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「学校でいじめを受けた子どもが不登校になり、最近はひきこもりがちになってしまった」
「できればひきこもりを解決して学校へ通わせてあげたいが、子どもを苦しめてしまうのではないか」
お子さんがいじめられ、ひきこもりになってしまったとき、現状の問題を解決したいものの、何をどうしたらいいのかわからず親御さんも戸惑っていらっしゃることと存じます。
ひきこもりの解決を促したいものの、つらい経験をしたお子さんの負担になるのではという心配も感じておられることでしょう。
ひきこもりや不登校の根本解決を促していくことは、お子さんが今抱えているつらい気持ちを解決していくことにつながるので大切です。
お子さんがつらい気持ちを乗り越えて、不登校につながった根本原因を解決することで再登校を目指していくことができます。
平均3週間で再登校に導くサービスを提供する小川涼太郎監修のもと、お話しする内容は次のとおりです。
記事を読むとわかること
- いじめとひきこもりの関係性
- いじめが子どもに与える影響
- いじめの苦しみから抜け出すのが難しい理由
- いじめによるひきこもりの解決方法
つらい気持ちを抱えるお子さんを支える際の参考になりましたら幸いです。
スダチでは、いじめを機に不登校になったお子さんも再登校に導いてきた実績があります。
問題の根本解決にアプローチするため、再登校を果たしたお子さんはいじめてきた子どもに対して、堂々と毅然とした態度で接することができるようになり、今では主体的に学校を楽しんでおられます。
スダチの支援では、お子さんの現状を毎日お聞きし、その時にお子さんが必要としている親御さんの接し方や声かけをお伝えしています。
お子さんにとって最も身近であり、毎日長い時間を一緒に過ごす親御さんを介した支援となるので、お子さんの様子が日々変化し、平均3週間で再登校を果たしています。
2023年11月時点で700名以上のお子さんを再登校に導いてきました。
現状のお子さんのご状況や親御さんが抱えるお悩みをオンライン無料相談で一度お伺いできましたら幸いです。相談は、1対1で顔出しも不要です。
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1.いじめはひきこもりになる原因の1つ
ひきこもりについて公的機関の窓口で相談している人のうち、8割が人間関係の問題を抱えているというデータがあります。
いじめの問題もこの8割に含まれており、いじめがひきこもりと深い関係にあるのがわかります。
また、厚生労働省が15〜39歳を対象にした調査によると、全国で推計54.1万人がひきこもりであるというデータが出ています。
これら2つのデータを組み合わせて考えると、43万人以上(54万人の8割)がいじめを含む、人間関係の問題でひきこもりになっていることになります。
ただ、この数値はお子さんだけを対象としたデータではなく、正確な数値ではありません。あくまで参考程度にとどめていただけたら幸いです。
参考:厚生労働省「令和 3 年度生活困窮者自立支援制度人材養成研修 ひきこもりの実態と社会的背景・要因の理解」
また、文部科学省の資料によると、令和3年度に認知されたいじめの件数は小学校〜高校で61万件を超えています。
残念ながら、いじめは決して珍しいことではなく、多くのお子さんがいじめにより苦しんでいるのが現状です。
いじめを苦にして不登校やひきこもりになるお子さんも少なくありません。
非常に残念なデータではありますが、それだけ同じ境遇にある親子が多くおり、その分だけ手を差し伸べる支援機関も多くあることを知っていただけると幸いです。
参考:文部科学省「いじめの状況及び文部科学省の取組について」
2.いじめによる後遺症とひきこもりの関係性
いじめを受けたことで日常生活に支障が出ることがあり、これをいじめ後遺症と呼びます。
いじめ後遺症の影響でひきこもりになるお子さんもいます。いじめ後遺症の症状が出ているケースでは、症状とひきこもりの2つの対処が必要です。
通常よりも解決まで時間がかかるケースも多く、例えば、躁うつ病などの場合は医療機関等の力も借りながら投薬治療が必要な場合もあります。
いじめによる後遺症により明らかなメンタル疾患が見られる場合には、医療機関を受診して投薬治療したうえで、不登校やひきこもりの専門機関への相談も検討しましょう。
2-1.PTSD
PTSDは、つらい体験を何度もリアルに思い出すフラッシュバックが起きる症状です。
つらい経験を再体験するたびに苦しくなり、ストレスが溜まってしまいます。腹痛や冷や汗などの症状が出ることもあります。
