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再登校ドキュメンタリー

⑤横尾家:私立中学への再登校の道

この記事を読むのに必要な時間は約 18 分です。

横尾家の中学一年生の長男たつやさんは、私立中学に通っている内に徐々に勉強についていけなくなり、10月の初旬ごろから不登校になってしまいました。母親の里美さんも精神科医のカウンセリングを受ける程に疲弊しており、藁にもすがる思いでスダチのサポートを希望してくださいました。

このサポートの最大の目標は「私立中学への再登校」です。第2章ではその達成のために必要な3つのポイントを語り、第3章では徐々にタツヤくんに変化が見られてきました。第4章ではでは、たつやさんが抱える大きな課題へどう立ち向かうのかを語られ小さな変化を積み重ねてきたたつやくんがどのように成長していくのかが描かれました。

そして、最終章となる本章では、たつやさんが決めた選択肢、そして横尾家の今後の道筋が見えていきます。横尾家はどのような道を歩むのか、そしてたつやさんは新たな道へと足を進める事ができたのか。必見です。

 

※前回までの章は以下からご覧いただけます👀💫

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第1章 長いサポートの始まり

第2章「私立中学の再登校」を成し遂げるための3つのポイント

第3章 小さな変化の積み重ね

第4章 暴言や暴力への対応。登校刺激。そして新しい選択へ。

 

◆第5章◆

サポートの開始から

約3か月が経過した

2月初旬。

 

地元の中学校へ

転校することを決め、

本格的に動きだしました。

 

まずは、

通っていた私立中学校へ

転校の手続きに必要な書類を

持って行きます。

 

そして、

担任の先生に転校の意向を

伝えなければなりません。

 

この段階で、

お母さんの里美さんと

サポーターの私との間では

ある共通の意識がありました。

 

それは、

息子のたつやさん自身が

けじめをつけることでした。

 

今の学校に行き、

しっかり挨拶をすることです。

 

今後、生きていくうえでも、

人として大事な行動を

身をもってわかって欲しいと思いました。

 

息子のたつやさんとは、

転校について、

しっかりと話をしたそうです。

 

この時のたつやさんの反応は、

思っていた様子と違い、

少し意外なものだったと

報告がありました。

 

たつやさんは、

必要なこと以外はしゃべることなく、

テンションも低く、元気がないようにも

感じたそうです。

 

 「自分の希望通りになったのに

  意外な反応でした。

  複雑な気持ちになっているのかもしれません」

 

と綴られていました。

 

自分が望んでいた転校という形。

でもこれからのことを考えると

複雑な気持ちになる気持ちも

わかるような気がします。

 

しばらく学校には通っていない現実と

改めて向き合い、

これから乗り越えるハードルが

たくさんあることに

自分自身も気づいたことでしょう。

 

 「転校のあいさつに行くこと」

 「新しい学年へ馴染めるかどうか」

 「勉強の遅れへの不安」

 

しばらく不登校だった

中学1年生にとって、

その不安は計り知れないものです。

 

サポーターとしては

お母さんの里美さんには、

これは

 「想定内の展開だと思ってください」

と冷静にお伝えしました。

 

不登校のお子さんを

たくさん見てきて思うこと。

 

それはお子さんたちの一番の望みが

 

 「今のままでいること」

 

だということです。

 

つまり、

 変化することを恐れている

状態だと言えます。

 

このまま1歩も挑戦しない状況が許されるのであれば、

それが一番いい。

 

ただ、それを許容し続けると、

いつまでたっても動くことはない。

その状況を変えることが

必要だったのです。

 

今、

息子・たつやさんの心に中にある不安は、

挑戦することで生まれた不安。

 

ともに乗り越えていくことで、

成長につながる

不安なのです。

 

それは、

お母さんの里美さんが

 

 「甘やかしではない転校」

 

という選択を

きちんと提示できた

結果なのです。

 

そして、この段階で

息子・たつやさんとは

 

 「地元の中学校に行くにあたり、

  今、不安に思っていることを

  しっかりと聞いてあげること」

 

を提案しました。

 

その不安は、

本人にしかわかりませんが

事前に話しておくことで

サポーターとしても

適切なアドバイスにつながります。

 

お母さんの里美さんが、

今の学校に

転校の意志を伝えに行きました。

 

担任の先生は

たつやさんが

自分の意志で決めたこと…として

気持ちを尊重してくれました。

 

そして

 

 「しばらく会ってないので

  大きくなっているでしょうね

  会いたいです!」

 

と言ってもらったそうです。

 

そして、

実は他にも

不登校の生徒さんがいらっしゃることを

聞きました。

 

里美さんは、

先生から、とても温かい言葉を

頂いたそうです。

 

 「不登校の保護者さんは

  子どもさんを腫れ物に触るようにして

  見守るだけで何もしない方が多いです。

 

  横尾さんはすごいと思いますよ。

  スーパーです!

