
目次
はじめに
こんにちは、スダチの不登校支援サポーターです!
本記事では、実際に不登校を克服したご家庭のインタビューをもとにその過程や親御さんの生の声をご紹介していきます。
▼概要
概要
- 対象:中学2年生男子(3人兄弟の真ん中)
- 不登校期間:約1ヶ月間(10月〜12月)※相談室登校期間を含めると数ヶ月
- 解決期間:14日間
- 主な症状:引っ越し後の環境変化による適応困難、デジタル依存(ゲーム・スマホ)、攻撃的な言動と二重人格的な行動パターン
今回は、引っ越しとデジタル依存が原因で不登校になった中学2年生の男の子が、わずか14日で再登校を実現した実際の体験談をお届けします。
「見守り」では解決できなかった不登校に対し、新しいアプローチで劇的な改善を果たした親御さんのお話を通じて、同じ悩みを抱える方々に希望をお届けできればと思います。
不登校の現状と深刻化する問題
現在、日本の不登校問題は深刻化の一途をたどっています。
文部科学省の令和5年度調査によると、小・中学校の不登校児童生徒数は11年連続で増加し約34万6千人となり、過去最多を記録しました。

引用:文部科学省「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」
この数字は、日本の教育現場が直面している深刻な現実を物語っています。
特に注目すべきは、小学校で21.4人、中学校で67.1人(1000人あたり)という割合で、中学生の不登校率が非常に高いことです。
中学生の不登校は10年前の約2.2倍に増加しており、現代の教育現場が直面する深刻な課題となっています。
この急激な増加には、学習内容の高度化、人間関係の複雑化、そして何よりもデジタル環境の変化が大きく影響していると考えられます。
さらに深刻なのは、厚生労働省2017年度の推計によると、ネット・ゲーム依存が疑われる中高生は全国で93万人に上り、7人に1人の割合となっていることです。
デジタル依存と不登校の関連性は無視できない状況となっており、現代特有の問題として緊急の対策が求められています。
世界保健機関(WHO)も2019年にゲーム障害を疾患として認定するなど、国際的にも深刻な問題として認識されています。
引っ越しによる環境変化の影響

今回ご紹介する中学2年生の男の子の場合、不登校のきっかけは家族での引っ越しでした。
「ちょうど不登校になる前が引っ越しとかがあって、自分の実家の方に家族5人で移ったんですね」とお母さんは振り返ります。
お子さんにとって環境の変化は想像以上に大きなストレス要因となります。
引っ越しは大人にとっても大きな生活の変化ですが、中学生という多感な時期においては、その影響はより深刻です。
新しい環境への適応には時間がかかり、その過程でストレスが蓄積されていくため、特に祖父母宅への移住という家族構成の変化も加わり、お子さんにとっては二重の環境変化となりました。
この環境変化によって、それまで築いてきた生活リズムや家庭内のルールにも大きな影響を与えました。
特に、この家庭が重視していたデジタル機器の制限についても、新しい環境では維持することが困難になったのです。
環境の変化は予期せぬ形で家庭の方針に影響を与え、結果としてお子さんの生活全体に大きな変化をもたらすことになりました。
デジタル制限の解除が招いた依存状態
この家庭では、引っ越し前まで「ゲーム機もなかったしスマホも高校生からだよっていうことにしてて」というような厳格なデジタル制限を設けていました。
この方針は、現代社会では珍しいほど徹底されたデジタル制限で、お母さんは明確な教育理念を持ってこの制限を実施していました。
お母さんがデジタル機器に慎重だった理由については、
「元々中学校3年生くらいまではあんまりデジタル機器には触らせたくないっていうのがあって、その代わりにいろんな経験をさせたい体験をさせたい家族の時間を作りたい、大切にしてほしいっていうのがあって」という背景からでした。
この考え方は、デジタル依存の危険性を理解した上での教育方針でしたが、祖父母宅への引っ越しによりこの制限が維持できなくなりました。
具体的には、「おじいちゃんおばあちゃんちに行ってその制限がかけられなくなってやりたい放題みたいになって」「おじいちゃんおばあちゃんが昔使ってたiPadとかスマホをどこからか多分見つけ出してきて、ダウンロードしてやってた」という状況になったのです。
環境の変化により、それまで維持してきた家庭のルールが崩れてしまったことが、その後の問題の発端となりました。
夏休み明けから始まった登校拒否
