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サポーターのホンネ日記

スダチ 不登校サポーターのホンネ日記 #6 第一章  登校を自分事として考えられないお子さん

2025.04.04

はじめに

こんにちは、スダチの不登校支援サポーターです!

今回は中学2年生のお子さんについて、お母さんからご相談をいただきました。

息子さんのゆうくんは、中学進学後に不登校となり、ゲームなどのデジタル機器への依存も強く、1年半以上学校に行けていない状態が続いていました。

家では自分の気持ちをうまく伝えられず、外出も嫌がる日々。

しかし、お母さんの関わり方が変化していく中で、ゆうくん自身も少しずつ行動に変化が見られるようになりました。

 

今回の課題は、

・ゆうくんが「お母さんのため」ではなく、「自分のため」に行動できるようになること

・お母さんが一方的な声かけを控え、ゆうくんに考える時間を与えること

 

これらの課題に向き合い、お母さんとゆうくんがともに成長した47日間の取り組みについてご紹介します。

▼家族構成

家族構成

・母

40代前半、求職中で現在は在宅で仕事中。

優しく聡明な性格で、息子の不登校解決のために仕事を辞め、積極的に支援機関へ相談。

息子の様子を丁寧に観察しながら関わり方を見直している。

・長男:ゆうくん

中学2年生。

ゲームなどのデジタル機器への依存が強く、中学進学後に1年半以上の不登校に。

人目を気にして自分の意見を伝えるのが苦手だが、母の関わり方の変化により、徐々に自発的な行動が見られるようになる。

▼サポート開始時のお子さん

サポート開始時のお子さん

・ルール発表時には涙を浮かべ、紙を払いのけるなど強い拒否反応を示す。

・携帯の回収には強く抵抗し、無視や反発の態度が見られたが、最終的には自ら渡すことができた。

・外出や散髪を嫌がり、部屋にこもることが多いが、ゲーム機器の隠し場所を探すなど執着も強く見られる。

・一方で、母の言葉や接し方によって家事を手伝うなど前向きな行動も少しずつ見られ始めている。

▼サポート開始直後の親御さんの様子

サポート開始直後の親御さんの様子

・ゆうくんの1年半以上続く不登校に対し、「なんとか行動してほしい」という強い思いで接していた。

・登校刺激や声かけが一方的になりがちで、考えさせるよりも先に伝えようとする傾向があった。

・サポート開始後も「行動させなきゃ」と焦る気持ちが見られたが、少しずつ接し方の見直しに前向きに取り組み始める。

・ゆうくんへの深い愛情と再登校への強い願いを持ちながらも、自分の関わり方を振り返ろうとする姿勢が見られた。

注意

※実際のサポートを元にしていますが、人物名など個人を特定できる情報は仮で設定しております。

※記載している内容はあくまでもサポートの一部でございます。

第1章 登校を自分事として考えられないお子さん

サポーターの決意

中学2年生の息子さんであるゆうくんは、小学校5年生の冬休み明けから五月雨登校気味になっていました。

小学校に登校している途中に嘔吐してしまったことがトラウマになっているとのことでした。

その後、お母さんと一緒に母子登校を始めますが、継続登校はできず、小学校6年生になると転校します。

 

中学校に進学すると、7月頃から五月雨登校になります。

12月頃からは完全に不登校になり、無料相談時まで1年半以上続いている状況でした。

 

お母さんは、無料相談時からサポートを受けることに前向きでした。

ゆうくんの不登校を解決するために勤めていた会社を退職し、教育委員会、フリースクール、心療内科、小児科、カウンセラーなどにも相談されてきました。

ただ、どの支援団体に相談しても、家で静かに様子をみることを勧められたそうです。

思春期による心と体のバランスの崩れが原因とも言われたそうです。

 

そこで、再登校への具体的なきっかけ作りとして、スダチの無料相談に申し込まれました。

ゆうくんを再登校に導きたいというお母さんの強い思いがしっかりと伝わり、再登校に向けて全力でサポートさせていただきたいと思いました。

そして、ゆうくんを必ず再登校に導く!という決意を固めました。

ルールへの反発

お母さんは、初日の振り返りメールから、長文で報告してくださいました。

ルール発表時、ゆうくんは涙を浮かべ、ルールを書いた紙を手で払ってしまいます。

お母さんはそれでも動じず、その場を離れて毅然とした態度をとり続けてくれました。

 

その後も、ゆうくんはルール開始に対して「無理!」と言い、受け入れようとしませんでした。

そこで、サポーターとして、今はルールを徹底することに注力するようアドバイスさせていただきました。

その際、「ルールを何としても守らせようとするのではなく、本人にやるかどうかは委ねつつ、その結果に対しての姿勢をぶらさない」というポイントも伝えました。

 

ルール開始当日、デジタル機器を回収する約束の時間になっても、ゆうくんは無視。

お母さんは、ゲームや充電器、漫画、はさみやコンパスなどの刃物類を回収しますが、最後に携帯電話が残りました。

 

