お子さんが不登校になったとき、多くのご家庭でお子さんへの対応方法に悩まれるかもしれません。
小学生のお子さんが不登校になると、「親はどう対応すればいいのか」「学校とはどう連携すればいいのか」と悩む方は多いでしょう。
特に小学生は、自分の気持ちをうまく言葉にできないことも多く、親御さんが対応に迷いやすい時期です。
不登校への対応では、焦って登校を促すよりも、子どもの状態を見ながら家庭・学校・支援先が役割を整理することが大切です。
この記事では、不登校の小学生に親が最初にやるべきこと、家庭でできる対応、学校との連携方法、相談先の選び方をわかりやすく解説します。
不登校支援に関する知見をもとに、親御さんが家庭で実践しやすい対応や、学校との連携方法をわかりやすく整理しました。
この記事を読むとわかること
目次
1. 不登校の小学生に親が最初にやるべきこと
お子さんが不登校になるのは、決して親御さんのせいではありません。
親御さんの対応やサポートの仕方は、お子さんの回復や再登校につながることがあります。
学校に行けなくなったお子さんを真っ先にサポートできるのは、お子さんの一番側にいる親御さんだからです。
お子さんにとっても、最も信頼できる存在は親御さんのはずです。
親御さんが積極的に次の対応をしていくことで、不登校の解決に向け前進できます。
- お子さんから話を聴く
- 担任・学校へ相談する
- 支援先を探して相談してみる
見守る支援が必要なケースもありますが、学校復帰を目指す場合には、家庭や学校が連携しながら段階的なサポートを行うことも重要とされています。
ご家庭とお子さんで、この先どうしていくかをよく話して方針を定め、方針に合った対応をとっていきましょう。
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2. 不登校の小学生への対応で大切な考え方【学校復帰を急がせない】
ここからは、親御さんがサポーターとして、お子さんに対応するときのポイントをお話します。
まず、お子さんには学校復帰を押し付けないことが大切です。
登校の強要、不登校を恥ずかしいと思わせる言葉をかけるのは避けた方が良いです。
- 学校に行きなさい
- 学校に行けないなんて、信じられない
お子さん自身、不登校になった事実にショックを受けていて、不安や焦りを大きく感じています。
無理に学校復帰を目的とした対応をしてしまうと逆に不登校が長期化する恐れがあります。
- もし失敗したとき、再挑戦のハードルが上がってしまう
- 学校復帰だけが不登校対応ではない
学校に復帰できても「すべて解決した」というわけではありません。
学校復帰できたお子さんや保護者に後悔や不安が残っているケースもあります。
不登校を経験した子どもの後悔・不安
- 不登校になってから人間関係にずっと不安を持っている
- 学校復帰できたけれど勉強面で劣等感を感じているし、不登校は仕方なかったけれど後悔している
- 人ともっと向き合ったり、話したりする経験をしておけばよかった
保護者の後悔・不安
- 子どもは対人関係が上手く築けていないように見える。将来自立できるのか不安
- なんとか学校復帰し、その後進学しましたが今も友人はいないことが心配
学校に復帰することだけに注力した不登校の対応は、不登校の長期化・将来の後悔につながってしまうケースがあります。
お子さんが不登校となった根本的な課題にアプローチして対応していくことが大切です。
根本的な課題を解決していくと、お子さんの自己肯定感が育っていき、お子さん自らが不登校を乗り越えるようになります。
学校復帰を押し付けるのではなく、学校へ行きたくなる対応に取り組みましょう。
学校復帰を急がせるのではなく、お子さんが安心して前に進める関わり方を続けることが大切です。
3.不登校の小学生に親ができる7つの対応
不登校の小学生に対して、親ができることはたくさんあります。
ただし大切なのは、焦って学校に戻そうとすることではありません。
お子さんの状態に合わせて、安心できる環境を整えながら、少しずつ前に進めるよう支えることです。
小学生はまだ自分の気持ちをうまく言葉にできないことも多く、親の関わり方がそのまま安心感につながりやすい時期でもあります。
だからこそ、日々の接し方や家庭での関わりがとても重要です。
ここでは、不登校の小学生に対して親が家庭で実践しやすい対応を7つ紹介します。
すべてを一度に完璧にやろうとする必要はありません。今のお子さんに合いそうなものから、少しずつ取り入れてみてください。
3-1. 子どもの自己肯定感を高める