夏休み期間中のデジタル三昧の生活が、お子さんの精神状態に大きな影響を与え、「朝から晩までデジタル漬けになっていって不登校になる1ヶ月2ヶ月前から本当に機嫌が悪い」状態が続いたといいます。
この時期の変化は、家族全員が感じ取れるほど明確なものでした。
夏休みという長期間の休暇期間中に、一日中デジタル機器に向かう生活パターンが確立されてしまったため、睡眠時間の乱れ、食事への関心の低下、家族とのコミュニケーションの減少など、生活全般にわたって問題が生じていました。
特に、これまで大切にしてきた家族の時間が失われ、お子さんが孤立していく様子を親御さんは心配していました。
夏休み明けには「髪型が気に入らずに1週間ほど休んだ」ことをきっかけに、10月頃から本格的な不登校へと発展しました。
友達関係も「自分に合わないしゲームの話ができないし、なんか嫌だから行けない」という理由で悪化していきました。
不登校期間中のお子さんの様子

維持された基本的生活習慣
興味深いことに、このお子さんは不登校になってからも基本的な生活習慣は維持していました。
「どれだけ夜中にすごい時間ゲームしてても朝は一応来て朝ご飯を食べて」「学校行こうと思ったけどやっぱ今日は行けないと言って」という状況でした。
これは、家庭での基本的な生活リズムがしっかりと身についていたことを示しています。
「制服に着替えるまでするとかカバンを玄関まで持ってくるとか明日は行くことにしたから」といった行動も見られ、完全に学校を諦めているわけではありませんでした。
この様子は、お子さん自身も学校に行きたいという気持ちを持ち続けていることを示しており、単なる怠けや甘えではなく、内心での葛藤を表していました。
「なので生活習慣がすごく乱れるっていうことはなかったかなと思う」とお母さんが述べているように、食事や睡眠の基本的なリズムは保たれていました。
これは、後の回復過程において重要な要素となり、生活の基盤がしっかりしていたからこそ適切な支援を受けた際に短期間での改善が可能になったと考えられます。
この点は、完全に生活リズムが崩れてしまったケースとは大きく異なる特徴でした。
相談室登校から完全不登校へ
最初は相談室登校から始まりました。
「教室に入らずに相談室に行っても朝から1日なんか勉強したり本を読むっていうことが結構できていた」状況でした。
この時期は、まだ学校との繋がりを完全に断っていない状態で、カウンセラーの先生とも話し合い、「教室に戻ろうかみたいな話をしてはいました」が、
結局「行けないって言ってから1日も行けなくなる」という結果になりました。
相談室登校が継続できなくなったことで、学校との接点が完全に失われてしまい、この段階で不登校は次の段階に進んでしまったのです。
相談室でも集中して勉強や読書ができていたことから、学習能力や集中力には問題がなかったことが分かり、むしろ集団生活や教室環境に対する不安や恐怖心が主な原因だったと考えられます。
「そんなにハードル高くなく教室に戻れるんじゃない」という期待もありましたが、根本的な問題が解決されていなかったため、結果的には完全な不登校状態に移行してしまいました。
デジタル依存の深刻化
不登校期間中は、デジタル機器への依存がさらに深刻化し、「朝起きて学校行けなくてまたデジタル漬けになっていく」という悪循環が形成されていました。
学校に行けない時間をデジタル機器で埋めることで、現実逃避の手段としてゲームやスマホが機能していたのです。
この時期のお子さんの様子について、お父さんは特に敏感に変化を感じ取っていました。
「絶対彼は二重人格だよ、性格も確実に変わったから」と表現するほど、ゲームをしている時とそうでない時の態度に明確な違いが見られ、デジタル依存が単なる趣味の範囲を超えて、人格に影響を与えるレベルに達していることを示しているともいえます。
「彼はゲームをすると暴力的になって機嫌が悪くなって人が変わる」というお父さんの観察は、デジタル依存の典型的な症状でした。
実際に、お子さんと同じ年代である全国の中学生にネット・ゲームに関する利用調査をしたところ、ネット依存が疑われたのは中学生12.4%、高校生16.0%にものぼっています。
しかし、「ゲームちょっとダメだよってこっちが怒って一旦取り上げるとまた元に戻る」という現象も見られ、根本的な性格の変化ではなく、ゲームの影響による一時的な変化であることも確認できていました。
この観察が、後の解決策を見つける重要な手がかりとなったのです。
引用:厚生労働省研究班「ネット・ゲーム使用と生活習慣に関する実態調査」
親が試した従来のアプローチと限界
【情報収集と専門家への相談】
お母さんは不登校に対して積極的に情報収集を行いました。
