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「子どもが学校を休むようになったけれど、これは不登校なの?」
「不登校やひきこもり、登校拒否はどのように違うの?」
お子さんが学校に行かなくなってしまった時、「うちの子は不登校なのだろうか?」と不安に思ってしまうものです。
不登校は文部科学省がしっかりと定義していますので、当てはまる場合は不登校となります。
【平均3週間で不登校解決プログラム】を展開する小川涼太郎監修のもと、お話しする内容は次のとおり。
記事を読むとわかること
- 不登校の定義
- ひきこもり、登校拒否との違い
- 不登校の現状
- 不登校になる5つの原因
- 子どもが不登校になったときに親が出来ること
不登校に悩んでいる親御さんの支えになれば幸いです。
不登校が長期化すると学校復帰しにくくなったり、ひきこもりのリスクが高くなります。
早期解決できるよう、親御さんがすべきことをまとめました。
スダチでは、不登校になったお子さんを平均3週間で再登校に導いています。
子どもが学校に行けなくなって悩んでいる親御さんは、ぜひ一度ご相談ください!
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1. 不登校の定義は30日以上の欠席が続く状態
不登校は「学校に行かなくなってから1年で30日以上の欠席をしている」状態の事を言います。お子さんが学校を休み始めた日から今日までの欠席を数えて、30日以上欠席している場合は不登校となります。
これらは、文部科学省が定義しています。
1-1. 文部科学省が定義する「不登校」の基準は年間欠席30日以上
文部科学省が定義する「不登校」は、以下の通りです。
「不登児校童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。
- 年間欠席が30日以上経過している
- 断続的、継続的な欠席
- その理由が怪我や入院、経済的理由ではない
この3点が成り立っていると、不登校と認識されます。
連続で30日ではなく、最初に休み始めた日から合計をカウントしますので、たまに学校に行ける日があっても、欠席が30日以上ある場合は不登校と定義されます。
1-2. 不登校と登校拒否との違い
不登校と登校拒否は、実は同じ意味です。
学校「に行きたい!」という登校の意志を持ちながら、精神的な理由で腹痛・頭痛・不安などの症状が出て学校に行けない状態を1970年頃まで「登校拒否」と呼んでいました。
1999年に文部科学省が、学校に行けない児童を全て「不登校」と定義したため、登校拒否から不登校と呼び名が変わったのです。
つまり、登校拒否も不登校も同じ意味なので、違いはありません。
1-3. 不登校とひきこもりの違い
不登校とひきこもりの違いについて解説します。
ひきこもりの定義については、文部科学省が以下の様に定義しています。
様々な要因の結果として社会的参加(就学、就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)
引用:文部科学省「ひきこもりの定義など」
- 家から出ない状態が続いている
- 家族以外との交流がない
- 6ヶ月以上家にいる
この状態が続いてしまうと、ひきこもりと定義されてしまいます。
こちらの記事では、不登校の原因を文部科学省の実態調査から徹底解説しています。ご参考にしてください。
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ひきこもりになってしまう原因については、次の記事でお話ししています。
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2. 不登校の現状を文部科学省の調査をもとに解説
令和2年の文部科学省のデータによると、小中学生の不登校生徒は196,127人を超えており、大きな問題となっています。
参考:文部科学省「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
ここでは、不登校の現状を解説していきます。
2-1. 不登校になっている子どもの割合
不登校になっている子どもの割合は、以下の通りです。
- 小学生:1%
- 中学生:4%
- 高校生:1.4%
参考:文部科学省「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
中学生の不登校が圧倒的に多いことがわかりますよね。
8年前のデータと比較すると、中学生の不登校は2倍以上です。年々増加傾向にあります。
2-2. 不登校の子どもの中で90日以上欠席者の割合
不登校の子供の中で、90日以上欠席している人の割合は以下の通りです。
- 小学生:43.8%
- 中学生:60.3%
- 高校生:19.6%
参考:文部科学省「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」
このデータから分かるように、不登校になっている子どもの多くが90日以上欠席していることがわかります。
特に、小学生、中学生の場合は半数以上がほとんど学校に通えていないのが現状です。
2-3. 中学生のクラスに1人は不登校
小中学生の不登校率から考えると、中学生のクラスに1名は不登校を経験していることになり、さほど珍しいものではありません。
しかし、不登校になってしまうと学校復帰まで時間がかかってしまい、長期化するリスクがあります。
もし、お子さんに不登校の予兆があるのであれば、親御さんが早期に対処して、早期解決できるように動くことが大切です。
2-4. 不登校になった時の学校側の対応
お子さんが不登校になったとき、学校側は積極的に学校復帰を勧めません。
文部科学省の基本姿勢は「学校復帰」ではないからです。学校に無理に復帰させるのではなく、最終的に社会で自立できるような支援を基本姿勢としています。