不登校の小学生への対応でまず大切なのは、お子さんの自己肯定感を支えることです。
不登校の状態にあるお子さんは、学校に行けていないことに引け目を感じたり、「自分はダメなんじゃないか」と自信を失っていたりすることがあります。
そんなときに必要なのは、結果を責めることではなく、「今できていること」に目を向けることです。
たとえば、朝起きられた、顔を洗えた、家族と話せた、少し外に出られた、といった小さなことでも構いません。
できたことを見つけて言葉にして伝えることで、お子さんは少しずつ「自分にもできることがある」と感じやすくなります。
褒めるときは、才能や結果よりも、行動や過程に注目するのがポイントです。
「えらいね」だけで終わるよりも、「自分で起きられたね」「今日は昨日より長く机に向かえたね」と具体的に伝える方が、お子さん自身も成長を実感しやすくなります。
自己肯定感は、すぐに大きく変わるものではありません。
ですが、日々の小さな積み重ねが、お子さんの安心感や前向きさにつながっていきます。
3-2. 正しい親子関係を築く
不登校になると、親も不安になり、ついお子さんの顔色をうかがってしまうことがあります。
もちろん、お子さんを思う気持ちはとても大切です。
ですが、何でも言うことを聞いたり、機嫌を損ねないように過度に合わせたりすると、親子関係のバランスが崩れてしまうことがあります。
小学生のお子さんには、安心して甘えられる関係と、良いこと・悪いことの線引きが両方必要です。
優しく寄り添うことと、何でも許すことは同じではありません。
たとえば、困っている気持ちは受け止めつつも、暴言や家族を傷つける行動があったときには「それはしてはいけないことだよ」と落ち着いて伝えることも大切です。
親子関係が安定していると、お子さんは「自分は見守られている」「必要なときは支えてもらえる」と感じやすくなります。
逆に、親がいつも不安そうだったり、子どもの言動に振り回されていたりすると、お子さんも心を落ち着けにくくなります。
小学生の不登校では、まず家庭を安心できる場所にすることが大切です。
そのためにも、親は必要以上に恐れすぎず、味方でありながらも落ち着いて軸を持って接することを意識してみてください。
3-3. 考える時間を与える
親としては、「どうしたいの?」「これからどうするの?」と早く答えを出してほしくなるかもしれません。
しかし、不登校の小学生は、自分でも気持ちが整理できていないことが少なくありません。
そんなときに親が先回りして全部決めてしまうと、お子さんは自分で考える機会を失ってしまいます。
もちろん、小学生なので大人のように一人で判断するのは難しいです。
ですが、小さなことでも「自分で選ぶ」「自分で考える」経験は大切です。
たとえば、「今日は午前と午後どちらに勉強する?」「家の中と外、どちらで過ごしたい?」など、答えやすい形で選択肢を出してみるのも一つの方法です。
親が全部決めるのではなく、考える余白を残してあげることで、お子さんは少しずつ「自分のことは自分で考えていいんだ」と感じられるようになります。
不登校の対応は、今すぐ正解を出すことよりも、お子さんが安心して考えられる状態を整えることが大切です。
焦って結論を出させようとせず、答えが出ない時間も含めて見守る姿勢を持つことが、お子さんの自立や回復につながっていきます。
3-4. 今まで通り接する
不登校になると、親もどう接してよいかわからなくなり、「何か特別な対応をしなければ」と考えがちです。
ですが、小学生のお子さんにとっては、必要以上に腫れものに触るような接し方をされることが、かえって負担になることもあります。
大切なのは、不登校になったことをなかったことにすることでも、深刻に扱いすぎることでもありません。
「おはよう」と声をかける、食事の時間に一緒に過ごす、家族としていつも通り話すといった、日常のやり取りを続けることが、お子さんにとって大きな安心材料になります。
特別扱いしすぎると、お子さん自身が「自分は普通じゃないのかもしれない」と感じてしまうことがあります。
反対に、何もなかったように無理に振る舞わせるのもつらさにつながります。
そのため、不登校という事実は受け止めつつも、日々の関わりはできるだけ自然に保つことが大切です。
家庭の中にいつも通りの空気があることは、お子さんにとって「ここは安心していていい場所なんだ」と感じられる土台になります。
3-5. 学校以外の選択肢を考える
不登校になると、「学校に行かないと将来が不安」「今すぐ戻らないと遅れてしまうのでは」と考える親御さんは多いでしょう。