・施設見学: 「フリースクールは2箇所見に行きました」
・学校との連携: 「本当に毎日先生と連絡取りながら先生に家に来てもらって」
「見守り」アプローチの限界
読んだ書籍のほとんどが同じ内容だったことにお母さんは気づき、「ほとんどが子供の気持ちに寄り添って、疲れてるから今学校に行けない時期だから、とにかく疲れを取ってあげる家が安心の場所になるようにいつも通りの生活をさせて学校へは行かなくてもいいよ好きなことしてもいいよゆっくり休みな」という内容でした。
この「見守り」アプローチは、不登校支援の主流となっている考え方です。
「そのうち必ず子が自らやる気を出して元気になったらいけるから」という理論に基づいており、多くの専門書やカウンセラーが推奨している方法でした。
担任の先生やスクールカウンセラーも「徐々に体と心が回復してきたらまたもう1回教室の前に相談室登校から始めて徐々に戻りましょう」と同様のアドバイスをしていましたが、そのうち現実との乖離を感じるようになります。
「本に書いてあるのと目の前にいる本人のギャップがなんか自分の中ですごく納得がなくて、これを1年続けても絶対彼は元気にならないし、外にどんどん出れなくなっていく」と感じたのです。
理論と現実の間にある大きな違いを、日々お子さんを見ているお母さんは敏感に感じ取っていたのです。
周囲との認識のギャップ
実際にお子さんの状態は悪化しており、お母さん曰く「親に対しても攻撃的な言葉とか態度がどんどん多くなってくるのを見て心と体が休まるとは反対の方向に向いてる感じがして」という状況でした。
見守りによって心身の回復を図るはずが、実際には症状が悪化していたのです。
この現実を目の当たりにして、お母さんは従来のアプローチに疑問を抱き、スクールカウンセラーや先生は同じように「見守り」を推奨するため、「相談しないでおこう」と思うようになっていきました。
お母さんが伝えるお子さんの実際の状況と、専門家の理論的なアドバイスに乖離があったためです。
祖父母も「そうやって先生が言うんだけどこんなんでいいんかな」と疑問を感じながらも、「でもそんなにたくさん見てる先生が言うならそうじゃないの」という反応でした。
この状況で、お母さんは孤立感を深めることになり、誰にも理解してもらえない辛さを感じていました。
お父さんの視点から気づいたデジタル依存

二重人格的な変化の観察
お父さんはお子さんの変化により敏感でした。「絶対彼は二重人格だよ、性格も確実に変わったから」と感じていました。
この表現は比喩的なものですが、ゲームをしている時とそうでない時のお子さんの態度に、まるで別人のような違いがあったことを示しています。
「彼はゲームをすると暴力的になって機嫌が悪くなって人が変わるでもそんなのゲームちょっとダメだよってこっちが怒って一旦取り上げるとまた元に戻るんですよ」
お父さんのこの観察は、デジタル依存の特徴的な症状を的確に表現しています。
ゲーム中の興奮状態と、ゲームから離れた時の正常な状態の違いが明確に現れていおり、
「素直になってごめんやっぱりやりすぎたわ今度からやりすぎないように気をつけるねごめんねみたいなでまた本来の彼に戻る」という繰り返しを経験していました。
この一連の流れは、依存症の典型的なパターンで、依存対象から離れると反省し、再び接触すると制御を失うという循環がよくわかります。
お父さんは「騙されちゃう」と表現していましたが、これはお子さんが意図的に欺いているのではなく、依存症の症状であることを後に理解することになります。
精神的な病気への懸念
お父さんは「精神的に病気だからあれは精神科に連れてった方がいい」と考えていました。
この判断は、お子さんの劇的な変化を目の当たりにしたお父さんの率直な感想で、実際に具体的な行動も色々と考えていました。
お父さんにとって、お子さんの変化は医療的な介入が必要なレベルに見えていたのです。
しかし、お母さんは異なる見解を持っており、「結局はやっぱり自分が目の前にいる彼が精神病じゃないし絶対に戻れるっていうか社会に何としてでも戻したい」という信念を持ち続けていました。
この親御さんの認識の違いは、お子さんの状態をどう捉えるかという根本的な問題を表しています。
お父さんは医学的なアプローチを、お母さんは教育的・社会復帰的なアプローチを重視していました。
これらの観点で考えていくと、お母さんの「そのために何をしたらいいかっていうことだけ考えて」という実践的なアプローチが、最終的に効果的な支援を見つけることにつながったのです。
お父さんの医学的な視点も間違いではありませんでしたが、この事例では教育的・環境的なアプローチがより効果的だったのです。
