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1. 中学生の不登校は病気? 病院に行くべきか?
お子さんが不登校なのは病気のせいだと思っていませんか?
病院に行くべきかお悩みの親御さんもいらっしゃることかと思います。
私も不登校を経験し、診療内科に通っていた時期があります。
当記事では、病院との上手な付き合い方について書かせて頂きます。
不登校のお子さんを持つ親御さんにとって、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
1-1. 不登校になる過程と原因
まず最初に不登校になる過程と要因を見ていきましょう。
ふせき診療クリニックさんによると、不登校になる過程を次のように説明しています。
・心気的時期
朝になると頭が重い、お腹が痛い、気分が悪いなどの漠然とした症状が出現するも、
午後になるとケロッとして元気になる。
夜には「明日は登校しよう」という気になりますが、再び翌日も同じ事の繰り返しで
登校できない。身体的には問題がなく本人もズル休みだと思われているのではないかと
悩んでいる状態。
・攻撃的時期
家族があらゆる手段で登校させようと試みますが、本人は学校と聞いただけで
怒ったり暴れたり、時には一言も口をきかなくなったりします。昼夜逆転もみられる。
・内閉的時期
次第に自室にこもり家族との接触を拒むようになる。
食事も1人自室で摂るなどといった状態で、ご家族も腫れ物に触るような扱いになってくる。
こうした過程を経て、子供たちは不登校となっていきます。
その要因は学校内で起こった出来事だけではなく、お子さんの性格、家庭環境、親御さんとの関係など様々なことが複雑に絡み合っています。
そして、「学校に行けない」という状況にお子さん自身も悩み不安を感じています。
1-2. 精神疾患と不登校
不登校のお子さんに、うつといった精神疾患が見られることは多々あります。
精神疾患が原因で、不登校になる場合も少なくありません。
それだけ、両者は密接に関係しています。
うつ状態に陥れば、気力は低下し正常な判断も難しくなります。
お子さんに元気がないのは、心の病気かもしれません。
診療内科の受診を視野に入れるのは、恥ずかしいことではありません。
2. 中学生の不登校 病院での治療について
それでは、実際に心療内科を受診した場合、どのような治療が行われるのでしょうか。
先生によって治療方針も考え方も全く異なるのが診療内科です。
私の治療体験も交えながら、説明したいと思います。
2-1. 投薬治療と入院治療
治療内容は主に外来による投薬治療と入院治療に分けられます。
・投薬治療について
投薬治療とは、抗うつ薬や精神安定剤などが処方されます。
それらを医師の指示通り飲み、経過を観察していくことになります。
通院ペースはお子さんによって異なりますが、初期段階では一週間に一回程度の通院が
必要になります。
というのも、お子さんに適した薬を見つけなければならないからです。
症状と薬の効能が合っていたとしても、お子さんの身体に合うとは限りません。
お子さんの心と身体が安定する薬を見つけるため、通い始めが最も重要になります。
・入院治療について
病院に入院しての治療となりますが、やることは基本的に薬の調節となります。
通院と違い常にそばに医師がいてくれるため、細かい薬の調整が可能となります。
病院によっては、行動認知療法やレクリエーションといった独自のプログラムを
組んでいることもあります。
どちらが良いとは一概に言えませんが、まずは通院から始めてみて下さい。
医師の判断を仰ぎながら、必要であれば入院となるケースが多いでしょう。
2-2. 私も中学生の頃は心療内科にお世話になっていました
中学二年生で不登校になってから、私は体調不良を毎日のように母に訴えていました。
頭が痛い、お腹が痛い、気持ちが悪い…。
それらは仮病ではなかったのですが、あちこちの内科を受診し検査を重ねても結局原因は
分かりませんでした。
藁にもすがる思いで、母が私を連れていったのが診療内科でした。
躁鬱と診断を受け、私に合った薬を処方してもらっていましたが、
それ以上にその病院の先生と看護師さんには大変よくして頂きました。
そのおかげで私も少しずつ元気を取り戻していきました。
最初は外出もままならず、家から病院までタクシーを利用していましたが
次第に診察前に母とショッピングを楽しむこともできるようになり、
私の楽しみの一つとなっていました。
高校受験に合格したことを先生に伝えると、お祝いとして贈り物を頂いたことも
今でもよく覚えています。
診療内科にマイナスイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、安心して下さい。
若いお子さんの薬の処方には慎重になってくれますし、親身に相談にも乗ってくれると
思います。
3. 中学生の不登校 病院以外の選択肢
さきほどは、病院に行くことの大切さを説明しました。
ですが、病院に行くだけでは不登校は直りません。
病院は、あくまで第三者的立場としてサポートしてくれる存在です。
それよりも、親御さんとお子さんの親子関係が重要となってきます。
3-1. 愛着障害について
愛着障害という言葉をご存じでしょうか?
