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サポーターのホンネ日記

スダチ 不登校サポーターのホンネ日記 #6 第二章  お母さんのために

2025.04.11

こんにちは、スダチの不登校支援サポーターです!

今回は、前回の「第一章  登校を自分事として考えられないお子さん」の続きからお話ししていきます。

【前回までのあらすじ】

中学2年生のゆうくんが小5から続く不登校の中で、再登校を目指してサポートが始まりました。

お母さんは決意を持ってルールを発表しますが、ゆうくんは反発。

特にデジタル機器の制限に対しては強く拒否し、探し出そうと試みるなどの行動が見られました。

それでも、お母さんは毅然と対応を継続し、親子で一歩ずつ前進しようとしています。

ゆうくんは自分ごとと向き合うことができるのでしょうか..?

今回は、「お母さんのために」についてお話していきます。

▼家族構成

家族構成

・母

40代前半、求職中で現在は在宅で仕事中。

優しく聡明な性格で、息子の不登校解決のために仕事を辞め、積極的に支援機関へ相談。

息子の様子を丁寧に観察しながら関わり方を見直している。

・長男:ゆうくん

中学2年生。

ゲームなどのデジタル機器への依存が強く、中学進学後に1年半以上の不登校に。

人目を気にして自分の意見を伝えるのが苦手だが、母の関わり方の変化により、徐々に自発的な行動が見られるようになる。

▼サポート開始時のお子さん

サポート開始時のお子さん

・ルール発表時には涙を浮かべ、紙を払いのけるなど強い拒否反応を示す。

・携帯の回収には強く抵抗し、無視や反発の態度が見られたが、最終的には自ら渡すことができた。

・外出や散髪を嫌がり、部屋にこもることが多いが、ゲーム機器の隠し場所を探すなど執着も強く見られる。

・一方で、母の言葉や接し方によって家事を手伝うなど前向きな行動も少しずつ見られ始めている。

▼サポート開始直後の親御さんの様子

サポート開始直後の親御さんの様子

・ゆうくんの1年半以上続く不登校に対し、「なんとか行動してほしい」という強い思いで接していた。

・登校刺激や声かけが一方的になりがちで、考えさせるよりも先に伝えようとする傾向があった。

・サポート開始後も「行動させなきゃ」と焦る気持ちが見られたが、少しずつ接し方の見直しに前向きに取り組み始める。

・ゆうくんへの深い愛情と再登校への強い願いを持ちながらも、自分の関わり方を振り返ろうとする姿勢が見られた。

注意

※実際のサポートを元にしていますが、人物名など個人を特定できる情報は仮で設定しております。

※記載している内容はあくまでもサポートの一部でございます。

第2章 お母さんのために

自分事として考える意識

サポート開始からしばらくすると、ゆうくんは、先に起きてお母さんを起こしてくれるようになります。

朝起きるために、目覚まし時計を3個セットするなど、作戦を考えて実行することもできていました。

しかし、お母さんから「どうして、起きることができたの?」と質問すると、ゆうくんは「分かんない。けどお母さんと約束したから。」と答えます。

一見母親思いで素敵な動機に思えますが、これが後々白木家の課題になっていきます。

 

サポート開始11日目に、お母さんに登校刺激についてアドバイスしました。

登校刺激とは、不登校のお子さんに対して、学校に行かせるよう促す行動全般のことです。

前提として、登校刺激をしてすぐに良い反応があるわけではないこと、あくまでも「ずっとこのままというわけにはいかないのかも…」と、考えるきっかけを与えるイメージであることを伝えました。

お母さんは、予想より早く登校刺激をすることになるため、心配されていました。

ですが、ゆうくんの今の考えを具体的に理解するためにも、このタイミングで登校刺激を実施していただきたいと伝えました。

登校刺激のタイミングについては、サポーターとして毎回悩むところです。

また、思うような反応が仮に来なくても、お母さんが落ち込むことはないように伝えました。

期待して実践する親御さんが多いので、目的や前提をしっかり伝えるよう気を付けています。

 

さて、お母さんが登校刺激のイメージトレーニングをしている時、なんとゆうくんから「ねー、学校に行けたらゲームできるって事なの?」と聞いてきます。

これに対し、お母さんは、「そういう事だね。ゆうのやるべき事だもんね。」「失敗しても良いじゃん。車から降りられなくても良いじゃん。チャレンジしてみる気にちょっとだけでもなったことがすごいよ。来週頑張ってみる?」「まだ土日があるから、ゆっくり考えてもいいよ。」と伝えます。

この状況にお母さんは驚くものの、事前のアドバイス通り、期待しないことを意識してくださいました。

 

実際に登校刺激をする時、お母さんは、ルール発表後からこれまでにゆうくんが成長したことをできるだけたくさん書いた紙をゆうくんへ渡します。

そして、ゆうくんの機嫌が良くなったタイミングで、「ゆうの気持ちが変わった理由を聞いてもいい?今もかもしれないけど、今まで学校を休んでいる間、どんな風に捉えていた?」と尋ねます。

