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再登校ドキュメンタリー

②野田家:デジタル依存の中学2年の男の子を再登校に導けるのか?

2024.03.10

この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

「再登校ドキュメンタリー ~サポーター支援の記録~」は、お名前以外はすべて事実に基づいたノンフィクションです。
実際にやりとりされたメールを元に、サポーターの体験記として描いています。

 

◆前回までのあらすじ◆

中学2年生の蓮くんは8か月も不登校が続いており、ルール作りから始まったサポートは、初日はほぼすべてが失敗に終わりましたが、蓮くんの反抗も想定内で、サポーターは冷静に対処しながら、褒めることの重要性も強調します。次の日からも蓮くんの反抗は続きますが、褒め方が効果を示し、対応が順調に進んでいきます。

前回の本編はこちらからお読みいただけます。

 

 

◆第2章◆

10月10日・11日 支援スタート4日目・5日目(週末)

【〇が増えた週末】

 スダチの支援が始まって初の週末。お母さんからの報告に、心の中でガッツポーズをしました。ほとんどのチェック項目を〇にできていました。「朝しっかり起きる」「朝と夜、家族と一緒に食事を摂る」「夜、家族とご飯を食べる」「就寝時間を守る」「食器を自分で下げる」これらの項目は、土日ともにすべて〇。そして「娯楽類の制限」も土曜日は〇。日曜は△でしたが、事前にお母さんに「様子を見てもいいのでは?」と伝えていた図書館での漫画だったので、限りなく〇に近い△だと思います。実際に、チェックを並べてみると「ただただ普通の生活だということ」そして「それができていなかったこと」に気づいてくれるはずです。おのずと息子さんとの会話も増えてきます。ご家族にとっても、そして、サポートをさせて頂く私にとっても、忘れられない週末になりました。

【家族で乗り越えるべき課題】

 ただ「10回以上褒めること」には〇をつけていませんでした。むしろ×に近い△でした。お母さん自身が乗り越えるべき課題。それが「褒めること」。スダチによる支援の本質はここにあるんです。お子様だけがいくらがんばっても、オール〇はとれません。家族で団結しなければ再登校に導くことはできないのです。ただ、私からはあえて、ほかの項目が〇になっていることを褒めました。「素晴らしいです。良い感じすぎますね。」と。不登校期が長引くと、しばらく「褒めること」からは遠ざかっていると思います。仮に褒めていたとしても、きっと正しくない「褒め方」かも知れません。チェック項目に〇が増えてきたら、なるべくそのプロセスも含めて褒めるように努めて欲しいと伝えました。

【スマホやゲームなしでも過ごせる実感】

 この週末は久しぶりにすごく楽しかったようです。お母さんのメールからもその様子がつぶさに伝わってきました。サポートをさせて頂いている立場として、お母さんからの明るい返信がやはり一番うれしいです。土曜日は、息子さんから「どこかに行きたい」と言ってきたので、ローラースケートをしに行ったみたいです。お母さんは「こういう娯楽はいいのかな…?」と、少し悩んだみたいですが、もちろん問題ありません。素晴らしい土曜日です。日曜日は、朝から犬を連れて公園に行き、息子さんはサイクリングをしていたそう。ゲームやスマホがなくても過ごせるよう、息子さんは自分なりに考えて行動できている気がします。

【〇が増えても気の緩みは禁物】

〇が多かった週末。お母さんからは「ここで私自身、気が緩んでしまいそうで怖い」と綴られていました。状況をしっかりと認識できているお母さんのこの言葉は、サポートをさせて頂く立場として頼もしかったです。「きっと息子さんの再登校は実現する」と嬉しい思いでした。だからこそ、私はこう答えました。「後2、3回は不測の事態があると思っておいてください。」と。長い不登校期間からの脱却はそれほど簡単ではありません。「この一週間と同じペースで息子さんと接すること。」そして、「しっかりと褒めること!」。ご家族のすべきことは変わりません。まだまだ一緒にがんばりましょう!私自身も心の中でそう繰り返しました。

10月12日 支援スタート6日目(祝日)

【「なんで最近そんなに褒めるの?」親の変化に気づく】

祝日の月曜日。約束の時間の15分前に起こしに行ったところ、最後は自分で時間通りに起きてきました。そこで「自分から起きてきて今までと違うね」とすかさず褒めたところ「なんで最近そんなに褒めるの?」と言われたそうです。お母さんからは「少し戸惑ってしまった」と報告がありました。息子さんとの会話が増えてくると、息子さん自身もお母さんの変化に気づいてくるんです。