つまり、お子さんが不登校になってしまっても、学校側は親身にはなってくれません。
親御さんが積極的にお子さんと向き合って、学校復帰できるようにサポートする必要があるのです。
3. 不登校になる5つのきっかけ【不登校の定義である年間30日以上欠席してしまう理由】
不登校になる理由はひとつではありません。
お子さんが学校に行きたくないと思うのは、様々なきっかけが絡み合っており、ひとつに絞ることができません。
しかし、ひとつだけ言えることがあります。
お子さんが不登校になってしまう根本的な原因は、親御さんからの愛情がお子さんへのうまく行き届いていない可能性があることです。
親御さんは、お子さんにたくさんの愛情を注ぎ育児なさっていることと存じます。しかし時に、お子さんが愛情をうまく受け取れていないとき、お子さんの自己肯定感が低下し、不登校につながる場合もあります。
ここでは、お子さんが不登校になってしまうきっかけを5つご紹介します。
不登校の前兆で、学校に行きたくないと言いだす瞬間があります。その根本的な理由はこちらの記事で解説しています。
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3-1. 人間関係・いじめ
不登校の大きな要因になるのが、人間関係です。
お子さんは1日のほとんどを学校で過ごしているため、学校で正しい人間関係が築けていないとストレスを感じやすくなります。
- クラスで気の合う友人がいない
- 担任の先生と折り合いが合わない
- 人と話すことがあまり得意ではない
このような状態が続いていると、学校を居心地が悪い場所だと感じてしまいます。
また、いじめが原因になることもあります。
学校で受けたいじめをきっかけに不登校になってしまうケースも少なくありません。また、学校も積極的にいじめを認めてくれなかったり、いじめ解決には動いてくれなかったりする場合もあるので、お子さんは学校を欠席して自分を守るようになります。
人間関係がうまくいかなかったり、いじめなどが起きてしまうとどうしても自己肯定感が下がりやすくなってしまうので、不登校に繋がりやすいです。
いじめがきっかけとなり不登校になってしまう子どもに対する対処法はこちらの記事で紹介しています。
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3-2. 無気力になってしまう
自己肯定感が下がっていると、「私は何をやってもどうせうまくできない」とあらゆることへの興味がなくなってしまって、無気力になってしまうことがあります。
- 何かをするにもやる気が出ない
- 学校に行く意味が見出せなくて通学の気力がない
- やりがいがない
毎日学校に通うこと、宿題をして、お風呂に入って早く寝ること。
これらはすべて大きなエネルギーがないと行えません。
無気力になってしまっているお子さんは、何をするにも億劫になっている状態です。自己肯定感が下がっているので、自分が学校に行ったところで…とネガティブになっている可能性もあります。
学校に行く気力がない状態は、不登校の要因のひとつです。
3-3. 不安が大きい子
学校に対して大きな不安を抱えていると、身体に不調が出てしまって学校に通えないというケースがあります。
- 不安が大きく、腹痛などの症状を訴える
- 頭痛などの症状で学校を休む
というような症状があります。
学校や親の期待に応えようと必死に努力している子に多く、ストレスや心身の疲れによって不安が大きくなってしまいます。
学校に通えないことにも大きな不安を抱えてしまうので、早めの対策が必要です。
3-4. 遊び・非行によるもの
学校に通うことの価値を見出せないと、遊びや非行に走って不登校になることもあります。
- 毎日友人と遅くまでゲームしていて朝起きられない
- 悪い友人と付き合って学校に行きたくなくなる
最近ではゲームだけでなくSNSにのめりこんでしまう子どもも多く、勉強や学校に対しての意識が低いと不登校になりやすいです。
非行の原因や解決策については、次の記事でお話ししているので参考にしていただけると幸いです。
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3-5. 家庭環境によるもの
家庭環境が原因で、子どもが不登校になるケースがあります。
- 父と母の仲が良くない
- 親子関係が上手く築けていない
このような家庭環境が続くと、お子さんは大きな不安を抱えてしまいます。
本来安心できるはずの家が、くつろげる場所でなければストレスも多くなりますし、心が不安定になってしまいます。
また、以下が当てはまるときにも不登校のきっかけとなる場合があります。
- お子さんに対し過干渉である
- お子さんをあまり気にせず放置している、無関心
- 生活リズムが乱れている
不登校になりやすい家庭環境については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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4. 子どもが不登校になってしまったとき親御さんができること
ここでは、子どもが不登校になってしまった時に親御さんが出来ることを紹介します。
4-1. スダチなどの専門機関に相談する
親御さんひとりで悩まずに、スダチなどの専門機関に相談しましょう。
学校は学校復帰に積極的に協力はしてくれません。そのため親御さんが積極的に行動することが重要です。
スダチでは、不登校になったお子さんを平均3週間で再登校に導いています。
日々お子さんの様子をヒアリングさせていただき、その時のお子さんに合った接し方や声かけをサポートしています。
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4-2. 正しい親子関係を築いて「会話」をする
