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「保健室登校では何をするの?」
「保健室登校の状態からどうすれば通常クラスへ復帰できる?」
お子さんが保健室登校になったり、不登校の状態で先生から保健室登校を勧められたりした親御さんは以上のようにお悩みの方もいるでしょう。
この記事では、保健室登校の意味や役割・メリットデメリット・教室復帰のために親ができることを紹介します。
お子さんが教室に通えるようにサポートしたい親御さんはぜひ最後までお読みください。
【平均3週間で不登校解決プログラム】を展開する小川涼太郎監修のもと、お話しする内容は次のとおり。
記事を読むとわかること
- 保健室登校の意味・役割
- 保健室登校と別室登校・放課後登校との違い
- 保健室登校のメリットデメリット
- 保健室登校の子どもに親ができること
スダチでは、不登校のお子さんを平均3週間で登校できる状態までサポートします。
親御さんの声かけの仕方を工夫していただくだけで、お子さんが自ら再登校するようになります。
それだけでなく、何か問題が起こったときでも自分の力で乗り越えられる主体性を身につけていくお子さんが多いです。
お子さんとの接し方や不登校でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください!
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1. 保健室登校とは?
保健室登校とは学校に通っているものの、特定の授業だけ出席してあとは保健室にいたり、学校にいる大半の時間を保健室で過ごしている状態を指します。
学校にはどうにか登校できるけれど、授業に参加したり教室で過ごしたりすることに苦痛を抱える子どもが多いです。
また、教員や家族とはコミュニケーションが取れているにもかかわらず、クラスメイトとの会話が難しいと感じているケースもあります。
1-1. 別室登校・放課後登校との違い
保健室登校と似た言葉に、別室登校と放課後登校が挙げられます。それぞれの違いは以下の通りです。
- 別室登校:保健室ではない教室に登校すること(保健室登校と呼ばれることもある)
- 放課後登校:他の児童・生徒が下校した放課後に登校すること
登校する場所や時間に違いがあるだけで、自分のクラスで過ごすことが難しいことは同じです。
親御さんや教員との関わりの中で、自分のクラスに戻っていく意欲と勇気を育てていく必要があります。
1-2. 保健室登校での過ごし方
保健室登校ではお子さんの状態に合わせて活動内容を決めるのが一般的です。
たとえば、絵を描いて過ごしたり、授業で使っているドリルやプリントを解いたりなどが挙げられます。
何かに集中して取り組むことが難しいお子さんの場合には、給食だけ食べて帰るケースや数時間だけ先生と会話をして帰宅するケースもあります。
学校で過ごすことにあまり抵抗がなく、教室復帰への意欲があるのであれば、少しだけ授業に参加することも可能です。
2. 保健室登校の役割
保健室登校の経験がない人や、身近に保健室登校をしている知り合いがいない人は、保健室登校をする意味がわからないかもしれません。
保健室登校の役割を紹介するので、子どもにとってどのような意味合いがあるのかを確認してみてください。
2-1. 一時的に避難する場所
保健室は、教室に通うのが苦しくなってしまったときの一時的な避難場所です。時間をおくことで気持ちが落ち着けば、教室に戻っていけます。
学校を休んで家で過ごすより子どもにとって罪悪感が少ないです。
また、不登校になる前に一時的に保健室登校をすれば、生活リズムが崩れずに済むので通常クラスへ復帰しやすい状態を保てます。
2-2. 不登校から復学するための準備をする場所
不登校のお子さんにとって教室に行くことは、大きな心理的ハードルがあります。
そのため、保健室登校をして学校の雰囲気や、生活リズムに慣れることを目指すケースも多いです。
しかし、教室復帰のステップに保健室登校があると、逆に子どもの負担が増えることもあります。
保健室登校に馴染むことと、教室に馴染むことの2つの課題を子どもに与えてしまうからです。
そのため、スダチでは不登校から通常クラスへの復帰を目指すのであれば、保健室登校を挟むことはおすすめしておりません。
3. 保健室登校のメリット
保健室登校をするメリットを4つ紹介します。
3-1. 出席として認められる
保健室登校をした日は出席日数としてカウントされます。
出席日数が足りないと進級できないリスクがあるので注意が必要です。
たとえば、義務教育ではない高校においては年間60日以上の出席日数がないと、進級や卒業ができない場合があります。
進級できないと周囲との年齢差によって、より通学しづらい状況に追い込まれてしまうでしょう。
保健室登校で出席日数を確保し、進学できる状態をつくれるのはメリットと言えます。
3-2. 学校の生活リズムを保てる
保健室登校をしていれば学校の生活リズムを保てるため、復学しやすい状態でいられます。
生活リズムが崩れて夜型になってしまうと、そもそも学校に通うことすら難しくなるからです。