愛着障害とは「自分が愛されていないと感じることで日常の行動に支障をきたすこと」です。
つまりは、正常な親子関係が構築されていないために
他者との関係も上手くいっていない状態を指します。
裏を返せば、正しく愛着関係を結ぶことによって
他者ともより良い関係を築けるようになります。
不登校の子供たちの多くは愛着障害である場合がよくあります。
そして、日本人の3分の1が愛着障害であると言われています。
そうは言っても、「愛情がきちんと注いでいる」と思われる
親御さんもおられることでしょう。
愛着障害は、愛情が足りていないのではなく、愛情が伝わっていないだけです。
3-2. 親子関係を見つめ直す
愛着形成の流れは、以下の通りです。
・1歳半まで たった一人の母親と愛着関係
・3歳半まで お母さんを「安全基地」として外の世界を探索しては戻る
・3歳以降 一定期間であれば、母親から離れていても、さほど不安を感じなくなり、
母親以外の人とも適度に信頼して関わりを持てる
・大人 仕事や社会的な活動に打ち込める。自己決定ができる。
このように順を踏んでいかなければなりませんが、途中で親御さんに否定されて
育った場合には自己肯定感が低く愛着生涯となってしまいます。
その場合には、親子関係を見つめ直す必要があります。
その方法の一つが、お子さんの育て直しです。
具体的には、愛情を伝え直すこと、躾をやり直すことです。
それによって、お子さんも自分に自信が持てるようになり不登校も解決します。
4. 中学生の不登校 病院は上手に利用しましょう!
病院と上手に付き合いつつ、お子さんの育て直しをすること。
それこそが、不登校解決への近道です。
不登校のお子さんを持つ親御さんには、是非とも実践して頂きたいと思います。
4-1. 専門医の力を借りつつも、自分の力でできることを!
私が一番最初に心療内科を受診した時の治療内容は、カウンセリングでした。
初老の穏やかなカウンセラーさんから質問されたのは、学校生活に関わることではなく
両親についてでした。
子供の頃から、父との関係は良いものではありませんでした。
躾に厳しく、教育熱心で躾に厳しい父は恐い存在であり、
よく大声で叱られ手を上げられたものでした。
母はそんな光景を前にして、止めに入ることもありませんでした。
カウンセリングには母も同席していましたが、ありのままの気持ちをカウンセラーさんに
話しました。
数日後、家に一人でいる時、父の部屋で一通の手紙を見つけました。
それは母が書いたもので「もう子供たちに手を上げるのはやめてほしい」といった内容でした。
言葉にできない感情で胸がいっぱいになり、私は手紙を元の場所にそっと戻しました。
その後、母から「守ってあげられなくてごめん」と謝られました。
その日を境に、母も父も私にあれこれ言うことはなくなりました。
少しずつですが、母とは以前よりも仲良くなり、
父も不器用なりに私に歩み寄ってくれました。
家で勉強をするから中学には行かない、私の意志も両親は尊重してくれました。
私から親御さんに伝えたいことがあります。
どうか、お子さんの本音を聞いてあげて下さい。
もしも自分に非があるならば、謝ってあげて下さい。
たったそれだけのことで、私は救われました。
今では、あれほど憎んでいた母のことも父のことも大好きです。
4-2. 不登校は必ずしも病気ではありません!
不登校を病気だと決めつけるのは早とちりでしかありません。
しっかりとお子さんとの親子関係を見つめ直した上で、
今自分に何が出来るのか、何が必要なのか考えてみて下さい。
他にも、中学生の不登校でお悩みの親御さんがおられましたら、以下の記事も参考にしてみてください。
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