もちろん、学習や人とのつながりは大切です。ですが、それらは必ずしも学校だけで得られるものとは限りません。
たとえば、家庭学習や家庭教師、通信教材、地域の習い事、フリースクールなど、学校以外にも学びや交流の場はあります。
学校に通えていない時期でも、お子さんに合った方法で生活のリズムや学びをつないでいくことは可能です。
特に小学生の場合は、「学校に戻ること」だけを唯一の正解にしてしまうと、お子さんも親も視野が狭くなってしまうことがあります。
一度立ち止まって、「今のこの子にとって無理のない選択肢は何か」を考えることが大切です。
3-6. 学校や自宅のほかに居場所を作る
不登校が続くと、お子さんの生活が「家の中だけ」に閉じやすくなります。
家が安心できる場所であることは大切ですが、それだけだと家族以外との関わりが減り、世界が狭く感じられることもあります。
そこで意識したいのが、学校や自宅以外にも「安心して過ごせる場所」を持つことです。
それは必ずしも大きな施設でなくても構いません。
習い事、地域の居場所、少人数の活動、図書館、支援センター、フリースクールなど、お子さんが比較的負担なく行ける場所があれば十分です。
大事なのは、「学校に行けなくても、自分には行ける場所や会える人がいる」と感じられることです。
そうした体験は、お子さんの孤立感をやわらげ、自信や安心感につながることがあります。
ただし、学校以外の居場所づくりを考えるときは、今後の学び方や学校との関わり方もあわせて検討することが大切です。
3-7. 公的な支援施設やサポート団体を利用する
不登校の対応を家庭だけで抱え込むのは、とても大変です。
親が一生懸命考えても、これで合っているのか不安になったり、学校とのやり取りに疲れてしまったりすることもあるでしょう。
そんなときは、公的な支援施設や民間のサポート団体を活用することも大切です。
教育相談センター、教育支援センター、子ども家庭支援センター、児童相談所など、地域には相談できる窓口があります。
学校以外の立場から話を聞いてもらえることで、親の気持ちが整理されたり、新しい視点を得られたりすることがあります。
また、民間の支援団体やフリースクールなどは、それぞれ支援方針が異なります。
再登校を目指す支援、居場所づくりを重視する支援、学習支援を中心に行う支援など様々なので、お子さんの状態やご家庭の希望に合うものを選ぶことが大切です。
4. 学校・教師の不登校対応と家庭との連携
不登校を解決できるかは、親御さんの対応次第です。
そう言われると「学校は何もしてくれないの?」「学校の支援対応はいらないの?」と思われるかもしれません。
学校側の対応も、もちろん必要です。
学校の不登校対応の方針、サポートの取り組みは次のとおりです。
- 文部科学省の方針「学校復帰がゴールではない」
- 教師・学校側の不登校支援【学校・家庭の連携・協力が必須】
- 不登校経験者の声も活かした支援
4-1. 文部科学省の定める不登校支援の在り方
文部科学省が2019年(令和元年)10月に通知した文章により、文部科学省の不登校支援の方針は次のようになりました。
不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。
引用元:文部科学省 「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
つまり、学校に戻ることがゴールではないということです。
この方針により、学校や教師はお子さんを積極的に学校復帰させるような対応はしないケースが多いです。
4-2. 教師・学校側の不登校支援【学校・家庭の連携・協力が対応には必須】
文部科学省は不登校への理解を示しつつも、次のリスクに懸念を示しています。
児童生徒によっては,不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で,学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在する
引用元:文部科学省 「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
不登校のまま自立できないのは、親御さんとしても困るものです。
不登校児童に対して文部科学省は、自立につながる支援が重要だと記しています。
児童生徒が不登校となった要因を的確に把握し,学校関係者や家庭,必要に応じて関係機関が情報共有し,組織的・計画的な,個々の児童生徒に応じたきめ細やかな支援策を策定することや,社会的自立へ向けて進路の選択肢を広げる支援をすることが重要