 

  ここまで動いている方は

  本当にいないです。

 

  たつやさんに

  お母さんの愛情は

  伝わっているはずです。

 

  今はわかってなくても、

  必ず大きくなった時には

  お母さんを大事にしますよ」

 

と言ってもらえたと

綴られていました。

 

お母さんの里美さんは、

この先生のことばに

思わず

涙があふれてしまったそうです。

 

辛い日々、

苦しい日々、

ではありましたが

先生からそのように言って頂けたこと、

本当に嬉しかったと思います。

 

私も

サポーターながらですが、

この報告を見て、

涙が出てきました。

 

私たちが過ごしてきた日々は

遠回りではなく、

そして

決して間違っていなかったこと

改めて実感しました。

 

さらに、

 「サッカーの仲間が、

  たつやさんは元気ですか?」

といつも心配してくれていたことも

教えてくれたそうです。

 

転学の時期については、

まず地元の公立中学校に連絡を入れて

相談することになるようでした。

 

できれば、

3月から転学し

春休みを迎えた上で

みんなと一緒に2年生に

進級することができた方が

望ましいと思います。

 

ただ、

学校側の事情もあることもよくわかりました。

 

里美さんは次に、

転学先となる

地元の中学校と話しをしました。

 

3月初旬から登校できるよう

準備を進めていくことに

なったようです。

 

この後は、

双方の中学校同士でも連絡を取り合い、

転学の手続きはスムーズになりました。

 

スダチのサポートは

もちろんですが、

学校との密な連絡を

この段階から進めておくこと

再登校を続けるためにも大切なポイントです。

 

お母さんの里美さんは

双方の学校と

しっかりコミュニケーションのとれる方でした。

 

息子のたつやさんが、

もっとも気にしていたのは

クラブ活動。

 

転学先の学校からは、

登校の初日から

サッカー部に入れると聞き一安心でした。

 

一方で、やはり心配は勉強の面でした。

 

 「勉強の遅れを取り戻せるのか」

 

そして、

 「不登校による欠席日数が高校受験に

  不利になってしまうのか」

 

という不安は拭えません。

 

こちらについても転学先の学校に確認しました。

 

 「公立高校の受験には影響はなく

  私立も最近はほとんど重要視する学校が

  減ってきている」

とのこと。

 

 「あと2年、

  これから頑張れば大丈夫だと思いますよ」

 

とのことでした。

 

さらに、

 「しばらく不登校で学習が遅れていること」

 「朝から放課後までの教室登校を目指していること」

も先に伝えてくれました。

 

学校からは、

悪い意味ではなく良い意味で

 「特別扱いはしません」

と言われたそうです。

 

息子・たつやさんの再登校に向けて、

先生も好意的に受け入れてくれることを

里美さんは実感できたようです。

 

勉強をがんばるかどうかは

本人次第。

 

自分で決めた道を

しっかりと歩んでくれること。

 

「期待0信用100」

 

で受け入れるだけです。

 

そして、

もうひとつ。

 

里美さんが、

ずっともやもやしていたであろう気持ちも

ラクになりました。

 

こんな報告がありました。

 

今後、転校の手続き等で

仕事を休む可能性もあるため

たつやさんの転校のことを

思い切って職場の同僚に話したそうです。

 

みんな驚いていた様子が伺えました。

 

この数ヶ月、

ずっと抱えていたことを

誰にも打ち明けていなかった

里美さん。

 

新しいチャレンジの方向が

決まったことで

これを機にカミングアウト。

 

「少し気持ちが楽になりました」

 

と綴られていました。

 

仕事を持つお母さんは、

毎日、

仕事・子育て・家事にフル回転。

 

勇気をもって、

職場でも

事情を話せたことで、

もしかしたらこれから頼ることが

できるかも知れない。

 

いろいろなことから

心が開放されていく様子が伺えて

サポーターとしても

清々しい気持ちにさせて

頂きました。

 

サポートは、

延長もありましたが、

3月を迎えるまでには終了しました。

 

スダチは、

平均で3週間。

再登校90%の実績です。

 

こちらのご家庭は、

サポート期間中の再登校が実現しなかったので

10%に入ります。

 

それでも、

サポーターとして

大きな役割を果たせたと

思えることができました。

 

里美さんからは

こんな温かいメッセージを頂きました。

 

 「先生からは初登校の朝だけでいいので

  お母さんも一緒に来てもらいたいと言われました。

  何とか都合をつけて見届けてやりたいと思います。

  そして登校できたら一歩を踏み出せたことを

  しっかり褒めたいと思っています。」

 

 「長い間、最後まで私達親子のことを温かく見守り続け、

  支えていただきありがとうございました。

 

  まさか我が子が不登校になるとは

  夢にも思っていなかったので

  当初は悲しみに暮れ

  どうしていいかわからず不安でいっぱいでした。

 

  このままではいけない

  何とかしなければと

  一人で孤独に思い苦しんでいました。

 

  色々な壁にぶつかりましたが、

  サポートをお願いして本当に良かったと

  心から思っています。

 

  ここにたどり着くまで

  いろんなことがありましたが、

  サポート前とは私もたつやも

  明らかに変わったと思います。

 

  まだまだ不安がないとは言えませんが、

  これから転校という新たなスタートを切る

  我が子の可能性を信じて

  これからもできる限りのことをしながら

  応援していきたいと思っています。」

 

再登校の様子を、

ご報告頂くことは

叶いませんでした。

 

 「以前、通っていた私立中学校には

  最後、挨拶に行けたのかな…「

 

 「当時の仲間とは今も仲良くできているのかな…」

 

 「恒常性は出ていないかな…」

 

 「サッカーは変わらずがんばっているのかな…」

 

 「勉強にはついていけているのかな…」

 

 「変わらず一緒に料理をしているかな…」

 

 「掃除も手伝っているかな…」

 

 「里美さんは、もう泣いていないかな…」

 

 「職場でも楽しく働いているかな…」

 

今でも気になることは

たくさんあります。

 

でもきっと、

横尾さん親子は

前を向いて、

きょうも成長している。

 

そう信じています。

 

たつやさんが転学した地元の中学校は、

急な坂道を上った山の上にあり、

校舎の裏では、

山からシカやイノシシが出てくるそうです。

 

自然に囲まれた

素晴らしい環境で

 

多くの友達に囲まれ

 

一生懸命サッカーボールを追うたつやさんの笑顔

願わずにはいられません。



  • この記事を監修した人
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スダチ広報担当

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