽くなることがあります。

この時期、齊藤さんご夫婦も、「本当に行けるのだろうか?」という不安と、「なんとか背中を押したい」という気持ちの間で揺れ動いていました。

私もサポーターとして、「絶対に行けます!」とは言えませんでした。

ただ、「行くことを決めてからも気持ちが揺れるのは普通のこと。それを前提に、どう乗り越えるかを考えましょう。」と伝えました。

また、「初日は久しぶりだから、正門まで歩いてみるだけでもいいし、放課後の誰もいない時間に教室に入るだけでもいいよ。」とお母さんにハードルを下げてもらうことで、挑戦の負担を軽減する工夫もしてもらうよう助言しました。

「不安をなくすことはできない。でも、不安に寄り添いながら進んでいくことはできる。」

この言葉を心に刻みながら、みさきちゃんが「自分のペースで進める」準備を整えることが、私たちサポーターの役目でした。

 

そして迎えた7月1日の朝。

「おはよう。」

お母さんが一度声をかけると、なんとすぐに布団を上げて起きてきました。

朝食はお父さんと楽しく会話しながらしっかりと食べ、準備を整えていきます。

そして、「いってきます。」

ついに、みさきちゃんが学校へ向かいました。

この言葉が出た瞬間、お母さんはどんな気持ちだったでしょうか。

おそらく、「本当に行った」という安堵と、「これからどうなるのだろう?」という期待と不安が入り混じっていたのではないかと思います。

私も、「ここまで来たんだ」と胸が熱くなりました。

この日を迎えるまでに、多くの葛藤や試行錯誤がありました。

「行くと決めたものの、やっぱりやめる」と言い出してもおかしくない状況でした。

でも、みさきちゃんは、自分の意志で「行こう」と決め、実際に行動に移しました。

これは、単なる「登校」ではありません。

「自分の意思で選択し、行動した」という、大きな一歩でした。

〈実際のメールのやりとり〉

みさきちゃんは新しい一歩を踏み出しました。

もちろん、ここからが本当の挑戦です。

これからも学校での出来事に一喜一憂しながら、進んだり戻ったりを繰り返していくと思います。

ですが、大切なのはみさきちゃんが「自分の意志で前へ進もうとしていること」。

「頑張っているね。応援してるよ。」そんな言葉をかけながら、みさきちゃんの歩みを見守っていきたいと思います。

ついに一歩踏み出したみさきちゃん、継続登校なるか・・・?

次回は第三章「登校継続への挑戦」をお届けします。(次回2025年3月14日(金)の19:00に公開予定です)

 

※サポーター日記は、毎週火曜日/金曜日に更新しています!(場合によって、内容の変更もあります)

 

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  • この記事を監修した人
小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

不登校支援サポート スダチ 代表
株式会社スダチ 代表取締役社長

「学校へ行こうかな」を自然と引き出すサポートを展開するスダチの代表。これまでで1,000名以上のお子さんを再登校に導いてきた。

「誰もが巣立ちゆける世界を」をミッションとし、不登校の解決はそのための通過点に過ぎないと考えている。
これまで不登校の子ども達に向けたボランティア活動を通し、多くの不登校の子どもたち、保護者様と関わる。

ボランティア活動を通して、子ども達や親御さんとお話しする中で、「本当は学校に行きたい、だけど行けない。自分でも行けない理由が分からない」子ども達が多くいることを知る。

そのように苦しんでいる子ども達や親御さんを見て、「不登校で苦しむ子供たちを一人でも多く救いたい」との思いを持つようになり、不登校支援事業を立ち上げるに至る。


【著書】
不登校の9割は親が解決できる 3週間で再登校に導く5つのルールPHP研究所

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