不登校になり家で過ごす場合には、とくに用事がないため生活リズムが崩れやすい傾向があります。
「子どもの好きな時間」ではなく、「通常クラスと同じ時間」と決めて保健室登校をしていれば、生活リズムを保つことができるでしょう。
3-3. 学校との接点を維持できる
保健室登校をしていれば学校と接点をもてるので、復帰しやすくなります。
保健室の先生とコミュニケーションが取れますし、担任の先生やクラスメイトが尋ねてきてくれるケースもあるでしょう。
また、親自身も子どもを通して学校との接点をもてるため、相談しやすくなります。
1人で抱え込んでしまうと視野が狭くなり、解決が難しいので学校との接点をもっておくことは重要です。
3-4. 孤立を防げる
保健室登校をしていると学校内での関わりが生まれるため、孤立を防げます。
孤立している感覚は学校への行きづらさに直結するものです。
少数でも良いので「自分の味方になってくれる人がいる」と感じられることは、子どもにとって大きな力になります。
4. 保健室登校のデメリット
保健室登校をする3つのデメリットを紹介します。
4-1. 再登校が遠のく場合がある
不登校になってから保健室登校を挟むと、保健室登校の仕様に慣れてしまい、通常クラスへの復帰が難しくなることがあります。
保健室登校をすることと、通常クラスに登校することの2つの課題が生じるためです。
同時に2つの課題に向き合わなければならず、子どもが負担や混乱を感じる可能性があります。
子どもを迷わせてしまうよりは、最初から通常クラスへの復帰を目指す方が効率的です。
また、保健室登校では絵を描くなど自分の好きな活動をして過ごせますが、通常クラスではそうはいきません。
もちろん、子どもが自分の好きな活動ができる時間は大切です。
しかし、好きな活動だけをさせていても子どもの主体性や社会性は育ちません。
子どもの主体性や社会性は通常クラスに通うために必要であり、将来、社会に出たときにも求められます。
ある程度は強制される環境が必要なのです。
その環境の中で自分を律する力を身につけることで、子どもは環境に適応して生きていけるようになります。
単に通常クラスに戻ることを考えるだけでなく、子どもが自分で問題に対処できるようになることを目指していきましょう。
4-2. 人目が気になってしまう
保健室に行くまでの廊下などで他の児童・生徒とすれ違うこともあるため、人目が気になってしまうお子さんもいます。
何も言われなくとも「なんで教室に来ないんだろう」といった疑問を肌で感じ、学校に居心地の悪さを感じるのです。
とは言え、人目はストレスになることもありますが「気にしなくて済むように教室に戻りたい」という意欲に変わることもあります。
「子どもの負担を極力減らしてあげたい」と思うかもしれませんが、なんの負担もなく復学できるわけではありません。
本当に大事なのは、子ども自身が人目が気になるなどのストレスを跳ね除ける強さを身につけることです。
そうでなければ、少しでもストレスがかかるとお子さんはまたすぐに逃げ出してしまうでしょう。
復学のために必要な負担と捉えて、それを取り除くのではなく、子どもが自分で乗り越えるサポートをすることを心がけてください。
4-3. 不甲斐なさを感じる
「自分はみんなと比べてダメだ」などと、できない自分に不甲斐なさを感じる可能性があります。
保健室登校ではクラスメイトなどの他の子どもの存在を意識してしまうからです。
しかし、不甲斐なさをバネに復学への意欲が高まることもあります。
「できない=自分はダメだ」と考えるのではなく「ならできるようにしよう」と考えられるようにすれば良いのです。
子どもが「親や教員は自分の味方だ」と実感できれば、困難に立ち向かう意欲も生まれてきます。
寄り添う姿勢を保ちつつも、子どもの自立を促していきましょう。
5. 子どもが保健室登校になったとき親にできること
子どもが保健室登校になったとき、親にできることを紹介します。
お子さんの復学を目指したいなら、子どもとの関わり方を変えていくことが重要です。
子どもとの関わり方をどう変えたらいいのか見ていきましょう。
5-1. スダチなどの不登校を支援する機関へ相談する
まずは1人で悩まずに専門機関の力を借りましょう。専門機関には、不登校のお子さんへの関わり方のノウハウがあるからです。
さまざまな不登校のお子さんを再登校に導いてきた実績がある機関ならば、不登校解決に向けて必要なステップを提示してくれるでしょう。
ちなみにスダチでは【平均3週間で不登校解決プログラム】を展開しており、実際に不登校のお子さんを再登校に導いています。
親子関係を一から見直し、お子さんの自己肯定感や問題解決能力を引き出すことを重視しています。
無料相談も受け付けています。1対1のオンライン相談で顔出しも不要です。お子さんの復学を目指している方はぜひ現状のお子さんの様子をお聞かせください。
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5-2. すぐに理由を追求しない
通常クラスに行けない・行きたくない理由は、追求しないようにしましょう。
そもそも親子間での信頼関係が築かれていなければ、子どもは本当のことを言ってくれません。また、子ども自身がどうして行きたくないのか理解していないケースもあります。