不登校のお子さんがどんなことに困っているのか、会話することが大切です。
しかし、お子さんはすぐには親御さんに話しをしません。
それは、正しい親子関係を築いていないからです。
正しい親子関係を築き、信頼関係がなければ、お子さんと「会話」をすることはできません。
正しい親子関係を築くためには、4つを意識しましょう。
- どんなときでも愛情を注いであげる
- 結果ではなく、お子さんが行動したことの過程を褒める
- 子供の意見を尊重する
- 正しいことは褒めて、ダメなことはダメと教える
不登校であるお子さんのつらい気持ちを受け入れて認め、どんなときでも愛していることを伝えましょう。
しかし、お子さんの言いなりになるのではなくて、ダメなことはダメとはっきりと教え、毅然とした態度を取ることで、お子さんからの信頼を得ることができます。
正しい親子関係を築き、信頼されている親から褒められるからこそ、自己肯定感は育ちます。
4-3. 子どもの自己肯定感を育てるように行動する
不登校のお子さんは、自己肯定感が下がり切っている状態です。
「学校に行かなければ」と思っているのは、お子さんが一番強く思っているのです。
だからこそ、日々のお子さんのチャレンジを見守って、たくさん褒めてあげましょう。
結果ではなく、過程を褒めることが大切です。
正しい親子関係を築いていれば、お子さんの自己肯定感はより一層高まっていきます。
4-4. 生活習慣を整える
お子さんが学校復帰するときのことを考えると、生活習慣を整えることは大切です。
どうせ明日も学校を休むから…と夜更かしさせてはいけません。
再登校の問題になるのは以下の3つです。
- 生活リズム
- 学習面の遅れ
- 体力不足
生活リズムが乱れていると、いざ学校に行こうとした時に朝起きられなくて登校を断念することになりかねません。また、学習の遅れや体力不足なども、再登校の妨げになるので、生活リズムを整えながら調整していきましょう。
もし、お子さんがひきこもり気味なら、一緒にウォーキングをするなど外に連れ出すのもおすすめです。
4-5. 子どもがポジティブになる会話を心がける
不登校のお子さんは、どうしても思考がネガティブになってしまいます。
他者と比べて自分を下げて考えてしまうなど、ネガティブになってしまったら、親御さんがポジティブになる声掛けをしてあげましょう。
「他人と比べて、どうなるの?」
「私はそんなあなたを愛していることに変わりはないよ!」
というような声掛けをしてあげると、お子さんは物事をさまざまな角度から捉えられるようになり、自己肯定感も上がります。
ネガティブなお子さんに対する声掛けは、こちらの動画で詳しく解説しています。
5. 不登校の定義についてのよくある質問
不登校の定義について、よくある質問について回答していきます。
5-1. 学校を何日休んだら不登校ですか?
文部科学省が定義しているのは「1年で30日以上欠席したもの」です。
ただし、病気や怪我、経済的な理由はその内に含まれていないので、健康で学校に通える状態でありながら、学校に通うことが出来ず1年で30日以上欠席している場合、不登校と呼ばれます。
5-2. 不登校の定義は30日以上の欠席だと知りました。なぜですか?法律ですか?
文部科学省が定義しています。法律ではありませんが、国が定義しています。
文部科学省の定義については以下のようになっています。
「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
5-3. 長期欠席と不登校の違いは何ですか?
怪我や入院など学校に通うことが出来ない理由がある場合は「長期欠席」と呼ばれています。この場合は欠席が30日を越えても不登校とは呼びません。
不登校は、怪我や入院・経済的な理由なしに30日以上学校を休むことをいいます。
5-4. 不登校気味の定義は?
「不登校気味」とは、学校に行ったり、学校を休んだりを繰り返している状態の事を指します。
- 学校に行ったり、行かなかったりするときがある
- 午後だけ学校に行くなど、部分的に登校している
こういった状態が続いていたら、不登校気味と言います。
「まだ不登校ではないから…」と思わず、お子さんにしっかりと寄り添って、どうして学校に行きたくないのかと話し合いましょう。
最初は週に1度だけ休んでいたのが、だんだんと欠席が増えていき、不登校に繋がってしまいます。
5-5. 不登校の「欠席30日」はいつから数えるの?
文部科学省の定義では、「断続的・継続的な欠席が30日以上」とされているので、基本は原因がない状態で、初めて休んだ日を1日目と数えます。
4月に1日欠席、5月に5日欠席であれば、欠席を6日と数えます。
5-6. 高校生の不登校は何日まで休める?
文部科学省では、「高校の進級には年間授業日数の3分の2以上の出席」と定義されています。登校日数から計算すると、60~70日以上の欠席があると、進級は難しいです。
不登校になってしまうと進級が難しくなってしまうため、不登校の早期解決が大切です。
6. まとめ
今回は、不登校の定義について詳しく解説しました。
- 不登校は30日以上の欠席が続いている状態
- 不登校の根本原因は親子関係によるもの
- 学校は再登校に積極的ではない
- スダチのような専門機関に相談し、早期解決が重要
不登校の子どもは、学校に通わなくてはと強いプレッシャーを感じています。
焦らずに、正しい親子関係を築くことを意識しながら、再登校へ導くことが重要です。
スダチでは、不登校になったお子さんを平均3週間で再登校に導いています。
親御さんとお子さんの状況を確認し、正しい親子関係を築くためのアドバイスをさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
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