人への不信感が募ってしまい、新しく人間関係を築くのが難しくなるケースもあるため、側で支えてあげる親御さんの存在がお子さんにとって大きな力になります。
2-2.コミュニケーション障害
コミュニケーション障害は、対人恐怖や不信感によってコミュニケーションがうまくできなくなる症状です。
いじめられた経験から人を信頼することが難しくなり、日常生活のコミュニケーションで人と関わるのを避けてしまうことも。
また、悪気のない言葉に深く傷ついてしまうなどの症状も見られます。
お子さんが堂々と周囲の人に関われるよう、頑張りを褒めてあげるなどしてお子さんの自己肯定感を育ててあげることが大切です。
2-3.不安障害
不安障害は強い不安から身体的な症状が出てしまう障害です。
- 過度な飲酒や暴食
- ギャンブル依存
- 動悸や吐き気
- めまい
- 過呼吸
- 摂食障害
- 自傷行為
これらの症状が出ることで、健康状態が悪くなって精神的にも不安定になりやすく悪循環になってしまいます。
また、「突然症状が出たらどうしよう」という不安から外出が難しくなることがあるため、親御さんが一緒に外出してあげるなどの対処が有効です。
2-4.うつや無気力
いじめられたことでストレスが溜まり、気分が落ちて、興味関心を失ってしまうお子さんもいます。
学校に行く意欲もなくなってしまい、ひきこもってしまいます。
うつや無気力によるひきこもりへの対処法については、次の記事でお話ししているのでこちらを参考になさってください。
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3.いじめが子どもの心に与える影響
3-1.自分の価値を低く見る癖がついてしまう
いじめられた状況を正当化しようとし、「自分がダメなんだ」という自己否定に陥ることがあります。
自分の価値を低く見てしまうが故に、「ダメな自分は頑張っても無駄だ」という考えになりやすいです。
自己肯定感が下がり切った状態のとき、お子さんは「人にどう思われているのか」と人目が気になってしまいひきこもりの原因になります。
お子さんが自己否定してしまわないように、親御さんにとって大切な存在であることを言葉で伝えてあげることが大切です。
3-2.人を信じることが難しくなる
いじめられた経験から、他の人との交流においても「何かされるのではないか」という不安が常に心にあり、人を信じることが難しくなります。
親しく接してくれる人がいても、「何か裏があるのではないか」と感じてしまい、自分から距離を置いてしまうこともあります。
人を信じられず、人と距離を置くためにひきこもりなってしまうのです。
親御さんは、お子さんが経験したつらい気持ちを受け入れて認めてあげたり、お子さんがさまざまな角度から物事を考えられるよう促してあげることが大切です。
自分の気持ちを受け入れて認めてくれる親の存在を感じられると、人間関係を築くための気持ちの土台ができあがります。
また、さまざまな角度から物事を考えられるようになると、
- 世の中にはいじめをするような自分とは合わない人がどこにでもいる
- それは自分が悪いのではなく相手の考えと全く合わないだけ
- いじめてくるような人ばかりではなく信頼できる人もたくさんいる
と、捉えられるようになり人を信頼する気持ちも芽生えてくるでしょう。
3-3.何度も思い出してその度にストレスを感じる
いじめられた経験は記憶に残りやすく、何度も思い出しては、当時のつらさを再体験し、そのたびにストレスが積み重なっていきます。
いじめられなくなっても、いじめられている感覚が抜けきらず、「やっぱり人は信頼できない」と考えてしまいます。
お子さんの頑張りに目を向けて褒めてあげて、信じられる人もいること、合わない人と無理に付き合う必要がないことを親御さんが教えてあげることが大切です。
4.子どもがいじめられたときひきこもりを抜け出すのが難しい理由
4-1.苦しみを手放すことが今までの自分を否定するように感じるから
いじめによって苦しんだ時間が長いほど、苦しみを手放すのが難しくなります。
苦しみを手放すと、今まで苦しんできた時間や自分が無駄になるように感じるからです。
親御さんがお子さんのつらい気持ちを受け入れてあげることで、お子さんはいじめられた経験を否定せず、糧にして前に進んでいけるようになります。
また、「どんな状況でもあなたは大切であり、元気に笑ってほしい」と言葉で伝えてあげることで、お子さんはより安心できます。
4-2.いじめの経験が守ってくれる側面があるから
