
こんにちは、スダチの不登校支援サポーターです!
今回は、前回の「第一章 母子分離不安を乗り越えるまで」の続きからお話ししていきます。
【前回までのあらすじ】
前回は、小学2年生のそうたくんがルール発表を受けて涙を流しながらも、少しずつ自分自身と向き合い始めた様子をお伝えしました。
デジタル機器の制限に強い反発を示す中でも、お母さんは動じることなく、共感を交えた声かけでしなやかに対応。
反発が続く日々のなかでも、そうたくん自身が「やるべきこと」を理解している兆しが見え始めてきたのです。
少しずつ自立に向けた一歩を踏み出しているそうたくん。
今回は、この成長をさらにどう支えていくかに焦点を当ててお話ししていきます。
▼サポート開始時のお子さん
サポート開始時のお子さん
・入学式前の学童生活で環境の変化やルールが分からず不安を抱えていた。
・入学後すぐに「学校に行きたくない」と言い出し不登校になる。
・サッカーの習い事や公文にも行けなくなってしまった。
・公園・スーパー・コンビニといった身近な場所にも不安で行けない状態に。
・徐々に教室の「一歩手前」までは行けるようになるも、そこで毎回「帰る」を選ぶ状態が続いていた。
▼サポート開始直後の親御さんの様子
サポート開始直後の親御さんの様子
・スダチの考え方に共感し、支援を申し込んくださった。
・親御さん自身でそうたくんの「褒め方」や「マインドセット」を磨き続けていた。
・そうたくんが前進しやすいように、放課後の教室訪問、学校への散歩などを提案してあげていた。
・始業式以降、母親の付き添いで毎日登校できるようになるまで伴走してあげていた。
注意
※実際のサポートを元にしていますが、人物名など個人を特定できる情報は仮で設定しております。
※記載している内容はあくまでもサポートの一部でございます。
第2章 期待しないで信用するということ
学校に行ってみたい
ある日、そうたくんが「学校行ってみたいと思うけどさ…。」とつぶやく場面がありました。
続けて、「3日連続なんていけると思う?絶対無理じゃん」とも言いました。
これに対して、お母さんは、「でもほんとに無理かなぁ。1時間目から放課後まで行くって、今のそうたには想像できないくらい難しいって思うかもしれないね。
でもさ、全部一気に達成しなくったっていいよ。
自分で今日は1時間目まで、今日は給食まで頑張ってみようって少しずつ。
確かにそれだとゲームできないじゃんって思うかもしれないけど、一歩ずつでもチャレンジできたら、この前の歯医者みたいにやれた〜って嬉しい気持ちなると思うなー。」と、しなやかに切り返すことができました。
お母さんの声掛けは、毎日確実にレベルアップしていると感じました。
覚悟を持ってそうたくんと関わるお母さんの様子に、毎日感心するばかりでした。
そんなお母さんも、心の中では大きな不安と戦っていることが分かりました。

ルール開始のため、ゲーム機がなくなっていたこと、タブレットのパスワードが変えられていたことについて、そうたくんが後からこんなことを言ってきたのです。
「いつもママは信じてるとか言うけど、そうたのこと信じてくれてないじゃん」と。
この言葉に、お母さんは、ゲーム機を隠さない方が良かったのか…と思ってしまったそうです。
もともと信頼関係がなかったわけではなく、逆に信頼を失った感じがしたそうです。
また、ルールによって、そうたくんが自分のことをわかってくれていない…と思っているのではないかと不安になってしまったそうです。
たしかに、お子さんからこのようなことを言われてしまうと、不安になるお気持ちも分かります。
私からのアドバイスとしては、そうたくんに以下のように伝えるよう提案しました。
「信じてるとか信じてないじゃなくて、知らないうちに使いたくなるのがデジタルなの!
