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【危険】不登校の子供のスマホ没収は逆効果!?理由と正しい対処法について解説

2021.02.24

不登校のお子さんを持つ親御さんの中で、「スマホやゲームを没収すれば学校に行くようになるのでは?」と考えている方も多いのではないでしょうか。

実際には、私たちスダチへの相談でも「不登校の子供からスマホ・ゲームを取り上げたら、より関係が悪化してしまいました」というお声を数多くいただきます。

結論から申し上げると、スマホやゲームをいきなり没収することは非常に危険です。

適切な準備なしに没収を行うと下記のようなことが起こる可能性があります。

・親子関係が完全に破綻する可能性がある
・お子さんが家庭内で暴力的になる場合がある
・不登校がより深刻化してしまう恐れがある

 

この記事では、15年以上にわたって不登校支援を行ってきた経験と、脳科学的な根拠に基づいて、なぜスマホ・ゲームの没収が逆効果になってしまうのか、そして正しい対処法について詳しく解説していきます。

なぜスマホ・ゲームの没収は逆効果になるのか

 正しい親子関係が築けていない状態での没収は関係破綻を招く可能性があるため

スマホやゲームの没収が失敗する最大の理由は、正しい親子関係が構築されていない状態で行ってしまうことにあります。

多くの親御さんは、以下のどちらかの接し方をしているケースが大半です。

【パターンA:厳しすぎる親】

・ダメなことばかり指摘する
・子供を褒めることがほとんどない
・常に批判的な態度を取っている

【パターンB:甘やかしすぎる親】

・子供の要求を何でも受け入れる
・ダメなことをダメと言えない
・子供に舐められている状態

 

正しい親子関係とは、この両極端ではなく、以下の要素がバランス良く保たれている関係です。

・ダメなことはダメと毅然とした態度で伝える

・良いことは良いと心から褒める

・子供から尊敬される存在でありながら、愛情も伝える

 

この正しい関係性が築けていない状態で没収を行うと、以下のような深刻な問題が発生します。

ケース1:厳しすぎる親が没収した場合

普段から厳しくしているだけの親がスマホ・ゲームを没収すると、子供は「この親は自分のことを全く理解してくれない」「もう一生分かり合えない」と感じ、親子関係を完全にシャットアウトしてしまいます。

このような状態になると...

・子供が親との会話を一切拒否する

・部屋に引きこもって出てこなくなる

・学校復帰どころか、家族との関係修復すら困難になる

 

実際の相談事例では、「スマホを取り上げてから3ヶ月間、子供が一言も話してくれない」といった深刻なケースも珍しくありません。

ケース2:甘やかしすぎる親が没収した場合

逆に、普段甘やかしている親が突然没収すると、子供は「今まで何も言わなかったのに、いきなり何だ!」と激しく反発します。

この場合、親を舐めているため、以下のような行動に出る可能性が高くなります。

・家中で暴れまわる

・親や兄弟に暴力・暴言を吐く

・「死んでやる」「自殺する」などの脅しをかける

・家の壁に穴を開けるなどの破壊行動

・近所に聞こえるほどの大声で叫ぶ

そして、大多数の親御さんはこの激しい反発に耐えきれず、結局スマホを返してしまいます。実は、ここでスマホを返すというのが最悪の選択なのです。

なぜなら、子供は「やっぱりこの親は脅せば言うことを聞く」と学習し、今後さらに要求がエスカレートしてしまうからです。

結果的に、没収する前よりも親子関係が悪化し、子供のわがままも悪化してしまいます。

職場の人間関係に例えて考える正しい親子関係

なぜ会社の上司の例がわかりやすいのか

親子関係を理解するために、まず職場の人間関係を思い浮かべてください。

あなたの会社には、以下のようなタイプの上司がいませんか?

【タイプA:ダメ出し上司】

何をやっても文句ばかり言う

部下の良いところを認めない

いつも批判的で威圧的

 

【タイプB:甘々上司】

・何でも「いいよ、いいよ」と許してしまう

・部下がサボっていても注意しない

・責任を取りたがらない

 

【タイプC:理想的な上司】

・普段は厳しく指導するが、良い仕事をした時はしっかり褒める

・部下から尊敬されている

・メリハリのある指導ができる

 

どの上司から褒められると一番嬉しいでしょうか?