家族内での対応の違い
親御さんの対応方針の違いは、家族内での緊張も生み出していました。
お父さんは医学的な解決を求める一方で、お母さんは社会復帰に向けた実践的な解決を模索しており、不登校のお子さんを持つ多くの家庭で見られる現象です。
症状の解釈と対応方法について、このように意見が割れてしまうと家族間でコンセンサスを得ることが難しくなってくるのです。
しかし、この親御さんの場合、最終的にはお母さんの判断を尊重する形で方向性が決まりました。
「絶対に戻れるっていうか社会に何としてでも戻したい」というお母さんの強い意志が、家族の方針を決定づける背景となったのです。
お父さんもお母さんの判断を支持し、家族として一致団結して問題解決に取り組む体制が整い、この家族内での合意形成は、後の支援を受ける際の重要な基盤にもなりました。
親御さんが同じ方向を向いて取り組むことで、お子さんへの一貫したメッセージを送ることができるためです。
転機となったサポートとの出会い

最後の望みをかけた決断
お母さんは自分の時間のある限り話を聞いてみようと思い、複数のサポート機関に一括で相談することを決めました。
この決断は、従来のアプローチに限界を感じたお母さんの最後の挑戦でした。
一つの機関に頼るのではなく、複数の選択肢を同時に検討するという戦略的なアプローチです。
この時の心境について、「もう最後ここでダメなら違う手に行くかっていう風でもう藁にもすがる思いで」と振り返っています。
「彼にこのままこの家の中でずっといさせるわけにはいかないから何か違う方法を取る必要がある」という切実な思いが、どんな選択もいとわないお母さんの行動の背景にあったのです。
「不登校を再登校に導く」というキーワードで検索し、面談式で話が聞けるものなどを軸に何箇所か探しました。
この網羅的な情報収集が、最終的に効果的な支援との出会いにつながったのです。
従来とは180度異なるアプローチとの出会い
複数のサポート機関の中で、スダチとの出会いが転機となりました。
「書いてある文面がそれ以外とは全然180度変わって、見守るっていうよりかはとにかく親の態度で子供が変わるっていうような文面」と感じたことが決め手だったようです。
これまで接してきた支援機関とは根本的に異なるアプローチに、お母さんは強い印象を受けました。
「書いてある内容がやっぱりどれも同じような感じで子供の気持ちを大切に見守って待っていうようなそのための親御さんの態度とか接し方っていう文面ばっかりで」といった他の機関との違いが明確でした。
従来の「子ども中心」「見守り重視」のアプローチとは対照的に、「親の態度で子供が変わる」という「親中心」のアプローチが新鮮に映りました。
特に印象的だったのは「デジタルのこともぴったりだし、デジタルって本当に怖いって自分が元々思ってたのを」という部分でした。
お母さんが長年抱いていたデジタル機器に対する懸念と、支援機関の方針が一致しており、さらに「親が変われば子供も変わる」という考え方もお母さんの直感と合致していました。
これらの要素が重なって、「再登校に導く」というスダチの実績に半ばすがる形で決断に至ったのです。
初回面談での強い納得感
お母さんは早速スダチの初回面談を受け、強い納得感を得ました。
「もう1番最初の面談でめちゃくちゃ納得して、言ってることが全部分かってもうこれ信じてやるしかないって決心を決めました」
この瞬間的な確信は、これまで多くの専門家と相談してきた経験との大きな違いで、直感的に「これだ」と感じられる出会いだったのです。
「子供の発言とか行動に振り回されてて、いけないなと思いながら何ともならなかった」という過去の状況も客観視できるようになったのです。
長い間抱えていた疑問や不安が、一つの理論によって説明され、解決策が示されたことで、お母さんは大きな希望を感じることができました。
この初回面談が、14日間という短期間での解決への第一歩となったのです。
14日間で再登校を実現した具体的方法

親の態度変革の重要性
具体的な解決方法の詳細は語られていませんが、「親の態度で子供が変わる」というアプローチが中核となっていました。
従来の「見守り」アプローチとは正反対の「親の積極的関与」によって変化が起こったことが分かります。
これは、お子さんに振り回されるのではなく、親が主導権を握って家庭環境を整えるという考え方でした。
「親が変われば子供も変わる」という理念のもと、まず親自身の意識と行動を変革することから始まりました。
親が一貫した態度で接することで、お子さんに安定感を与えることができます。