世界中の天才たちがどうやって依存させるかを考えて作ってるものだからさ。
使ってないのに、今日は使ってない?大丈夫だった?って聞かれるのも嫌だろうし、
使えないのに目の前にあるのは辛いでしょ?だからお母さんが持っておくから、やるべきことができたらまたやろう!」
といった感じです。
また、この時、そうたくんの前では弱気にならないように伝えました。
「やらない方が良かったかも」という様子を出してしまうと、お子さんの反発は続きやすくなるからです。
実際に、お母さんは、アドバイスを参考に、そうたくんにゲーム依存の話をしてくださいました。
そうたくんは「ふーん。」と言って、素直に聞いていたそうです。
しかし、その後、そうたくんから想定外の言葉が出ます。
「じゃあそうたからゲームを取るんだったら、パパやママがお仕事から帰って疲れていてもそうたと一緒に遊んでもらうからね、そうでしょ?
そうじゃなかったらゲームを返してもらう。」と。
ここで、お母さんは、交換条件を出してくること自体、親子の立場逆転なのではないかと気付きます。
メールを読んでいて、仰る通りだと思いました。
また、交換条件を出してくるということは、お子さんの中に「親がゲームを取った!」という感覚がまだありそうだと感じました。
なので、今ゲームをできない状況はお母さんのせいではなく自分の責任であること、やるべきことができたらやりたいことはできることを伝えるようアドバイスしました。
お母さんのせいにしてしまっているそうたくんの認識を変えないといけないと思ったからです!
ある日、そうたくんが車の中で神妙に「学校ってさ、どうやって行ったらいい?」とお母さんに尋ねてきました。
この時、お母さんは、いつもと雰囲気の違う聞き方に少しドキッとしますが、「そうたは学校に行ってみようかなって思ったの?」と切り返します。
するとそうたくんは、「うん、だってゲームを取り返せるもん」と答えます。
そこでお母さんは「そっかそっか、でも少しでも学校に行ってみようかなって思ったんだね。
じゃあそうたは学校行けるようにどうしようかなって思ってるの?」と切り返します。
そうたくんは「わかんない」と答え、諦めモード。
「じゃあさ、一緒にどうしていくか考えてみようか?」と切り返しても、「……でも行けない。」と、ネガティブ発言が続きます。
お母さんは、このような切り返し方で良かったのか…?と、疑問に思ってしまいます。
ですが、まずは共感してしなやかに切り返すことができていたので、今回の対応はバッチリであったことを伝えました!
不安で苦しい月曜の朝
ある月曜日の朝食後、そうたくんは、「不安で苦しい」と言っていきなり泣き出しました。
この時、お母さんは、そうたくんが学校に行きたいけど行けないな…と考えて不安に襲われたのかな?と思ったそうです。
そこで、深呼吸を促し、そうたくんが落ち着いたタイミングで「何か考えて不安になったの?」と聞いてみました。
すると、そうたくんは「そういうわけじゃないけど、月曜だとこうなりやすいのかな…よくわかんない」と答えました。
お母さんは、そうたくんが不安になった時こそ少し行動させてあげてみないと!と思い、自分に言い聞かせます。
そして、「少し落ち着いたらでいいから、不安でも今日は散歩に行ってみよう?
お天気もいいし気持ちがいいと思うよ」と誘います。
そうたくんは少しためらったものの、お母さんと一緒なら安心できたようで、2人で一緒に散歩に行くことができました。

散歩の途中、そうたくんが即興でこんな歌を歌い始めたそうです。
♪勇気を出せばできる、不安はニセモノで邪魔してくるだけ、みんながいるから大丈夫♪
お母さんは、「めちゃくちゃいい歌じゃん!すごく勇気が湧いてくる!録音しておけばよかった〜」と伝えます。
とてもポジティブな歌で、なんて素敵なんだろうと思いました!
今後も今回のように不安になった時には、この歌を思い出させてあげて、一緒に歌ってみることをアドバイスしました!