おそらくタイプCの上司ですよね。

なぜなら、普段厳しい分、褒められた時の喜びが大きいからです。

逆に、タイプAの上司から褒められても「今度は何を企んでいるのか?」と疑ってしまいますし、タイプBの上司から褒められても「いつものことだから」と特に嬉しいとは感じません。

親子関係も全く同じメカニズム

これは親子関係でも全く同じです。

子供から舐められている親がどんなに褒めても、子供は嬉しいと感じません。

むしろ、「うざい」「うっとうしい」と感じることすらあります。

一方で、普段毅然とした態度を取っている親から褒められると、子供は心の底から嬉しく感じ、「もっと頑張ろう」という気持ちになります。

現在、お子さんとの関係がうまくいっていない親御さんも多いかもしれませんが、安心してください。

今から正しい接し方を意識していけば、必ず関係は改善していきます。

なぜ多くの親が正しい関係を築けないのか

実は、こうした子育ての基本を意識して実践できている親御さんは、日本全国でもほとんどいません。

なぜなら、日本では子育てについて体系的に学ぶ機会がほとんどないからです。

学校教育では勉強や部活動について教わりますが、「親としてどう子供と接するべきか」については誰も教えてくれません。

多くの親御さんは、自分の親の接し方を参考にしたり、本やインターネットで断片的な情報を集めたりして、手探りで子育てをしているのが現状です。

つまり、現在の親子関係がうまくいっていないとしても、それは親御さんのせいではありません。教わっていないのにできないのは当然なのです。

大切なのは、今から正しい方法を学び、実践していくことです。

スマホ・ゲーム問題の正しい解決方法

段階的アプローチの重要性

スマホやゲームの問題を解決するには、以下の段階的なアプローチが必要です。

ステップ1:まず親子関係の改善から始める

いきなりスマホやゲームに手を出すのではなく、まずは日常的な親子関係の改善から始めましょう。

【具体的な改善方法】

・小さな良い行動も見逃さずに褒める 例:「おはよう」と挨拶した、食器を片付けた、など

・感情的にならずに冷静に注意する 例:「○○はダメだからやめて」と具体的に伝える

・子供の話を最後まで聞く姿勢を見せる 例:話を途中で遮ったり、説教を始めたりしない

 

この段階で重要なのは、お子さんが親を信頼し、尊敬できる関係性を築くことです。この関係性ができてこそ、次のステップに進むことができます。

ステップ2:スマホ・ゲーム依存のリスクを科学的に説明する

親子関係が改善してきたら、スマホ・ゲーム依存がもたらすリスクについて、科学的根拠のある情報を基に冷静に説明しましょう。

【説明すべき内容】

・脳への影響: 依存によって前頭前野の機能が低下し、判断力や集中力が下がること

・学習への影響: 長時間の使用により、記憶力や学習意欲が低下すること

・身体への影響: 睡眠不足、眼精疲労、運動不足などの健康被害

・社会性への影響: リアルなコミュニケーション能力の低下

 

この時、感情的に「ゲームばかりやって!」と叱るのではなく、「心配だから一緒に考えたい」という姿勢で臨むことが重要です。

ステップ3:親子での話し合い

お子さんが依存のリスクを理解したら、スマホやゲームとの付き合い方について、親子でじっくりと時間をかけて話し合いましょう。

【話し合いのポイント】

・子供の意見も尊重する

・一方的に決めつけない

・「一緒に解決策を考えよう」という姿勢を示す

・時間をかけて段階的に進める

 

急がず、お子さんのペースに合わせて進めることが成功の鍵です。

ステップ4:家庭ルールの設定

お互いに納得できる形で、家庭でのスマホ・ゲームルールを決めましょう。

【効果的なルール設定のコツ】

・具体的で分かりやすい内容にする 例:「平日は1日2時間まで」「夜9時以降は使わない」

・親も一緒にルールを守る 例:家族団らんの時間は全員スマホをしまう

・ルールを守れた時の褒め方も決めておく

・ルールを破った時の対応も事前に相談して決める

 

