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ゲームばかりして、学校に行かない小学生が近年増加しています。
以下のような悩みを持つ親御さんもいるのではないでしょうか?
- ゲームばかりして将来大丈夫なのだろうか?
- どうすればゲームをやめてくれるのだろうか?
- ゲームをやめさせることができれば再登校できるのだろうか?
ゲームが理由で不登校になる小学生は多く、ゲームをやめさせることは難しい問題だと言われています。世の中で流行っているゲームには、プレーヤーを飽きさせないような工夫があります。
また、ゲームをすればするほど夢中になり、やめられなくなるように考えて作られています。
ゲームばかりしすぎ、ゲーム依存に陥り、生活に支障がでる場合もあります。
ゲームをすることが必ずしも悪だとは思いませんが、不登校の小学生が終日ゲームをしている状況は非常に危険です。
これらを前提とした上で、当記事で伝えたいことは以下の2点です。
- ゲームは不登校の根本的な理由ではない。
- 根本的な理由が何であろうと、子どもへの接し方は決まっている。
当記事では、お子さんの不登校の原因がゲームだと思う親御さん向けに、子どもとの接し方をご紹介します。
ご紹介する接し方を参考にしていただくことで、お子さんの不登校が解決へ近づくことをお約束します。
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1. 不登校とゲームの関係について
不登校の小学生のほとんどが、ゲームをして日中を過ごします。
中でも、フォートナイトというゲームに夢中になる小学生はとても多いです。
フォートナイトとは2017年に初版がリリースされた、無料オンラインゲームです。
友人や世界中の人々とネットを通じて一緒にプレーできる点が、人気を集めている理由の1つです
。また、バトルロイヤルモードやクリエイティブモードなど、様々なモードがあり飽きさせないように作られています。
2020年5月時点では、世界中の利用者が3億5千万人を超えました。
世界中の人々と24時間いつでもプレーできてしまうため、夜更かしにも繋がっていると言われています。
(参照:小学生にも「フォートナイト」は人気。ゲムトレ,小学生375人を対象に実施したゲームに関するアンケートを公開)
1-1. ゲームが理由による不登校の実態について
では、そもそも本当にゲームが不登校の理由なのでしょうか?
文部科学省による平成30年度の不登校に対する調査の不登校の理由には、「ゲームが理由」という項目はありません。
このデータは学校を調査対象として抽出しているため、学校側が「不登校の理由がゲームにある」という認識が無いだけの可能性もあります。
しかし、そのように思われていた小学生たちと私たち不登校支援の専門家も何人も会ってきましたが、根本的な理由がゲームにある子どもは1人もいませんでした。
本当にゲームが楽しすぎて、学校に行けない子どもが全くいないとは言いません。
ですが、ほとんどの「ゲームが理由」だと思われている不登校の子どもの根本的な理由は、"別のなにか"なのではないでしょうか?
1-2. 不登校の根本的な理由は、ゲームではなく"別のなにか"
ここでは、ゲームが不登校の根本的な理由になり得ない訳をご説明します。
仮に学校生活に不満がない、以下のような小学生がいたとします。
- 学校生活に何の不満もなく、毎日を楽しめている小学生
- 将来の夢や目標に向かい、学校生活をすごしている小学生
このような特徴を持った小学生も、家ではゲームを楽しんでいるかもしれません。
しかし、ここで例に挙げた小学生たちがゲームに夢中になりすぎ、不登校になってしまう可能性はかなり低いと思いませんか?
一方で、以下のような小学生の場合はどうでしょうか?
- 勉強について行けず、学校生活が楽しくない...
- 友達付き合いがうまく行かず、学校生活が楽しくない...
こちらのたち小学生が世界中で大人気のゲームに出会ってしまうと、不登校になってしまう可能性が高まると思いませんか?
