「不登校の子どもが通える全寮制高校に通えば不登校を解決できる?」
「不登校生を受け入れている全寮制高校とはどのような学校なのか知りたい」
不登校のお子さんが、自室に閉じこもり話もできない状況だったり、昼夜逆転しゲームやスマホ依存に陥っているような状況のとき、環境を変えれば改善できるのではないかと考えていらっしゃるのではないでしょうか?
ご家庭ではどうにもできない状況だからこそ、全寮制の高校を選択肢として考えていらっしゃることと存じます。
結論からお伝えすると、全寮制高校に入ると生活習慣の乱れは改善することができますが、不登校や今の親子関係の根本解決は難しい場合も多いです。
本記事では、不登校生が利用できる全寮制高校について解説しています。
再登校に導くサービスを提供する小川涼太郎監修のもと、お話しする内容は次のとおりです。
記事を読むとわかること
- 全寮制高校の種類と不登校の子どもが通える全寮制高校について
- 不登校のお子さんが全寮制高校を利用するメリットデメリット
- 不登校生を受け入れている全寮制高校の学費相場
- 不登校の根本解決のために親御さんができること
お子さんの不登校に悩み全寮制高校の利用をご検討されているときのお役に立てば幸いです。
お子さんの不登校、実はご家庭のタイプによって対応方法が変わるってご存じですか?
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目次
1. 全寮制の高校とは?不登校を受け入れる寮のある高校
全寮制高校とは、親元を離れて寮で他のお子さんと共同生活をしながら学べる学校です。
寮で生活することを除けば、全日制高校とほぼ同じで高卒資格も卒業と同時に取得できます。
全寮制高校は大まかに以下3つのタイプがあります。
不登校受け入れタイプ | 不登校の生徒を受け入れている |
---|---|
進学校タイプ | 難易度の高い大学への進学を目指す |
アスリート育成タイプ | 全国、世界で活躍するアスリートを目指す |
不登校の生徒を受け入れている学校であれば、同じような境遇のお子さんと交流できます。
不登校になっているお子さんは、「みんなと同じようにはできない」と孤独感を感じることも多いです。
自分と似た背景をもつお子さんと関わることで、心が救われるかもしれません。
また、起床時間、食事の時間、就寝時間が定まっていることから、不登校になり乱れてしまった生活リズムの改善にもつながります。
2. 不登校の子どもが全寮制高校に通うメリット
不登校のお子さんが全寮制高校に通う場合のメリットについて解説いたします。
2-1. 規則正しい生活習慣が身につく
全寮制高校では、寮で共同生活をするため規則正しい生活習慣が身に付きます。
消灯時間も定められており、昼夜逆転してしまっているお子さんも夜遅くまで起きている癖が解消されるでしょう。
お子さんの生活リズムを正すために、全寮制高校に通わせる親御さんも多いです。
ただ、全寮制高校は規則によって強制的に生活リズムを整えている形です。
正しい生活リズムが習慣づくこともありますが、規則がない状態に戻ったときに昼夜逆転の生活に戻ってしまうこともあります。
2-2. 学習に集中できる
全寮制高校に入ると学習に集中しやすくなることもあります。自宅とは異なり、身の回りのものが少なく誘惑が減るからです。
寮には生活を共にする生徒がいるため、一緒に課題に取り組めます。
他のお子さんが課題に取り組む姿勢を見て、自然と「自分もやろう」と思えるでしょう。
「勉強しなさい」と言われなくても勉強に取り組む姿勢が身につくのは、大きなメリットです。
また、自分ができないことを他の人に頼んだり、周囲に頼られたりなど、わからない箇所は互いに教え合う機会もあります。
- 自分ができないことは他の人に相談すればいいんだ
- 自分にもみんなの役に立てることがある
という想いが芽生え、自己肯定感が育つことにもつながります。
2-3. 学校の場所を選ばない
全寮制高校では、学校の近くにある寮に寝泊まりするため、自宅から遠方の学校にも無理なく入れます。
- 自宅周辺に高校が少ない場合
- 引越しするのは難しい場合
- 一人暮らしをさせるのは不安な場合
これらのケースでも全寮制高校なら、利用できるでしょう。
2-4. 深い友人関係が築ける
全寮制高校では他のお子さんと日常生活を共にするので、親密な関係を築きやすいです。
学校生活を共にするだけの全日制高校では、自分から近づいて遊びに誘わないと、親密な関係になるのは難しいでしょう。
一方、全寮制の場合には、生活空間が一緒になるため自然とプライベートでの関わりが生まれます。
自分から誘うのが苦手なお子さんであっても、友人が作りやすく学校生活を楽しめるでしょう。
生涯の親友と出会うケースもあるかもしれません。
3. 不登校の子どもが全寮制高校に通うデメリット
不登校のお子さんが全寮制高校に通う場合、生活を改善していけるというメリットがありますが、お子さんが寮生活をスムーズに受け入れられるとは限りません。
また、親御さんから「見捨てられた」と感じてしまうケースもあります。検討する際に知っておいていただきたいデメリットを解説いたします。
3-1. 親に「見捨てられた」「裏切られた」と感じるリスクがある
親子の間で信頼関係がうまく築けていない状態のとき、全寮制高校へ進学させることにより、お子さんが「見捨てられた」「裏切られた」と感じてしまうこともあります。
親御さんはお子さんのためを思って全寮制高校を選んだのだと思います。しかし、それがお子さんにうまく伝わっていないと誤解されてしまうのです。
- 嫌だったのに無理やり入れられた
- 私が家にいると恥ずかしい存在だから入れられたんだ
などと考え、親御さんを信用できなくなってしまうこともあります。
親子の信頼関係がうまく築けていない状況だと、入学しても結局寮での生活を続けることが難しくなってしまったり、ご家庭に戻った際に家庭で暴れたり親へ暴力を振るってしまうケースもあります。