いじめによって人を信じられなくなり、人との関わりを避けるようになると、対人関係で嫌な思いをすることが減ります。
お子さんが「周囲と関わりを避けること=自分を守ること」と感じるようになり、いじめで苦しんだ気持ちを手放すのが難しくなります。
自分を守ることは生存本能にも関わるため、一度癖づくと根深く残ってしまうことも多いです。
しかし、人との関わりを避け続けていると、新しい関係性を築くことができなくなり、コミュニケーションスキルも育ちません。
短期的には良くても、長期的に見ていくとお子さんにとってマイナスになってしまうのです。
一人で過ごしてゆっくりと休む時間も大切ですが、親御さんが働きかけて徐々に人との関わりを増やしていくことも大切です。
まずは正しい親子関係を築き、お子さんが親御さんとの関わりの中で安心できるようにしてあげることで、信頼できる人もいることを示していきましょう。
4-3.学校以外の場所で気持ちを立て直せない
家庭や地域のコミュニティなど、学校以外に安心感を得られる場所がないといじめから立ち直るのが難しくなります。
いじめはお子さんを傷つけるもので、決して許されるものではありません。
しかし、学校以外の場所で安らぎを得られ、自己肯定感を高く保てるお子さんは、いじめられてもひきこもりにならずに済み、立ち直りが早いのも事実です。
お子さんの自己肯定感を高めるには、自分の意見を堂々と表明したり、自分で決断して行動したりできる環境を整えてあげることが大切です。
どんな時もしっかりと目を見てお子さんの話を聞き、お子さんの頑張りを褒めてあげて、親子関係がお子さんにとって安らげるものにしていきましょう。
5.いじめによる不登校やひきこもりを解決する方法
5-1.無理に再登校を促さず子どものつらい気持ちを受け入れてあげる
最終的に再登校を目指すのは素晴らしいことですが、お子さんが落ち込んでいるときに再登校を促しても反発を生んでしまいます。
お子さんはつらい気持ちでいっぱいで、自分ではどうしたらいいのかわからず困っている状況です。
まずは親御さんがお子さんのつらい気持ちを受け入れて、家庭を安心できる場所にしてあげることが大切です。
見守るだけでは伝わらないので、
- 「つらい思いをしながら学校へ通って頑張っていたのは本当にすごいことだよ」
- 「あなたがどんな状況のときでも大切な存在だから一緒に前へ進めるように支えるからね」
などと言葉で伝えてあげましょう。
家庭では自分を否定されることがなく安心できるとわかると、家庭で過ごす時間がお子さんの心の傷を癒す時間になります。
安心して過ごして、元気を取り戻すとお子さんが自分から前進し始めます。
「学校に行かなくてもいいと思ってしまうのでは」と心配なさらず、お子さんを受け入れてあげることに集中しましょう。
ただ「学校へ行かなくて良い」という言葉をかけてしまうと、お子さんは「もう学校へ行かなくていいんだ」と思ってしまうため、そこだけ注意しましょう。
5-2.親子ともに不登校・ひきこもりの支援機関やカウンセリング等を活用する
いじめで深く傷ついてしまったお子さんのひきこもりは、ご家庭だけでは解決が難しいケースもあります。
支援機関、カウンセリング等も活用しながら、親御さんが余裕を持ってお子さんを支えられるようにすることが大切です。
専門機関は学校に行けなくなってしまったお子さんの心理を熟知しているため、適切なアドバイスを受けられます。
お子さんとの接し方について悩んでいることを相談することで、状況を客観的に見られるようになり、味方がいることを実感できます。
スダチでは、不登校、ひきこもりを根本解決するための支援を提供しています。スダチの支援はお子さんへ直接提供せず、親御さんを介して提供するのが特徴です。
お子さんの様子を毎日お伺いし、その時のお子さんの状況に合わせて適切な接し方、声かけをフィードバックしています。
お子さんにとって最も身近で信頼できる親御さんからの接し方が変わるだけで、お子さんの様子が日々変化していきます。
自己肯定感がどんどん育ち、お子さんが主体的に再登校するのも特徴です。
親子の信頼関係を育みながら、ひきこもりを解決していきたい場合には、ぜひ一度現状の問題をオンライン無料相談からお聞かせください。
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その他、不登校やひきこもりについて相談できるカウンセリングについては、次の記事でもお話ししています。
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5-3.頑張りを褒めて間違いを毅然とした態度で教えてあげる
