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再登校ドキュメンタリー

①横尾家:私立中学への再登校の道

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

◆ はじめに ◆

「再登校ドキュメンタリー ~サポーター支援の記録~」は、お名前以外はすべて事実に基づいたノンフィクションストーリーです。

実際にやりとりされたメールを元に、サポーターの体験記として描いています。

今まさに不登校で悩まれている方、不登校を乗り越えた方、お子様との関係作り・子育てに悩まれている方に、お読み頂けますと幸いです。

 

◆ 目次 ◆

今回ご紹介するご家庭は横尾さん(仮)一家です。地元の公立中学ではなく、私立中学への進学を選択した息子さん。次第に勉強についていけなくなり、中学1年生の10月から不登校になってしまいました。

サポ―ト開始は、11月の上旬から。延長期間も経てサポートは3か月を超えました。年末年始のお休みも含めると、日数にして100日以上。結果的に、サポート期間中の再登校は叶いませんでしたが、地元の公立中学に転校する形で、サポート終了後に再登校が実現。今も学校に通っています。

長期にわたるサポート。時間はかかりましたが、一歩一歩確実に親子関係をしっかり作りあげることができました。

第1章:長いサポートの始まり

第2章:「考える時間を作ること」「自ら決めて行動すること」「サポートの優先順位」

第3章:小さな変化の積み重ね

第4章:暴言や暴力への対応。登校刺激。そして新しい選択へ。

第5章学校との密な連絡サポート。先生からの言葉にあふれる涙

 

◆ 家族構成 ◆

妻:横尾里美さん

営業職で正社員として働く。40代後半。

夫:横尾つとむさん

妻の里美さんには、あえて夫つとむさんの詳細状況を確認せずにサポートをスタート

長女:あゆみさん

高校1年生。不登校で悩む弟を心配する優しいお姉さん。ただ時が経つにつれ…

長男:たつやさん

中学1年生。地元の公立中学校ではなく、私立中学校に入学したものの、勉強についていけず、10月から不登校に。約30日が経過していた。サッカーが大好きで、部活はがんばっていた。

 

◆ 第一章  長いサポートのはじまり◆

 

横尾里美さんへのサポートが始まったのは、11月第1週の月曜日でした。

私立に通う中学1年生の息子・たつやさんは、1学期の途中から徐々に勉強で

遅れるようになりました。そして、夏休みがあけ、2学期が始まってからしばらく経過した

10月の初旬ころから、不登校になってしまいました。

 

たつやさんは、サッカーが大好きで、部活もがんばっていました。

部活の友達とも仲良くしていたようです。

友達との関係には表面的な問題はなかったように感じられました。

 

ただサポートが進むにつれてわかったことでしたが、

担任の先生への不信感がありました。

その理由はわかりません。

サポーターとしては、あえてその理由を深く追求することをしませんでした。

 

多感な中学1年生。

地元の中学には進まず、あえて私立中学への進学を選んだものの、

息子・たつやさんの心の中でも少なからずの後悔があったのかも知れません。

 

今回のご家庭への支援に際し、サポーターとしてまず、

『その後悔の原因を自分なりに想像すること』から始めました。

 

横尾さん一家の住む地域は、自然環境に恵まれた地域。

もしかしたら、公立中学に進むご家庭がほとんどで、私立は少数派。

そんな状況も遠因であったのかも知れません。

 

進路を考える小学校6年生の時期は、新しい挑戦に心が踊り、

私立中学への進学をポジティブにとらえることができていたはずです。

ただ、いざ新しい環境に身を投じた際、

理想とのギャップに苦しむことは少なくありません。

 

近くにある公立中学を横目に見ながらの朝夕の通学時間。

自宅からはやや遠く、同学年の近くの友人よりも早起きの毎日。

そして勉強に対する独特の雰囲気

 

田園風景が残る地域で小学校までの期間を比較的のんびりと過ごしてきた13歳にとって、

初めて経験する新しい景色。それは、もしかしたら希望ばかりではなく、

むしろネガティブな感情を生む現実が多かったのかも知れません。

 

「知れません」という言葉を多く使いますが、

それは、母親の里美さんにあえて聞いていない「想像」も多いからです。

母親の里美さんは、スダチへのサポートを申し込んだ時点で、

精神的にかなり弱っていました。精神科医でのカウンセリングも受けていたようです。

 