引用元:文部科学省 「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
教師・学校が行う不登校対応をまとめると、次のとおりです。
ポイント
- グループで計画的に行う
(学校や教育支援センターなど関係機関を中心に) - 不登校のきっかけ・続く理由を把握する
(担任・養護教論・スクールカウンセラーが児童・保護者と話し合う) - お子さんに合う支援を決めて取り組む
ただ、学校側の不登校支援では、お子さんに関わるすべての大人の連携・協力が必要です。
以下の状況などで、学校や教師がうまく対応できないこともあります。
- 親御さんやお子さんが学校側に不信感がある
- 教師や学校が不登校解決に積極的ではない
親御さんやお子さんと学校の関係に溝があると、学校側の不登校対応は機能しません。
また、親御さんから積極的な支援の要望がないときには、学校や教師は見守るだけの対応となる場合が多いです。
見守るだけの不登校対応が不安であれば、学校とは別の支援先に相談するといいでしょう。
学校とは別の支援方法を学べるため、お子さんに合うアプローチを選べます。
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4-3. 不登校の経験者の声も活かされた支援内容
学校側の不登校対応は、担任が1人で行うものではありません。
- 担任教師
- 養護教論
- スクールカウンセラー
- 教育センター
立場の異なる人たちが、組織的に関わっています。
このように、不登校支援が組織的に行われる背景には、過去に不登校だったお子さんたちの声があるのです。
文部科学省が平成23年度に行った「不登校に関する実態調査」では、中学校3年生の時点で不登校だった人を追跡調査しています。
調査により、不登校のときに「どんな支援を求めていたのか?」が明らかになりました。

当時、中学校3年生で不登校だったお子さんたちが「求めていた支援」は、次のとおりです。
- 心の悩み
- 気持ちの表現や人付き合い
- 学校の勉強
- 友人・仲間と過ごせる居場所
- 進学
特に不登校のお子さんは、メンタルや人間関係についての手助けを必要としています。
このような調査により、スクールカウンセラーの配置も増加しました。
学校側の不登校対応には、かつて不登校だった人たちの経験が活かされているのです。
4-4. 不登校への対応・支援で教師に求められる役割とスキル
不登校のお子さんを支えるために、教師には次のようなスキルや役割が求められます。
- お子さんの気持ちに寄り添い、じっくりと話を聞くこと
- 保護者と頻繁にコミュニケーションを取り、状況を共有すること
- 不登校の支援が受けられる機関やサービスを調べ、お子さんや家庭に提案すること
また、クラス全体の運営を行いながら、一人ひとりのお子さんに注意を払い、個別に対応する力も欠かせません。
ここまで見てきたように、学校は「登校を急がせる」のではなく、お子さんの状態に合わせた支援を行うことが基本です。
続いて、実際に学校で行われることが多い対応例を紹介します。
5. 学校・教師が行う具体的な対応例
続いて、不登校のお子さんの再登校に向けて学校が取り組んでいることが多い対応を紹介します。参考にしてください。
5-1. 家庭訪問
不登校の生徒を支援する際は、信頼関係の構築が重要です。
登校をただ待つのではなく、積極的にコミュニケーションを図る工夫が求められます。
そこで、家庭訪問を実施する学校が多いです。学校やクラスの様子を伝えることで、お子さんに学校生活をイメージさせ、教師と直接話すことで安心感を与えます。
直接会えない場合は、手紙を残す場合もあります。
その際、教師の思いや次回訪問の意図を伝えることで、少しずつ信頼関係を深めていく方針をとります。
5-2. 日中を避けた登校
不登校のお子さんが「学校に行きたい」という気持ちを示した場合、その思いを大切にしながら段階的に教室復帰をサポートすることが大切です。
まずは、他の生徒とは時間をずらして登校できるように配慮し、徐々に教室に慣れてもらいます。
その後、部分的な参加を経て、無理のない形で完全復帰を目指します。
ただし、復学だけが支援のゴールではありません。
お子さんの状況によっては、学校外の支援機関と連携し、柔軟に対応することも重要です。
5-3. 別室登校
最初から教室への復帰を目指すのではなく、まずは保健室や図書館など、安心して過ごせる別の場所に通えるようにする対応です。
その後、お子さんのペースに合わせて、少しずつ教室に戻る準備を進めます。