重要なのは、罰則ばかりでなく、ルールを守った時の良い結果も明確にすることです。

ステップ5:代替手段の検討

スマホやゲームの時間を減らす分、他に楽しめる活動を一緒に見つけましょう。

【おすすめの代替活動】

親子で一緒にできるもの

・料理やお菓子作り

・散歩やハイキング

・ボードゲームやパズル

・映画鑑賞(家族で感想を話し合う)

 

お子さん一人でもできるもの

・読書(最初は漫画でもOK)

・絵を描く、工作

・楽器の演奏

・日記を書く

・ペットの世話

 

体を動かすもの

・散歩

・ストレッチ

・自転車

・家事の手伝い

 

大切なのは、お子さんが「スマホやゲーム以外にも楽しいことがある」と実感できることです。

部分的な情報での行動がもたらす危険性

多くの親御さんが陥りがちなのが、「ゲームを取り上げれば解決する」という単純な考えです。

これは、車の運転で例えるなら「アクセルとブレーキの使い方だけ知っている状態で首都高速を走る」ようなものです。

確かにアクセルとブレーキの情報は正しいですし、車も動くでしょう。

しかし、それ以外に知らなければならない情報がたくさんあります:

・交通ルール

・標識の意味

・危険予知の方法

・他の車との距離感

・天候による運転の変化

これらを知らずに運転すれば、確実に事故を起こしてしまいます。

スマホ・ゲーム問題も同様で、「没収すれば解決する」という部分的な情報だけで行動するのは非常に危険です。

正しい知識を体系的に学び、段階的に取り組むことが成功への近道なのです。

実際の成功事例

中学2年生 A君のケース

A君は1年間不登校が続き、1日10時間以上ゲームをしている状態でした。

最初、お母さんは「ゲームを取り上げれば学校に行く」と考え、無理やり没収しようとしましたが、A君は激しく反発し、家の壁に穴を開けてしまいました。

その後、私たちの支援を受けて以下の順序で取り組みました。

  1. お母さんの接し方を改善(1ヶ月)
  2. A君との信頼関係を構築(2ヶ月)
  3. ゲーム依存のリスクを説明(1週間)
  4. 親子でルールを話し合い(2週間)
  5. 段階的に時間を制限(1ヶ月)

結果として、6ヶ月後にはゲーム時間が1日2時間以内になり、学校にも復帰することができました。

高校1年生 B子さんのケース

B子さんは中学3年生から不登校になり、スマホで動画を見続ける生活が1年以上続いていました。

お父さんは厳格な性格で、「スマホを没収すべき」と主張していましたが、お母さんの反対で実行できずにいました。

支援開始後、まずお父さんの接し方から改善しました。

  1. お父さんが感情的な対応をやめる(2ヶ月)
  2. B子さんを褒める場面を増やす(1ヶ月)
  3. 家族での会話を増やす(1ヶ月)
  4. スマホの使い方について家族会議(3週間)
  5. 代替活動として料理を一緒に始める(継続中)

現在、B子さんはスマホの時間が大幅に減り、通信制高校で勉強を再開しています。

よくある失敗パターンと対処法

失敗パターン1:感情的になって没収する

失敗例: 「もうゲームばかりで我慢できない!」と感情的になり、突然コンセントを抜いたり、ゲーム機を隠したりする。

なぜ失敗するのか: 感情的な対応は子供も感情的にさせ、冷静な話し合いができなくなる。

正しい対処法: まず自分の感情を落ち着かせてから、冷静に話し合いの時間を設ける。

失敗パターン2:一貫性のない対応

失敗例: ある日は厳しく、ある日は甘く、その日の気分で対応が変わる。

なぜ失敗するのか: 子供が親の一貫性のない態度に不信感を抱く

正しい対処法: 家族で方針を統一し、一貫した対応を心がける。

失敗パターン3:短期間で結果を求める

失敗例: 「1週間で変わるはず」と短期間で結果を求め、変化がないと諦める。

なぜ失敗するのか: 習慣の変化には時間がかかり、無理に急ぐとリバウンドが起きる。

正しい対処法: 長期的な視点を持ち、小さな変化も評価する。

 