お子さんが頑張っていることに目を向けて、たくさん褒めてあげましょう。
結果ではなく頑張りに注目することで、お子さんは「親は自分のことをいつもよく見ていてくれる」と感じて安心します。
時には頭を撫でてあげるなど、スキンシップも活用するとよりお子さんに伝わりやすくなります。
また、褒めるだけでなくお子さんが間違ったことをした時には、毅然とした態度で教えてあげてください。
自分を認めて褒めてくれる親御さんから、間違いを教えてもらうことで、お子さんは「親は本当に自分のために言ってくれているんだ」と感じて、自分の間違いを受け入れられます。
間違いを教えてもらうと、お子さんは何が正しいことなのかがわかり、学校や社会に出てからも自信を持って行動できます。
正しいことを教えてくれる親御さんを信頼し、信頼している親御さんから褒めてもらうことで、お子さんはどんどんと自信をつけていきます。
自信がつくと「自分になら解決できる」という気持ちが芽生え、いじめやひきこもりの問題について、どうしたらいいか自分で考え始めます。
お子さんが自分で問題を解決していけるように、お子さんを受け入れて褒めてあげながら、時に厳しく何が正しいのかを教えてあげましょう。
次の記事ではお子さんがいじめられてしまった時に、親御さんが取るべき行動についてお話ししています。
お子さんの気持ちを守るためにも、ぜひ知っておいていただければ幸いです。
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6.いじめとひきこもりについてよくある質問
6-1.いじめによるうつ病の症状は?
うつ病の主な症状は以下の通りです。
- 気分の落ち込み、意欲の低下
- 倦怠感
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
そのほか、朝に調子が悪く夕方にかけて徐々に調子が良くなるなどの症状が見られることもあります。
うつ病の診断は医師にしかできないため、上記の症状がお子さんに見られる場合には、心療内科や精神科の受診も検討しましょう。
6-2.いじめによるPTSDはどんな症状が出ますか?
いじめによるPTSDでは、いじめられている時のことを体の感覚なども鮮明に思い出すフラッシュバックという症状が出ます。
胸が苦しくなったり冷や汗をかいたりなどの、身体症状が出ることもあります。
その他、人に対する不信感や無力感が見られ、人との接触を回避するケースが多いです。
6-3.ひきこもりの主な原因はなんですか?
いじめや発達障害、学業不振などひきこもりのきっかけとなることは多いです。
しかし、スダチが支援してきた事例を見ていると、親子関係や家庭環境の改善により解決するケースも多いのも事実です。
お子さんがどんなきっかけでひきこもりになっているかに関わらず、親子関係や家庭環境を見直すことで、解決できる可能性があります。
ひきこもりの原因や脱出するために親御さんができることについては、次の記事を参考にしていただけると幸いです。
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7.まとめ
いじめにより深く傷ついている場合、ひきこもりから脱出するのに時間がかかるケースも多いです。
また、ひきこもる時間が長くなればなるほど、抜け出すのが難しくなるため、早めの対処が大切です。
お子さんはつらい気持ちでいっぱいで、自分では身動きができないことが多いため、親御さんが積極的に関わるようにしてあげてください。
ひきこもりの支援方法として見守りが推奨されていますが、スダチが支援してきたケースを見ても、見守りは逆効果であるのが実情です。
お子さんを大切に思っている気持ちや褒め言葉は、きちんと言葉にして伝えてあげましょう。
そうすることでお子さんは「親は自分の味方だ」と安心し、親御さんとの関わりで自己肯定感が高まり、ひきこもりから脱出しようと進み始めます。
スダチでは、親子関係を改善することでお子さんの自己肯定感を高め、主体的に楽しんで学校に通えるようサポートしています。
親御さんからお子さんの様子を日々ヒアリングし、関わり方のアドバイスをするのが特徴です。
直接的に介入しないため、親御さん自身がお子さんを支える方法を学ぶことができ、親子二人三脚で進んでいけるようになります。
お子さんが今必要としている声かけを知りたい場合には、無料オンライン相談にてお子さんの現状をお聞きできれば幸いです。
オンラインなので住んでいる地域に関係なく、また顔出しなしで参加できます。
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