ただし、無理強いはせず、お子さんの気持ちや自主性を尊重した対応が何より大切です。
また、学校からは別室登校を進められるかもしれませんが、再登校を果たすときには、別室登校を挟まずに、教室へ戻った方がスムーズな場合もあります。
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5-4. 友だちとの交流
不登校のお子さんが再び学校に通えるようになるためには、友だちとの交流の回復が重要なステップとなります。
学校としては、お子さんの心理的負担を軽減しつつ、自然な形で友だちとのつながりを再構築する工夫が求められます。
大勢のクラスメイトとの交流は、不登校のお子さんにとって大きなハードルとなる場合があります。
まずは、信頼できる友だち1~2人と一緒に過ごせる機会を作ってくれることが多いでしょう。
例えば、以下のような取り組みが有効といえます。
- 放課後や昼休みに少人数でのゲームや手作業など、お子さんが興味を持てる活動の時間を設ける
- 学習サポートの一環として、友だちと協力して宿題を進める場を設ける
5-5. 親子で再登校までのスケジュールを検討してみる
不登校のお子さんが再登校を目指す際、親御さんと一緒にスケジュールを検討することは重要なプロセスです。
家庭の理解や協力を得ることで、お子さんが無理なく再登校できる環境を整えられます。
まずは、お子さんの現状を学校と親御さんで共有し、再登校の目標を明確にします。
このとき、お子さんの体調、気持ちの状態、家庭での過ごし方をヒアリングし、学校側の観察結果と照らし合わせることが大切です。
また、「週に1回短時間だけ登校する」や「特定の科目だけ参加する」など、無理のない目標を設定してくれることが多いです。
6. 小学生の不登校の現状
不登校の小学生に対応するうえでは、小学生に多い背景や現状を知っておくことが大切です。
6-1. 不登校の定義について
文部科学省では、不登校を次のように定義しています。
- 何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者 (ただし、「病気」や「経済的理由」、「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除く。)
実際には、1日だけ休んだ後にすぐ登校できるお子さんは少なく、休みが長引いたり、断続的に登校する「五月雨登校」になったりするケースがほとんどです。そのため、「学校に行きたくない」と感じた時点で、不登校の状態にあると考えられます。
引用:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査-用語の解説」
6-2. 不登校の人数と増加傾向
ここでは、不登校のお子さんの数や推移など不登校の現状を見ていきます。
まずは、小学生の不登校の現状を把握するために、文部科学省の調査結果を見てみましょう。
参考として中学校・高校の人数も併記します。
| 種別 | 不登校の人数 | 欠席が50日以上 | 欠席が90日以上 | 出席が10日以下 | 出席0日 |
| 小学校 | 130,370人 | 91,730人 | 57,611人 | 9,957人 | 3,351人 |
| 中学校 | 216,112人 | 177,326人 | 132,781人 | 26,311人 | 7,380人 |
| 高校 | 68,770人 | 29,410人 | 10,804人 | 1,965人 | 558人 |
次に、近年における不登校になっているお子さんの数の推移をグラフで紹介します。
【小学校・中学校における不登校の人数の推移】

【高校における不登校の人数の推移】

過去5年間の推移を見ると、小学生、中学生の不登校のお子さんの数に至っては、右肩上がりで増えていることがわかります。
高校生の人数も、令和3年頃から増加傾向が見られる状況です。
上記のグラフが示すように、不登校は誰にでも起こりえる身近な問題だと言えるでしょう。
参照・参考:文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」
6-3. 小学生の不登校の背景と心理
不登校のお子さんの心理的状況や背景には7つの要因が見られることがあります。
それぞれの要因を順番に詳しく解説します。
スダチの支援では、背景や要因はきっかけと考えており、どのきっかけのお子さんにも当てはまる根本的な課題にアプローチしています。
そのため支援では、お子さんの不登校の要因を7つに分類したりはしておりません。