ただ、こうしたの態度変革は、単に厳しくするということではなく、一貫性のあるルールを設定し、それを愛情を持って実行するということです。
この変化により、家庭内の雰囲気が大きく改善され、お子さんにとって安心できる環境が整いました。
デジタル依存対策の実践
また、デジタル依存への対策が解決の重要な要素となりました。
世界保健機構(WHO)が2019年の5月に新たな診断基準として「ゲーム障害」を認定するなど、デジタル依存は国際的にも深刻な問題として認識されています。
今回の事例では、デジタル機器との適切な関係性を再構築することが重要な課題でした。
お父さんが観察していた「ゲームを取り上げると元に戻る」という現象は、適切な介入により改善可能であることを示しており、完全な禁止ではなく、適切なルールと管理によって、デジタル機器を健全な娯楽として活用できるようになることが目標でした。
最近の特徴として、不登校となりゲーム依存になる場合よりも、ゲーム依存になったために不登校になるケースが増加しており、根本的な対策が必要でした。
さらに、デジタル依存対策では、時間制限だけでなく、代替活動の提供や家族との時間の充実が重要でした。
お母さんが元々重視していた「いろんな経験をさせたい体験をさせたい家族の時間を作りたい」という方針を、新しい環境でも実現することが求められたのです。
引用:世界保健機関(WHO)「国際疾病分類第11版(ICD-11)」
家族全体のライフスタイル改革
そして、14日間での解決には、家族全体のライフスタイル改革が必要でした。
すなわち、引っ越しによって崩れてしまった家庭のルールと生活リズムを、新しい環境に適応させながら再構築することが必要でした。
祖父母との同居という新しい家族構成の中で、一貫した方針を維持することは困難でしたが、家族全員の協力により実現できたのです。
生活習慣の改善では、早寝早起きの習慣を強化し、家族での食事時間を大切にすることから始まりました。
「どれだけ夜中にすごい時間ゲームしてても朝は一応来て朝ご飯を食べて」という基本的な習慣が維持されていたことが改善の基盤となりました。
この習慣を活用して、より健全な生活リズムを確立していきました。
また、家族間のコミュニケーションの改善も重要な要素となっていたため、適切なルール設定することで家族の時間を増やすことができました。
3人兄弟の真ん中の子だけが特にデジタル機器に強い興味を示していたため、個別の対応と家族全体での取り組みのバランスが重要でした。
段階的な学校復帰プロセス
14日間という短期間での学校復帰を実現するために、段階的なアプローチが採用されました。
相談室登校から完全不登校に至った経緯を踏まえ、今度は逆のプロセスで着実な復帰を目指すこととなったのです。
お子さんの心理的な負担を軽減しながら、確実に学校生活に戻れるような配慮がなされました。
お子さん自身に学校に行きたいという気持ちがあることがわかっていたため、この内発的な動機を活用して、外的な環境を整えることで復帰を促進しました。
また、学校側との連携も重要でした。
「本当に毎日先生と連絡取りながら先生に家に来てもらった」という以前の取り組みを活用し、復帰に向けた準備を整えました。
学校側の理解と協力を得ることで、お子さんが安心して復帰できる環境を作ることができ、復帰初日から安定した登校を継続するための配慮も十分にしていただけました。
解決後の変化と効果

お子さんの劇的な変化
14日間のサポート後、お子さんには劇的な変化が現れました。
お母さんは「本人は精神的に確実に落ち着いてきてる自分自身がすごい楽になって辛い気持ちを分かち合って嬉しい気持ちを分かち合って、一緒に走ってくれる」とおっしゃっています。
以前の攻撃的な態度や不安定な状態から、穏やかで協調的な状態へと大きく変化しました。
また、家族とのコミュニケーションも回復し、以前のような素直で思いやりのある性格が戻ってきました。
「本当素直にあのごめんねっていうような言葉が1番多分兄弟の中で出てきた」とお母さんはおっしゃっており、元々の性格が蘇り家族関係が大幅に改善されたのです。
学校生活への取り組み姿勢も大きく変化しました。
「学校行こうと思ったけどやっぱ今日は行けない」という葛藤状態から、安定した登校が可能になりました。
勉強への集中力も回復し、友人関係も改善の兆しを見せ、デジタル機器への依存も適切にコントロールできるようになり、健全な娯楽として楽しめるようになりました。
親の変化と成長
お母さん自身も大きな変化を感じています。
長期間にわたる不安と焦りから解放され、お子さんとの関係性も改善されたのです。