まさに

『藁にもすがる思い』

でスダチを頼って頂いた状況でした。

 

不登校になってからもう30日以上。

親子関係は大きく逆転し、息子・たつやさんは、好きなことをやり放題。

わがままな言動だけにとどまらず、暴言も日常茶飯事になっていました。

さらに時には暴力も。

一方で、夫・つとむさんとは不仲が続いていました。

 

事前相談の段階から、

里美さんが、家庭内で孤立している様子まざまざと目に浮かぶ状態でした。

 

また里美さんは、仕事にもしっかりと取り組まれていました。

職務は営業職。職場でもベテランの域に入るため、

相応の責任と、それに伴う少なからずの重圧あったと思われます。

家庭の問題を真剣に相談する相手もいない。周りには誰一人、頼ることができない。

まさに一人で悩みを抱え、日々を過ごしていたのです。

 

 

このような状態で相談にお越し頂けるご家族は決して少なくありません。

 

私自身、スダチのサポーターとして支援をはじめて数年。

「子育てにも仕事にも全力で取り組むお母さんの姿」を数多く見てきました。

その悩みは簡単に解決できるようなものではありません。

ただスダチとしてしっかりと支援させて頂ければ、解決の糸口はきっと見つけられる。

長い迷路から抜け出し、

明るい笑顔を取り戻すことができる。

 

サポーターとしての自分自身を信じて、里美さんに寄り添っていく。

そう決意していました。

そのために大切にすべきこと。

 

『常に「母・里美さんの一番の味方」であり続けること。』

そしてただ味方であるだけでなく、時には厳しい指摘もしっかりとさせていただくこと。

すべては、里美さん、たつやさんの明るい未来につながると信じて

諦めずにサポートすることを心に刻みました。

 

だから、

事前には多くの問いかけをあえてしなかったのです。

たつやさんが、きっと後悔しているだろう、私立中学への進学。

それは、里美さんとも話し合い、お互いに納得して選んだ道でした。

ただ、不登校になった段階では、たつやさんの心の中では

「自分は行きたくなかったのに…」という気持ちが生まれてしまいます。

心に傷を負ってしまった中学1年生にとって、

そう思ってしまうことはもしかしたら自然な感情かも知れません。

 

ただこれから私たちが見るべきは「未来」です。

今ある「負の気持ち」をどう「前を向く気持ち」に変えることができるのか。

それも決して押し付けではなくたつやさん自身が考えて決めることが必要です。

 

どのような道に進むかを自らで決めて実行する。

それを里美さんも納得して寄り添っていくこと。

そのためには今の状況の理由を必要以上に探ったり

もしかしたら「里美さんが自身の責任を感じてしまうやりとり」

は極力避けなければならないと感じていました。

 

 

 

まず、里美さんが、今、目指したいと思っている方向はどこか。

その方向を確認しました。母としての想いだけでなく、

「たつやさんのためにもなる」ことを念頭に置いて。

 

それは、現在通っている「私立中学での再登校」でした。

一方で、たつやさん本人は、「公立中学への転校」を希望していました。

もしかしたら、本人の希望を受け入れ「公立中学への転校」を手筈した上で

学校へしっかり通う道を選ぶ方がよいのかも知れません。

 

ただ「通う学校だけを変えて再登校する」ことが本質的な解決になるかどうかは

サポーターとしてしっかり見極めることが必要です。

精神的に弱っていても里美さんはやはり強い母親でした。

現在の親子関係をそのままにして

学校だけを変えることは、『決して、たつやさんのためにはならない』

…という信念をお持ちでした。

サポーターとしても、里美さんの想いを念頭に置いて

しっかり支援させて頂くことを決意しました。

 

ただこの方向性はもしかしたら最も難しい道になります。

短期間での解決はもしかしたら難しいかも知れません。

そんな不安も抱えながらのスタートでした。


◆次章紹介◆

第二章では、多くの家庭で乗り越えなければならない共通のポイントについて詳しく迫っていきます。

こちらのリンクから公開されますので、しばらくお待ちいただけますと幸いです。

  • この記事を監修した人
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スダチ広報担当

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