6-3-1. 母子分離不安
母子分離不安型のお子さんは、親御さんと離れることに強い不安を感じやすく、親御さんがそばにいると安心して集団生活に参加できることがあります。
また、愛情を求めながらも自信を失いがちで、失敗を恐れる傾向も見られます。
こうしたお子さんを支えるには、「どんなときでも愛されている」と伝え、挑戦を後押しする環境を整えることが重要です。
お子さんの行動にいつも目を向けて、努力の過程を褒めることで自己肯定感を高めていくことが効果的です。
他にもお子さんが自らの力で挑戦し、そして失敗しながらも乗り越える経験を与えてあげましょう。
6-3-2. 情緒混乱型(外向タイプ)
情緒混乱型(外向タイプ)のお子さんは、完璧主義的な一面を持ち、調子が良いときは頑張りすぎる反面、気力を失うと何も手につかなくなることがあります。
また、プライドが高く、失敗やトラブルを隠したり他人のせいにすることもあるでしょう。
この傾向が見られるときには、お子さんのプライドを尊重しながら「失敗は成功への一歩」とポジティブに伝えることが大切です。努力を評価し、「一緒に解決しよう」という姿勢で問題に向き合い、どんなときも「大切な存在」であることを伝え、安心感を与えましょう。
6-3-3. 情緒混乱型(内向タイプ)
情緒混乱型内向タイプのお子さんは、登校時に体調不良を訴えたり、登校できない自分を責めたりする傾向があります。
真面目で完璧主義な性格のため、過去の自分とのギャップに苦しむこともあります。不登校の原因を親に話さず、助けを求めない場合も多いです。
このようなお子さんを支えるときにも、自己肯定感を育てることが重要です。
「どんなときも味方でいる」と伝え、つらい気持ちを受け入れ、ポジティブな考え方ができるようにサポートしましょう。
また、これまでの努力や成長を認めて褒めることで、前向きな気持ちを引き出します。
6-3-4. 無気力型(回避タイプ)
無気力型回避タイプのお子さんは、ストレスに弱く、嫌な状況から逃げる傾向があります。ゲームやスマホに没頭し、嫌なことを考えないように過ごすことも多いです。
サポートする際は、まず生活習慣を整えることが重要です。その上で、ストレスの原因を一緒に俯瞰し、少しずつ立ち向かう力を育てましょう。
成功体験を積ませ、自信を持たせることが大切です。また、どんなときも味方であることを伝え、気持ちを受け止めた上で前向きな考え方ができるよう働きかけることが効果的です。
6-3-5. 無気力型(長期化タイプ)
無気力型長期化タイプのお子さんは、不登校が長期化し、現状を受け入れて学校に行かなくても良いと考える傾向があります。
ゲームなどで現実逃避し、自分の状況に目を向けないことも多いです。
サポートする際は、愛情を伝えつつ、「ダメなことはダメ」と毅然とした態度で接することが大切です。
親子の立場が逆転しないように注意し、生活習慣を整えることも必要です。
また、問題をポジティブに考え、乗り越える意欲を持てるよう声かけを行い、支えられている安心感を与えましょう。
6-3-6. 神経性障害を伴うタイプ
神経性障害を伴うお子さんは、情緒混乱が激しく、摂食障害や潔癖症、記憶障害などを発症する場合があります。
繊細でこだわりが強い傾向も見られることがあります。
明垢に投薬が必要な症状のときには、まずは専門のクリニックで適切な治療を受けることが重要です。また、努力を認めて自己肯定感を高める声かけを心がけましょう。
「失敗しても大丈夫」「どんなときも愛されている」と伝え、前向きな気持ちを引き出すことが大切です。
6-3-7. 発達障害を伴うタイプ
発達障害を持つお子さんは、ASD、ADHD、LDなどの診断を受け、発達の偏りや行動の特徴から自信を失うことが多いです。
他人の気持ちを理解しにくく、友だちとのトラブルも起きやすい状況かもしれません。
不登校解決に向けて、不登校の支援先だけでなく療育などの特性に合ったサポートを行うことが重要です。適切な支援は、お子さんの生活の負担を軽減し、社会との関わりをスムーズにします。
また、努力の過程を褒めて自己肯定感を育て、「愛されている」と感じさせることで前向きな姿勢を引き出します。お子さんが興味を持ったことには存分に挑戦させ、成長の機会を与えることも大切です。
不登校の背景と心理的状況の特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
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7. 不登校の小学生はどんな対応を求めている?