子どもの立場からすると、行きたくない理由を求められるのは「学校に行けない子どもはダメ」と言われている感覚です。
子どもの自己肯定感を下げてしまい、よりいっそう復学が難しくなってしまいます。
今お子さんに必要なのは、教室に行けるか行けないかにかかわらず、自分のそばにいて味方になってくれる人です。
寄り添ってサポートしてくれる親御さんがいれば「親がついていれば大丈夫」と感じ、復学へ意欲をもてるようになります。
5-3. 子どもの自己肯定感を高める
子どもの自己肯定感を高める働きかけを意識しましょう。
不登校や保健室登校の子どもは「自分はみんなと同じようにできない」という劣等感を抱えているからです。
劣等感が火種になり努力を始めるタイプの子どももいますが、すでに不登校や保健室登校になっている子はこういったタイプではありません。
自己肯定感を育てて自信をもって問題に対処できるようにサポートが必要です。たくさん褒めて愛情をストレートに伝え、自己肯定感を高めてあげましょう。
5-4. 正しい親子関係を築く
褒めることは自己肯定感を育てるのに役立ちますが、ただ肯定しているだけでは、子どもは親を信頼しません。
「そんなの嘘だ」と感じるお世辞を言ってくる人を信じられないのと同じです。
子どもが間違ったことをしたときには、きちんと間違いを教えてあげてください。指摘するときには子どもの存在を受け入れていることが伝わるようにしましょう。
「それはダメ」などと否定する言葉だけをかけると、子ども自身、自分が否定されているかのように感じてしまいます。
「それはこうした方がもっと良くなるよ」「こういうことをするのは間違っているよ」などと、子どもをサポートするために間違いを教えてあげるニュアンスで伝えましょう。
ただし、この時に毅然とした態度で伝えることを大切にしてください。自信のない様子だと、子どもが親のことを下に見て聞き入れないこともあるからです。
正しく褒め、間違いは毅然とした態度で教えてあげて正しい親子関係を築いていきましょう。
5-5. 次のステップを提示する
正しい親子関係を築けたら、復学してほしいことを伝えて一緒に取り組めるようにします。いきなり復学するのが難しそうな場合には、段階を踏むのも1つの方法です。
授業でクラスメイトが使ってるプリントやドリルに取り組む、給食は教室でみんなと一緒に食べるなどできることを探してみましょう。
1つずつ課題をクリアすることで自己肯定感も高まり、自分で進んでいく意欲も抱きやすくなります。
お子さんが通常クラスへ登校できなくなったきっかけは、さまざまな要因が複雑に絡み合っている場合が多いです。
以下の記事では、不登校のお子さんの心境と傾向を7つのタイプに分けて解説しています。
お子さんが今どのような気持ちを抱えているのか探る際の参考にしていただけたら幸いです。
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6. お子さんが保健室登校の親御さんが抱えがちな不安・疑問
保健室登校のお子さんをもつ親御さんが抱えがちな、不安や疑問を紹介します。
6-1. 保健室登校の割合は?
財団法人日本学校保健会が行った調査によると、保健室登校をしている子どもの割合は以下の通りです。
- 小学校:37.1%
- 中学校:58.1%
- 高校:44.4%
思春期に入る中学校がもっとも多い結果になっています。
6-2. 保健室登校はわがまま?
保健室登校は単なるわがままではなく、子どもなりの理由があってなっています。
子ども自身がうまく説明できなかったり、親には話したくないと思っていたりして、理由がよくわからないケースが多いです。
理由を言わない子どもを見ていると、ただのわがままに見えるかもしれませんが、実際はそうではありません。子ども自身もどうしたらいいかわからないだけなのです。
子どもが自分の言葉で説明できるように、正しい親子関係を築いてサポートしていきましょう。
不登校の根本的な原因は、次の記事でも解説しているため合わせてご確認ください。
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7. まとめ
保健室登校は孤立や生活リズムの乱れを防げる反面、通常クラスへの復帰が遅くなってしまうリスクもあります。
ただ、不登校でも保健室登校でもやることは同じです。子どもを正しく褒めてダメなことはダメだと教え、適切な親子関係を築いて子どもの自立を促しましょう。
子どもとの関わり方を改善する際には、専門機関に相談することをおすすめします。1人では自分の振る舞いが子どもの目にどう映っているのかが、わかりづらいものです。
不登校の子ども支援をしている専門機関に、具体的にどう子どもと関わっていくべきかを相談してみてください。
ちなみに、スダチでは「親子関係」「子どもの自己肯定感を育てること」に焦点を当てて、支援を実施しています。
子どもへの愛情を伝えるにはどうしたらいいのか、なぜ今うまくいっていないのかをお伝えします。
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