私たちがこれまで会った不登校の理由がゲームにあると思われていた小学生たちも、詳しく話を聞くとこのような背景を持つ子どもたちばかりでした。
子どもは親御さんに対し、不登校の理由を伝えないことが多いと言われています。
理由が分からない親御さんはゲームばかりする子どもを見て、「不登校の理由がゲームにある」と思ってしまいます。
しかし、不登校の根本的な理由はゲームではないため、ゲームをやめさせるだけでは不登校の解決には直接繋がりません。
ゲームをやめさせることに時間を割いた結果、不登校が長引いてしまうこともあります。
よって、親御さんが理解すべきことは、「ゲームは不登校の根本的な理由にはならない」ということです。
2. 不登校から再登校へ導くための3つの習慣
1章では不登校の根本的な理由がゲームではないことをご説明しました。
この章では、子どもが再登校するために実施するべき、以下3点の習慣をご紹介します。
- 子どもの自己肯定感を高める
- 正しい生活習慣に戻す
- 正しい親子関係を築く
この3点を実施することで、不登校の理由に関わらず子どもは再登校できるようになります。
2-1. 子どもの自己肯定感を高める
まず最初に心掛けていただきたいことは、子どもの自己肯定感を高めるということです。
自己肯定感とは「自分のことを自分で認められる気持ち」といった意味の言葉です。
自己肯定感が低い子どもは、高い子どもに比べ自分の言動に自信を持てません。
そして、自信のない言動は些細なトラブルを後ろ向きに捉えてしまうなど、不登校の原因にも繋がりやすくなります。
また、不登校の子どもの多くは自己肯定感が低い現状にあります。
そして、自分のことを認められない子どもは親に不登校の理由を相談する勇気がありません。
よって、自己肯定感を高めてあげるために、子どもを褒めてあげることが大切なのです。
では、どのように子どもを褒めてあげればいいのでしょうか?以下で例をご紹介します。
- 朝早起きした場合 →「早起きできて偉いね。」
- ご飯を残さず食べた場合 →「残さず食べて偉いね。ありがとう。」
- 挨拶できた場合 →「挨拶できて偉いね。」
このように日常の些細な出来事でも、全て褒めるつもりで接してあげてください。
目安は1日10回以上です。
普段と違う親御さんの言動を、初めは不審に思うかもしれません。
それでも懲りずにお子さんを褒め続けてあげてください。
親御さんから褒められることで、お子さんの自己肯定感は自然と高まります。
自己肯定感が高まった子どもは、性格も前向きになります。
そして、前向きな性格は親子のコミュニケーションを良好にし、お子さんは親御さん対し悩みや考えを打ち明けられるようになります。
悩みや考えを打ち明けてくれたら、一緒に対策を考えてあげてください。
2-2. 正しい生活習慣に戻す
次に心掛けていただきたいことは、生活習慣の見直しです。
この記事を読まれている親御さんの中には、子どもの昼夜逆転した生活に悩まれている方もいるのではないでしょうか?
昼夜逆転現象は、再登校する意志の妨げになってしまいます。
夜更かしは登校時間に眠気として子どもを襲い、眠気は登校意欲を奪います。
夜早めに寝て、朝早く起きる習慣が大切だということを覚えておいてください。
夜早く寝て、朝早く起きるためには夕食をしっかり食べることと、日中昼寝をしすぎないことが重要です。
こちらの詳しい方法に関しては、子どもの現状や家庭環境で対策が変わってきますので、より詳しく知りたい方は私たち不登校支援の専門家にいつでも相談してください。
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2-3. 正しい親子関係を築く
最後に心掛けていただきたいことは、正しい親子関係を築くということです。子どもの言いなりになり、親子の立場が逆転してはいけません。
正しい親子関係が築けていない家庭の子どもは、わがままな性格に育ってしまいます。
わがままな性格の子どもは、自分の思い通りに行かないことを受け入れられません。
学校で起こった嫌なことに対し、納得できず不登校になる可能性もあります。
また、親子の立場が逆転していると、親御さんへの相談も減ってしまいます。嫌なことは誰にでもあります。
お子さんが親御さんに相談したくなるためにも、正しい親子関係を築くよう意識してみてください。
そのためには、躾(しつけ)をきちんとする必要があります。間違ったことは叱り、言動を正してあげてください。
最初は反抗的な態度を見せるかもしれませんが、その分褒めてあげられる点は褒めてあげてください。
そうすることで正しい親子関係は自然と構築されます。
正しい親子関係が築けられれば、悩みや考えを親御さんに話してくれるようになります。
3. フォートナイトばかりしていたA君が、再登校に至るまでの話!