期待しないで信用するということ
週3サポート6日目、お母さんは登校刺激を行います。
登校刺激を行ったからといって、すぐにいい反応があるわけではありません。
あくまでも、ずっとこのままではいけない…と、考えるきっかけを与えるイメージです。
「この数週間、そうたの変化を見ていたんだ。
そうたはできるようになったことがたくさんあるよね。」と、まずは伝えました。
そして、できるようになったことや成長したことを50個紙に書いたものを見せました。
そうたくんは、とてもびっくりしていたようです。
その後、学校のことをどう思っているか聞くと、「ずっと行けてないのに行けるわけない、後1年か2年はかかる。」との返答が。
ここで、お母さんは共感した上で、簡単ではないこと、1~2年かかりそうなところを短くできるように一緒に考えていくことなどの話をしました。
そして、月曜日に登校にチャレンジしてみることを提案しました。
しかし、そうたくんは首を横に振り、「そんな急に絶対無理」と言いました。
それでもお母さんは、動じませんでした。
もともと、スダチのサポートを受けるにあたり、お母さんは自分がいつか絶対に焦るタイミングが来ると構えていました。
今回まさにそのタイミングが来たのでした。
"期待しない、信用する“をずっと頭に置いていたおかげで、今回のように良い反応ではなくても、スムーズに話をすることができました。
一方で、少しでもチャレンジしてみようかなという反応が全くなかったため、お母さんは正直残念な気持ちになってしまいました。
そんな中、お母さんからそうたくんに、数日間考える時間をとることを伝えました。
そして後日、そうたくんに意思を確認することになりました。
お母さんはそうたくんに「あれから考えてみた?」と尋ねました。
すると、そうたくんからは「何にも考えてないよ。」との返答が。
お母さんが理由を尋ねると、そうたくんはこう言いました。
「考えなくても散歩とかしてたらできそうかな(学校へ行ける)って思ってる。」と。
これに対して、お母さんは、「そっかあ、今、毎日散歩で体動かしてるもんね、すごくいいことだよね。
でもほら、この前話してたブス(恒常性)はめちゃくちゃ強いから、それに打ち勝つためには何度も何度も挑戦し続けないといけないって言ってたよね。
散歩だけしてたら次何かできるようになるのかな?
それをそうたに考えてほしいんだ。」と切り返します。
実は、そうたくんは、学校に行くことはできていないものの、毎日外に出て散歩することはできるようになっていました。
そのことが小さな自信になったのか、散歩を続けていれば学校に自然に行けるようになるといった漠然とした考え方をしていることが分かったのです。
また、恒常性についてそうたくんに説明した際、「ブス」と名前を付けることができました。
そのため、家族の会話の中では、恒常性=ブスで定着しているのでした。
そうたくんは、少し考え、「うん、じゃあ明日通学路歩いてみる。」と答えました。
一歩前進です!
ただ、お母さんは「そうたがどうしていきたいかまた聞くから、しっかり考えてみてね。」と伝えました。
するとそうたくんは、「もう考えたよ、そうたはまずは通学路の散歩を当たり前のようにできたらその次はって少しずつやりたいから。
しかも決めてできなかったら、またできなかったって落ち込むからあんまり考えたくないんだ。」と答えました。
これに対して、お母さんは、「決めてもできなかったのは恒常性のこともあるからいいんだよ。
決めたことが挑戦してみようとしたことだから。」と切り返しました。
ここでそうたくんは「わかってるけどそうたは決めたくないの!」と言い放ってしまいました。
不安が大きい分、登校に対してまだまだ消極的のようです。
こんな時には、不安な気持ちは恒常性の影響だということを理解させてあげることが大切です。
また、恒常性に勝つための方法は1つだけなんです。
それは、「どうやったら勝てるかを本気で考えて実際に行動すること」なんです。
これらのことをお母さんに伝えました。
同じことを何となく繰り返していたら、いつか不安はなくなるということは絶対にありません。

そして、そうたくんには、ルールを親御さんのせいにする感覚が残っていたため、お母さんは以下のことを再度伝えました。
・ルールはどれも当たり前のこと
・そうたに今乗り越えていってほしいこと
・今のそうたならできると信じているから、お母さんは嫌われてもいいから変わるんだと思っていること
すると、そうたくんは「そっか。そうたのために言ってくれてたんだね、そうたに意地悪してると思ってたよ、ごめんね」と謝ってくれました。
2人はハグをしました。
こうやってお子さんときちんと向き合い、伝えるべきことはきちんと伝えることが大切です。
正しい親子関係ができていけば、親御さんの気持ちはお子さんに伝わるはずですので!
そうたくんは果たして学校に行くことができるのでしょうか・・・?
次回は第三章「学校に行けるかもしれない」をお届けします。(次回2025年5月16日(金)の19:00に公開予定です)
※サポーター日記は、毎週火曜日に更新しています!(場合によって、内容の変更もあります)