「スダチさんに出会ってそれ以外とは全然180度変わってとにかく親の態度で子供が変わるもう藁にもすがる思いですたちさんを選んだ」という決断が正しかったことを実感しています。
また、親としての自信も回復しました。
これまで専門家のアドバイスに従って「見守り」を続けてきたものの、お子さんの状態は改善せず、親として無力感を感じていました。
しかし、積極的な関与によりお子さんが変化したことで、親としての効力感を取り戻すことができたのです。
さらに、家族全体のストレスレベルも大幅に軽減されました。
不登校期間中は家族全員が緊張状態にありましたが、問題が解決されたことで家庭内の雰囲気が明るくなりました。
お父さんの「二重人格」という心配も解消され、夫婦間の認識の違いも解決され、家族の絆は以前に増して深まっていきました。
継続的な効果と安定性
また、不登校は解決から時間が経過しても、改善された状態が継続していることが根本的な解決として重要です。
事情を伺うと、デジタル機器との健全な関係、家族とのコミュニケーション、学校生活への取り組みなど、すべての面で安定した状態が維持されているとのことでした。
学校生活においても、継続的な登校が可能になり、相談室登校から完全不登校に至った経験を踏まえ、今では安定した教室での授業参加が実現されています。
友人関係も改善され、「ゲームの話ができないし自分に合わない」という以前の問題も解決されました。
学習面でも集中力が回復し、学業成績の向上も期待できる状況です。
家庭内でもデジタル機器における新しいルールとリズムが定着し、祖父母との同居という環境の中でも、一貫した家族の方針を維持することができています。
この経験により、今後同様の問題が発生した場合の対処法も明確になり、家族としての問題解決能力が根本的に向上しました。
同じ悩みを持つ親御さんへのアドバイス
お母さんの今回の実体験を通じて、同じような状況で悩んでいる親御さんに向けたアドバイスをお聞きしました。
デジタル依存から脱却するためにお子さんに向き合うことの重要性
この事例から学べること
- 従来のアプローチに固執しない柔軟性: 多くの専門家が推奨する「見守り」アプローチが効果的でない場合もある
- 親の積極的関与の効果: 「親の態度で子供が変わる」という考え方の有効性
- デジタル依存への適切な対応: 現代の不登校問題において避けて通れない課題
- 早期解決の可能性: 適切なサポートがあれば短期間での改善も可能
現在の支援体制と課題
文部科学省では、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」に基づく取組を推進しており、校内教育支援センターは、2024年時点で全国の46.1%の公立小・中学校に設置されるなど、支援体制の整備も進んでいます。
しかし、教育支援センターを活用できている割合は、不登校児童生徒の8.8%にとどまり、ニーズに答え切れていない現状もあります。
この事例では、既存の支援体制(スクールカウンセラー、フリースクール、教育相談など)だけでは解決に至らなかった現実があります。
これらのことから、多様なアプローチを提供する支援体制の充実が求められています。
また、デジタル依存という現代特有の問題に対する専門的な支援体制も不十分です。
93万人という膨大な数の中高生がネット・ゲーム依存の疑いがあるにも関わらず、具体的で効果的な支援方法が確立されていない現状があります。
この分野における専門的な支援の充実と、教育現場での理解促進が急務となっています。
希望を持つことの大切さ
不登校は、取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こり得るものとして捉え、不登校というだけで問題行動であると受け取られないような配慮が必要とされています。
同時に、この事例が示すように、適切なアプローチと専門的なサポートがあれば、不登校は解決可能な問題であることも事実です。
「もう最後ここでダメなら違う手に行くか」という状況からでも、適切な支援に出会うことで劇的な改善が可能なのです。
一人で抱え込まず、複数の専門機関に相談し、お子さんと家族にとって最適な解決策を見つけていただければと思います。
諦めずに最適な支援を求め続けることで、必ず道は開けるはずです。
「親の態度で子供が変わる」という実感を得ることで、親としての自信も回復し、家族全体がより良い方向に向かうことがでるでしょう。
この事例が、同様の困難に直面している多くの家庭にとって、希望と勇気を与える実例となることを心から願っています。
この記事についてのインタビュー動画はこちら