学校に行くことが、不登校の解決ではありません。
お子さん自身が問題と向き合って、自分で解決しようと動くことで、本当の意味での不登校解決といえます。
不登校になったお子さんの気持ちはどんなものなのでしょうか?
7-1. 不登校になったばかりのときの気持ち
不登校になったばかりのお子さんは、何かしらの問題を抱えていて、心の元気を使い果たしている状態です。
また、自己肯定感も喪失した状態です。
心身ともに疲れ果てている状態なので、休息を必要としています。
疲れ切り、自己肯定感も極限の状態では学校復帰など考えられるはずもありません。
親御さんとしての対応としては、以下のようなものが求められています。
- 家が安心して休める場所であると伝える
- ゆっくりとした時間を過ごさせてあげる
まずはお子さんをゆっくりと休ませてあげましょう。
7-2. 心身の状態が落ち着いてきたときの気持ち
心身の状態が落ち着いてくると、お子さんの気持ちも前向きになっていきます。
「不登校を乗り越えたい。自分も何かしたい、何かしなければ」と考えるようになります。
この時、お子さんはサポートを求めています。不登校をお子さんと一緒に乗り越えるために、以下のようなサポートをしてあげましょう。
- 心の悩みについて相談に乗る、相談できる環境を作る
- 自分の気持ちの表現方法、人とうまくつきあうための方法を指導する
- 人間関係での苦手意識をなくすために、友人を作る・仲間と過ごせる場所に行く
- 学校の勉強についての不安を聞き、手助けする
まずはお子さんの言葉に耳を傾けて、何を求めているか聞きましょう。
そして問題解決の手助けをしてあげることが大切です。
8. 不登校の相談先・支援制度
ここでは、公的・民間機関による不登校支援制度の種類と活動について解説します。
8-1. 民間の支援団体
不登校のお子さんを支える際には、民間の専門機関を利用するのも一つの選択肢です。
例えば、民間の支援団体には、以下のようなものがあります。
- 不登校支援センター
- 各種フリースクール
- スダチ
これらの団体は、それぞれ支援方針が異なるため、お子さんやご家庭に合ったサポートを選ぶことが大切です。
再登校を目指す支援や、カウンセリングを通じて心の負担を軽くする支援、お子さんに安心できる居場所を提供する支援など、目的に応じて選べます。
「スダチ」では、家庭での関わり方を見直しながら、お子さんの状態に合わせた支援を行っています。
再登校を目指す支援だけでなく、親御さんが今どのように関わればよいかを整理したい場合にも相談しやすい支援先の一つです。
8-2. 公的支援は不登校支援マニュアルに基づいた活動
一部の教育委員会では、不登校への対応方法をまとめたマニュアルを作成し、公開しています。
東京都町田市教育委員会や東京都教育委員会、和歌山県教育委員会などが代表例です。
これらのマニュアルでは、不登校の未然防止策や早期段階での支援方法、長期化した場合の対応など、状況に応じた具体的な支援手順がわかりやすく示されています。
8-3. 補助金
地方自治体によっては、フリースクールの利用料を補助していることもあります。
下表に、フリースクールの利用料に関する補助金・助成金制度の代表例をまとめました。
| 制度名 | 対象者 | 補助金額 |
| 東京都フリースクール等利用者支援事業 | 都内在住の不登校の小・中学生の保護者 ※このほか、都が定める要件を満たしている必要 |
小・中学生1人につき 月額最大2万円
※フリースクール等の利用料 |
| 鎌倉市フリースクール等利用児童生徒支援補助金 | 次の1から7のすべてに当てはまる方
1. 市内在住の児童生徒の保護者 |
月ごとのフリースクール利用料等の3分の1の額(上限1万円) |
参照・参考:東京都「利用者向け 東京都フリースクール等利用者支援事業を開始 フリースクール等の利用料を助成します!」