【「火曜日から学校行くよ!」嬉しいが焦りは禁物】

さらにお母さんからは質問が続きました。息子さんが「火曜日から学校行くよ!」と言ってきたというのです。このため「登校した後のルールについて」、事前に聞いておきたいという質問でした。私からは「スマホ・ゲームについては、とりあえず金曜日まで登校できたら、来週からのルールを息子さんと一緒に決めれば良いかと思います。またそのタイミングでアドバイスさせていただきます。」と回答しました。息子さんからの前向きな言葉に嬉しい気持ちの一方で、焦ってしまう例が多いんです。でも焦りは禁物。まずは登校を継続させることが大切で、次のルール作りはその先なのです。そして、「学校に行く」決意をした息子さんに、必ず事前に話しておいて欲しいことを伝えました。それは「恒常性」に関する話です。行く気になっていたとしても、本当に実現するかは、当日の朝を迎えるまでわかりません。それは特別なことではないのです。お母さんには、今から「登校しなかった時の心の準備」をしておいて欲しいのです。

10月13日 支援スタート7日目(火曜日)

【「決意したにも関わらず…学校にいけない」は想定の範囲内】

 サポーターとしてはあらかじめ想定していました。事前にお伝えもしていたのですが、お母さんにとってはやはりショックだったかも知れません。「火曜日から学校に行く」と言っていた息子さんでしたが、朝、起きることはできず、学校に行けませんでした。お母さんからは、「昨日も一緒に準備しました。そう簡単にはいかないとわかっているつもりでしたが、やはり落ち込みます。」と綴られていました。私からは「想定内なので、普通にしておいてください。恒常性どんな感じやった?お母さん凄く興味あるから教えて!!と、明るく聞いてあげてください。」と伝えました。落ち込んでいるに違いないお母さんの心。少しでもラクにさせてあげたかったのです。学校に行こうと思っても、実際はなかなか行けないのです。これって、普通のこと。さらに続けました。「むしろ行けなくて良かったと思いましょう。この失敗から学ぶことはたくさんあります。今後の人生でも恒常性に打ち負けることはあるかと思います。その時に、今回の経験が活きる可能性もある」。そしてお母さんは落ち込まず「全然気にしなくて良いよ。次どうしたらいいか考えればいいじゃん」みたいな声掛けをしてあげてくださいと伝えました。8ヵ月に及ぶ不登校が続き、本人自らが「再び学校に行く」と言ってくれた。その気になっただけでも、大きな一歩です。そしてきっと息子さんも同じようにショックを受けているに違いありません。こんな時こそ、「ご家族が焦らないこと」。サポーターとしても冷静なアドバイスに努めました。

【「決意したのに行けなかった…」そんな一日を大切に過ごす】

 「学校に行く決意をしてくれたのに行くことができなかった日」。この一日をどう過ごすかはとても大切です。この一週間と変わらず過ごすことができれば、きっと明日につながります。お母さんからの報告には安心しました。食事の後、自分から食器を下げてくれる息子さんに「面倒でも食器運んでくれるの助かるわー」と独り言のようにつぶやいてみたらしいのです。息子さんは「何ブツブツいってんの?」と返してきたそうですが、「まんざらでもなかったみたい」。お母さんはそう感じていました。さらに息子さんから「1日が無駄になった」という言葉もあったというのです。学校に行くことに対して意味を感じはじめている証かも知れません。「学校なんて無駄だ」と言っていたこれまでと違う大きな変化です。お母さんにとっては、朝から大きなショックを受けた日だったけれど、後で振り返ると「とても大切な日だった」そう思える日にして欲しいです。

10月13日 支援スタート8日目(水曜日)

【「ついに登校!」でも安心はまだまだ早い】

 支援がスタートしてから8日目。息子さんが、朝しっかり起きて登校しました。体育祭に向けた練習がこの日から始まるらしいのです。もしかしたら息子さんは、「体育祭に参加したい…」と思っているのかも知れません。恒常性の話を事前にしていたからこそ、お母さんも、そして息子さんも、昨日の朝、起きることができなかったことにしっかり向き合えて、今朝につながったと思うんです。ただ実際は、ここから継続的に登校しないと解決にはなりません。この後、こちらのご家庭でも、まだまだ難しい局面を迎えることになるのです。

◆次章紹介◆

第3章では、安心できたかと思いきやまだまだ見えてくる難しい課題に取り組んでいきます。まだまだ油断は禁物です。

次章はこちらから公開予定です。しばらくお待ちいただければ幸いです。

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スダチ広報担当

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