解約の話も出しますが、ゆうくんは携帯電話を手放しませんでした。

結局、携帯電話の充電が切れ、ゆうくんが自らお母さんに預けることができました。

ここでお母さんはゆうくんを褒めたのですが、携帯を持って来たことに関しては褒める必要はないことをアドバイスしました。

恐らくゆうくんにとって、褒められても嬉しくないポイントだからです。

「デジタル機器」を渡すという行為は自発的なものではなく、「ルールのせいじゃん!」と思われる可能性が高いです。

 

また、ルールを徹底するためには、次のような考え方を持っておいてくださいとアドバイスしました。

・ルールを守れずに、デジタルが使えなくなっても本人の責任であること

・ルールが守れなかったことで学校に行けなかったとしても、それで困るのは本人。そこからどうするか考えるのも本人自身であること

・やるべきことができなかった時は、事前に決めたルール通り、やりたいことはできない環境を作ること

 デジタルはお子さんの考える時間を奪ったり、親子の会話がなくなったり、生活習慣が乱れたりと、不登校が長引く大きな要因となってしまいます。

ただし、お子さんによっては、デジタルだけが心の拠り所となっているケースがあるので、闇雲に制限することは危険です。

両親が安全基地となっていることで、デジタルがなくても、不平不満はあるものの数日で落ち着いてくる傾向があります。

サポーターとしては、まずは両親が安全基地になれているか?を見極めてデジタルの制限ルールを作成していきます。

デジタル機器の要求

お母さんとゆうくんにはそれぞれ部屋があります。

ゆうくんが部屋に入って来ることがないよう、お母さんは入室禁止の札を作ります。

それでもゆうくんは札を無視して、「暇すぎる。死ぬ。」と、笑顔で言いながらお母さんの部屋に入ってしまいます。

ゆうくんは、デジタル機器がどこかに隠されていると予想し、探しに来たのでした。

お母さんは厳重に隠し、隠した場所に鍵をつけていたので、見つけられない自信がありました。

そこで、探して良いことを伝えたところ、ゆうくんは探し始め、2時間後くらいに部屋から出てきます。

何も持った様子はなかったのですが、部屋を確認するとクローゼットの鍵を外していました。

しかし、その先には、お母さんが新しく購入した金庫があり、ゆうくんはそれを見ると諦めたそうです。

私もお母さんの徹底ぶりに驚きましたが、今後も探し続けたり、返してもらうことばかり考え続けたりする可能性があるので引き続き注意してほしい旨を伝えました。

そこで、「そうだよね。ここにあるってわかったらどうやって取り出そうか考えるし、それができないと余計に辛いよね。だから家には置かないようにするね!」と言い、家の外で管理してあげるようアドバイスしました。

親御さんが自責で考えること、仕組みを工夫することが大切だからです。

ルールの緩み

そんな中、ゆうくんは、新しいことにチャレンジすることが増えていきます。

親子で登山にも行ったそうです。

無事登頂することもでき、お母さんは今までに見聞きしたことのないゆうくんの言葉や表情に感動しました。

ただ、帰りの車内で、ゆうくんからお母さんへ「携帯を見たいな。」という要求がありました。

ここでお母さんは、帰り道だけという約束で、自身の携帯で動画を見ることを許可してしまいます。

この時、サポーターのことが頭をよぎり、振り出しに戻るかなとも思ったそうです。

ご褒美を与えたくなる気持ちも良く分かるのですが、メソッドの効果を最大化するために、デジタルの制限は徹底してあげてください!と伝えました。

また、デジタル機器のルールが緩むと、再度徹底することが難しくなることも伝えました。

その後、お母さんは意識を改めてくださいました。

毅然とした態度で、交渉に応じないこと、ちょっとだけという考えをゼロにすることが大切なのです。

ゆうくんは、デジタル制限を乗り越えることができるのか・・・?

次回は第二章「お母さんのために」をお届けします。(次回2025年4月11日(金)の19:00に公開予定です)

※サポーター日記は、毎週火曜日に更新しています!(場合によって、内容の変更もあります)


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  • この記事を監修した人
小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

不登校支援サポート スダチ 代表
株式会社スダチ 代表取締役社長

「学校へ行こうかな」を自然と引き出すサポートを展開するスダチの代表。これまでで1,000名以上のお子さんを再登校に導いてきた。

「誰もが巣立ちゆける世界を」をミッションとし、不登校の解決はそのための通過点に過ぎないと考えている。
これまで不登校の子ども達に向けたボランティア活動を通し、多くの不登校の子どもたち、保護者様と関わる。

ボランティア活動を通して、子ども達や親御さんとお話しする中で、「本当は学校に行きたい、だけど行けない。自分でも行けない理由が分からない」子ども達が多くいることを知る。

そのように苦しんでいる子ども達や親御さんを見て、「不登校で苦しむ子供たちを一人でも多く救いたい」との思いを持つようになり、不登校支援事業を立ち上げるに至る。


【著書】
不登校の9割は親が解決できる 3週間で再登校に導く5つのルールPHP研究所

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