【監修者】榊 浩平先生のコメント

ゲームをすると、脳の快感を司る部分(報酬系)が刺激され、楽しい気持ちになります。

しかし、この刺激が過剰に繰り返されると、タバコやお酒、ギャンブルなどと同じように、ゲームに依存してしまう可能性があります。

依存状態にあるお子さんが急にゲームをやめさせられると、イライラや気分の落ち込みなど精神的に不安定になることがあります。

したがって、いきなりゲームを取り上げることは脳科学的にみても危険だといえるでしょう。そこで私は、以下の2点を意識することが重要だと考えています。
・頭ごなしに否定せず、共感的な対話を通して親子の愛着を形成すること
・自分で決めたルールを守ることで、脳の前頭前野が司る自己管理能力を育てていくこと私の研究では、以下のような手続きを取っているので参考にしてみてください。①ゲーム依存がもたらすリスクについて、科学的な根拠がある情報を学び、冷静に伝えましょう。

【まとめ】
②ゲームとの付き合い方について、親子でじっくりと時間をかけて話し合いましょう
③お互いに納得できる形で、家庭のルールを決めましょう(親も一緒にルールを守る、というのも効果的です)
④ゲームの代わりとなる遊びや学びの方法を一緒に考えましょう(例:読書、運動、自然体験、音楽、料理、工作。親子で一緒にできる趣味もおすすめです)それぞれのお子さん、ご家庭の状況に合わせて、柔軟に対応することが大切です。

親子でゲームとの向き合い方を考えてみましょう!

本日は、「不登校の子供からゲームを取り上げてはいけない理由」という内容でお話いたしました。

この記事をお読みいただいているということは、お子さんの不登校を本気で解決したいと思っていらっしゃるはずです。

その気持ちがあれば、不登校を解決させることは可能です

ただし、スマホやゲームの没収は、正しい知識と段階的な方法なしに行うと逆効果になってしまいます。

以下のポイントを忘れずに取り組むようにしてみてください。

【重要なポイント】

1.  いきなりの没収は絶対に避ける

2. まず親子関係の改善から始める

3. 段階的なアプローチを心がける

4. 感情的にならず、科学的根拠に基づいて説明する

5. 長期的な視点を持って取り組む

もし現在、既に没収してしまって関係が悪化している場合でも、諦める必要はありません。

まずはスマホやゲームを返し、親子関係の修復から始めましょう。

やり方が分からず不安だという方は、ぜひ専門家にご相談ください。

各ご家庭の状況に合わせた適切な方法をご提案いたします。

お子さんの将来を信じ、正しい方法で支援していけば、必ず明るい未来が待っています。一人で悩まず、専門家と一緒に歩んでいきましょう。

本記事について、下記の動画でもご紹介しているのでぜひチェックしてみてください。

 


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  • この記事を監修した人
浩平榊󠄀

榊󠄀 浩平(さかき こうへい)

東北大学応用認知神経科学センター助教

2013年、東北大学理学部卒業。2019年、同大学大学院医学系研究科博士課程修了。博士(医学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、東北大学加齢医学研究所助教を経て、2024年4月東北大学応用認知神経科学センター助教となり、現在に至る。

人間の「生きる力」を育てる脳科学的な教育法の開発を目指している。脳計測実験や社会調査で得られた知見をもとに、教育現場での講演、教育委員会の顧問、本の執筆などの活動をしている。現在は「スマホ依存」をテーマに、人類と科学技術が健康的に共生する方法を模索している。

宮城県仙台市教育委員会 「学習意欲」の科学的研究に関するプロジェクト委員、千葉県松戸市教育委員会 アドバイザー、宮城県白石市教育委員会 幼保小架け橋プログラム開発会議委員などを務める。

【著書(共著含む)】
スマホはどこまで脳を壊すか 』(朝日新聞出版
最新脳科学でついに出た結論「本の読み方」で学力は決まる』(青春出版社)
子どもたちに大切なことを脳科学が明かしました』(くもん出版)

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