鎌倉市「鎌倉市フリースクール等利用児童生徒支援補助金」
9. 小学生の不登校対応で特に大切なポイント
ここまで、不登校の小学生に共通する対応を紹介してきました。
そのうえで、小学生の不登校では特に「親子関係(家庭環境)を整えること」が重要です。
小学生はまだ家庭の影響を受けやすく、家が安心できる場所かどうかが心の安定につながりやすい時期でもあります。
ここでは、小学生の不登校対応で特に意識したいポイントを解説します。
9-1. 【小学生】親子関係(家庭環境)を整える
お子さんが小学生なら、まずは親子関係(家庭環境)の改善がおすすめです。
文部科学省の調査において小学生は中学生・高校生と比べ、親子関係のもつれで不登校になりやすいとされています。

とくに、低学年ほど母子分離不安を起こしやすく、不登校へと発展しがちです。
次の2つを意識して伝えると、お子さんは精神的にも安定します。
- いつも気にかけていること
- 味方であること
お子さんが小学生で不登校なら、親子関係(家庭環境)を整え、家を安心できる場所にしていきましょう。
「家が安らげる場所」と思えるようになると、お子さんは自然に元気を取り戻します。
小学校低学年が感じやすい「不安」についてわかります
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10. 【体験談】スダチのサポートで学んだ不登校の子どもへの正しい対応
ここでは、スダチの【不登校解決支援サービス】を受け、不登校を解決した3人の親御さんの声をご紹介します。
10-1. 1人目:子どもへの「甘やかし」を反省した親御さん
10-2. 2人目:「親としての毅然とした態度」と「自己肯定感」を身につけた親御さん
11. 不登校の対応に関する質問
ここでは不登校のお子さんへの対応について、よくある質問をまとめました。
11-1. 不登校の子供に対してどのような対応をすればいい?
不登校への対応では、お子さん一人に任せるのではなく、親が状況に合わせて支えていくことが大切です。
特に小学生の場合は、安心できる家庭環境や、親からの落ち着いた関わりが心の安定につながりやすいと考えられます。
焦って結果を求めるのではなく、今のお子さんの状態に合った形で支えていくことを意識してみてください。
11-2. 小学生の不登校でやってはいけない対応はありますか?
あります。
たとえば、無理に学校復帰を急がせること、感情的に責めること、親が先回りして何でも決めてしまうことは、お子さんの不安を強める場合があります。
小学生はまだ気持ちをうまく言葉にできないことも多いため、まずは安心できる環境を整え、今の状態に合った関わり方を続けることが大切です。
11-3. 小学生の不登校で学校にはどのように相談すればいいですか?
まずは担任の先生に、お子さんの今の様子や家庭で困っていることを具体的に伝えると相談しやすくなります。
たとえば、「朝になると腹痛を訴える」「家では元気だが学校の話になると黙る」など、家庭で見えている事実を共有すると、学校側も支援を考えやすくなります。
必要に応じて、養護教諭やスクールカウンセラー、教育支援センターなどにつないでもらうことも検討しましょう。
12. まとめ
不登校の対応では、親御さんの関わり方が大きな影響を与えることがあります。
学校側も支援を行いますが、家庭・学校・支援機関が連携しながら、お子さんに合った関わり方を考えることが大切です。
学校復帰を急がせるのではなく、今の状態に合った支え方を重ねていくことが、結果として次の一歩につながることがあります。
お子さんが無気力な様子のときの対応方法は以下をご確認ください。
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