この章では、ゲームばかりして学校に行かなくなったA君が、再登校に至った経緯をご紹介します。
A君
性別:男の子
学年:小学5年生
不登校期間:約3ヵ月間(小学5年生の夏休み明け9月~11月末)
母親が思っていた不登校の理由:ゲームが楽しいから学校に行きたくない
A君が打ち明けた不登校の理由 :勉強について行けず、学校生活が楽しくなくなった
【再登校に至るまで】
A君は5年生の夏休み明けから、学校を休むようになりました。母親が休む理由を聞いても、「別に理由はない」「ゲームしてた方が楽しい」などとしか答えませんでした。
A君は、フォートナイトというオンラインゲームを夜中の間もずっとプレーしていました。母親がA君のフォートナイトのプレー時間を調べたところ、1日の平均プレー時間は12時間を超えていました。
色々と解決方法を考えた母親でしたが、どうすればいいか答えがでず、11月上旬に私たちへ連絡をくれました。私たちは、「A君はゲームが理由で不登校になった」と母親から聞きました。
A君の現状を詳しく聞いた私たちは、母親に2章で紹介した2つの習慣を徹底するお願いをしました。(A君と母親の関係は立場の逆転が無かったため、「正しい親子関係を築く」という習慣は伝えておりません。)
A君が小学2年生になった頃から母親は仕事を再開したため、A君とのコミュニケーションは減っていました。そのことに責任を感じた母親は、勤務時間を午前中のみに変更し、日中はA君と過ごすようにしました。
午後を家で過ごすようにした初めのころは、昼前から夕方まで寝ているA君の姿に涙することもありました。しかし、買い物や映画、日帰り旅行などに一緒に行くことでA君が日中寝てしまわない工夫をしました。
また、自己肯定感を高めることも意識しました。A君の話はほとんどがフォートナイトの話でした。その話に対し母親は、「Aは説明がすごく上手だね」「Aの話聞いてたらお母さんもゲームしたくなってきた」と、褒めるようにしました。
私たちに連絡があってから11日後、母親から再度連絡がありました。A君は母親に対し、「不登校になった理由は勉強について行けず、学校が楽しくなかった。」と伝えてくれたそうでした。
理由が分かった母親は学校とA君の従兄弟に相談し、学力向上の対策を考えました。
A君は少しずつ前向きな性格に戻り、「学校に行きたい!」と、自分の口から言えるようになりました。
そして、最初の連絡から3週間後、A君は再登校することに成功しました。
4. まとめ
不登校の小学生が、親御さんに不登校の理由を伝えないケースは多く存在します。本人ですら理由が分からないケースも存在します。
くれぐれも理由を決めつけないでください。
当記事では、不登校の理由に関係なく、親御さんに心掛けていただきたい3つの習慣をご紹介しました。
- 子どもの自己肯定感を高める
- 正しい生活習慣に戻す
- 正しい親子関係を築く
ぜひ、この3つの行動を実施できているか確認してみてください。
上記3つの習慣が心掛けられていれば、不登校を解決することは難しくありません。
逆にこの習慣が無い場合、不登校の解決も難しくなってしまいます。
ゲームばかりしている小学生も、心のどこかでは人と接したいと思っています。
当記事を読んで、「もっと詳しく知りたい」や「この場合はどうしたらいいの?」といった質問があれば私たち不登校支援の専門家に気軽に相談してください。
1人で抱え込むよりも、誰かに相談することで気持ちがスッと楽になりますよ。
最後まで読んでくださった皆様のお力になれることを、心から願っています。
ありがとうございました。
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