すると、ゆうくんは、「ん~パソコンで仕事をすれば、学校に行く必要はないと思っていた。勉強も必要ないって。だけど、暇すぎてゲームができないのは嫌だし、行こうかなって。」と答えます。

この発言から、ゲームのために登校にチャレンジしようと思っていることが分かりました。

そこで、お母さんからゆうくんに、学校に行くことの価値を伝えるようアドバイスしました。

その価値とは、家の中で家族とだけで過ごしていても絶対に身に付かない社会性を学べることです。

他にも、恒常性の話などをしていただきました。

登校へのチャレンジ

サポート開始15日目の朝、ゆうくんは時間通りに起きてくることができませんでした。

起きてきてもソファに寝ころび、朝ご飯を食べてもだらだら...。

この様子から、お母さんは、ゆうくんに登校する気がないと判断します。

 

そこで、お母さんからゆうくんに「どう?チャレンジはどうする?」と尋ねます。

ゆうくんはやや不機嫌で無言に。

お母さんは、「良いよ。焦らなくて。また次回に回す?」「今日みたいに、お母さんは毎日こんな感じで身支度して、車で送る準備をしておくから、ゆうのタイミングで声を掛けてね。」と返します。

すると、ゆうくんの表情は明るくなり、「うん。」との返事が。

 

分かりやすい反応ですが、登校にチャレンジしないことを肯定したと誤解されている可能性があると感じました。

そこで、「そりゃ不安にもなるよね!どうしたいかゆうが決めて、何か手伝えることがあったら声掛けてね!」みたいな感じで、お母さんはゆうくんに決めさせてあげるスタンスを取るようアドバイスしました。

登校にチャレンジすることができなかったゆうくんですが、お母さんと一緒に、起床から下校までのイメージトレーニングをします。

すると、ゆうくんから「もっと、行きたくなくなった。」との発言が。

再度お母さんが声に出してイメージを話してみても、ゆうくんは「無理」「分からない」「ん~」と返すのみ。

その後もお母さんは色々と試みますが、ゆうくんは無言のまま。

ただ、やりとりを続けるうちに、今朝登校にチャレンジできなかったのは、教室に入るのが怖かったからだということが分かりました。

また、お母さんの課題として、ゆうくんの考えを聞く前に話すことが多くなっていることを伝えました。

 

今までを振り返ってみると、ゆうくんが黙ってしまった時に、お母さんが答えを提示してきた経験があるのではないかと思いました。

先回りして答えを示してしまうと、自分の考えなどを言葉にすることができず、自分の意見を言えなくなってしまいます。

なので、ゆうくんが言葉にするまで待ってあげるようアドバイスしました。

お母さんからゆうくんに、どんな風に恒常性が出ているか尋ねたところ、「もう無理だと思う。恒常性とかも考える意味ないよ。」との返答が。

この発言から、客観的に見て主導権がお母さんではなくゆうくんにあるように感じました。

 

ゆうくんは、自分が登校にチャレンジすることをお母さんが考え直してくれるんじゃないかと思っている可能性があり、自分事として考えられない状況になっているように思えました。

このように、ゆうくん自身が考えようとしない場合、お母さんは「なんとか気持ちを切り替えてもらおう」というスタンスではなく、「先送りにしてもツケが回ってくること」をビシッと伝えることが大切だとアドバイスしました。

「お母さんが言うから」ではなく、「自分事として考えられるように」を意識して対応していくことが大切です。

ここが、再登校後も継続登校するために大切なのです。

親御さんにあれこれと声を掛けられているうちは、自分事として捉えることがなかなか難しいのです。

そこで、敢えて引いてみて、ゆうくんに「ちゃんと考えないといけないかも」という意識を作ってもらうことを目指すようにしました。

 

ゆうくんは、自分ごととしての意識改善ができるのか・・・?

次回は第三章ゆうくんとお母さん 関わり方の変化をお届けします。(次回2025年4月18日(金)の19:00に公開予定です)

※サポーター日記は、毎週火曜日に更新しています!(場合によって、内容の変更もあります)


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  • この記事を監修した人
小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

小川 涼太郎(おがわ りょうたろう)

不登校支援サポート スダチ 代表
株式会社スダチ 代表取締役社長

「学校へ行こうかな」を自然と引き出すサポートを展開するスダチの代表。これまでで1,000名以上のお子さんを再登校に導いてきた。

「誰もが巣立ちゆける世界を」をミッションとし、不登校の解決はそのための通過点に過ぎないと考えている。
これまで不登校の子ども達に向けたボランティア活動を通し、多くの不登校の子どもたち、保護者様と関わる。

ボランティア活動を通して、子ども達や親御さんとお話しする中で、「本当は学校に行きたい、だけど行けない。自分でも行けない理由が分からない」子ども達が多くいることを知る。

そのように苦しんでいる子ども達や親御さんを見て、「不登校で苦しむ子供たちを一人でも多く救いたい」との思いを持つようになり、不登校支援事業を立ち上げるに至る。


【著書】
不登校の9割は親が解決できる 3週間で再登校に導く5つのルールPHP研究所

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