そのため、全寮制高校を選択する場合には、正しい親子関係を構築し、親御さんもお子さんも本心で対話できるようになってから、進学について話し合うことが大切です。
お子さん本人が「今の生活を変えるために全寮制高校へ進みたい」と望んでいるかどうかが重要です。
- 親子の立場が逆転していなく、子どもが親のことを信頼している
- 子どもが親に気を遣うことなくいつも本心を話してくれる
そのような正しい親子関係を構築する方法は、スダチへご相談ください。
スダチでは、親子の信頼関係の構築とお子さんの自己肯定感を育てることに焦点を当てて支援を実施しております。
現状のお子さんとの関係性はどのような状況なのか、どんな接し方・声かけをすれば今よりもっとよい親子関係を築けるのかアドバイスさせていただきます。
3-2. ホームシックになることもある
全寮制高校に通うと、毎日自宅に帰らないので家族と会えなくなり、ホームシックになることがあります。
とくに環境の変化が大きい入学時期になりやすいです。マメに連絡をとって応援していることを伝えてあげましょう。
また、全寮制高校では周囲のお子さんと関わる時間が長い分、馴染めない場合には日常生活が苦痛になることもあります。
特に不登校の状態が続き自己肯定感の低い状況だと、自分らしい姿で相手と接することができず寮生活でも対人関係に悩みを抱えてしまう場合もあります。
不登校の子どもを専門とした全寮制高校ならば、対人関係がうまくいくよう支援をしてくれるケースが多いですが、お子さんの自己肯定感を育てるようなアプローチをご家庭で実施しておくことも大切でしょう。
3-3. 費用が高額になりやすい
全寮制高校は寮費がかかるので、全日制や定時制、通信制の学校と比べて費用が高額になりやすいです。
ご家庭でのお子さんの食費や、通学時の交通費はかからなくなりますが、それでもご家庭から高校に通うよりは費用が高くなってしまいます。
ちなみに寮費には、部屋の費用、食費、光熱費などが含まれて月額5万円前後のケースが多いです。ただし、入学支援金制度を利用できるケースもあります。
世帯年収などによっても異なりますが、月額11万8,800円〜39万6,000円の補助が受けられます。
入学前に手続きが必要なので、事前に調べて準備しておきましょう。
そのほか、自治体や学校が実施している奨学金制度などもあります。
参照参考:高等学校入学支援金
4. 不登校生を受け入れている全寮制高校の学費相場
不登校生を受け入れている全寮制高校の学費相場を調査しました。
公的機関が出しているデータは現状ありませんので、全寮制高校の公式サイトに掲載されている学費を表にまとめています。
学校名 | 入学金・入寮費 | 授業料・寮費 | その他諸費用 |
---|---|---|---|
吉備高原学園高等学校 | 入学金:200,000円 入寮費:100,000円 |
授業料:月額30,000円 寮費:月額55,000円 |
- |
つげの高等学校 | 入学金:240,000円 入寮費:200,000円 |
授業料:月額34,000円 寮費:月額60,500円 |
福利厚生費:月額5,200円 施設整備費:100,000円(入学時) |
生野学園 | 入学金:350,000円 | 授業料:月額45,000円 寮管理費:月額20,000円 食費:月額35,000円 |
施設設備費:650,000円(入学時) 生徒積立金:月額9,000円(修学旅行等のための積立金) |
西濃学園 | 入学金:200,000円 | 授業料・寮費:年額1,500,000円 | 施設費:50,000円(入学時) |
土佐塾高校 | 入学金:150,000円 入寮費: 25000円 |
授業料:月額33,000円 寮費:月額44,000円 食費:月額30,000円 |
施設協力金:200,000円(入学時) 施設協力金:月額5,000円 |
これら5校から算出した学費相場は以下の通りです。
入学金・入寮費 | 293,000円 |
---|---|
授業料・寮費 | 月額102,300円 |
その他諸費用 | 入学時200,000円 月額15,200円 |
なお、就学支援金や奨学金制度の利用は考慮していません。
実際の学費と乖離がある場合もあるため、参考程度にとどめていただけたら幸いです。
5. 全寮制高校に入れば不登校が改善する?根本解決のために親御さんができること
全寮制高校に入ると生活リズムが整ったり、親密な友人ができたりしたことがきっかけになって、不登校が解決するケースもあります。
しかし、親に見捨てられたと感じたり、周囲のお子さんとうまくいかなかったりすると中退してしまうこともあるので注意が必要です。
閉鎖的な環境であるからこそ、周囲と合わないと逃げ道がなく、思っている以上に苦しくなってしまいます。
せっかく全寮制高校に入ってもお子さんが「学校をやめたい」と思ってしまうかもしれません。
お子さんが学校をやめたがっているときの対象法については、次の記事をご覧ください。
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全寮制高校はお子さんが今まで経験したことのない環境です。
慣れない環境に合わせることを目指すより、今通っている高校に復学する方がお子さんにとって負担が少ないこともあります。
5-1. スダチに相談する
スダチでは、お子さんが不登校になってしまった根本原因を解決し復学に導いています。
2023年6月時点で500名以上のお子さんが再登校に成功しています。
不登校の根本原因をたどっていくと、親御さんの愛情をお子さんがうまく受け取れていない場合もあります。
親御さんは日々たくさんの愛情を注がれていると思いますが、お子さんにとってそれが受け取りづらい場合もあるのです。
そのためスダチの支援は、その時のお子さんの様子を日々お伺いしたうえで、お子さんへの接し方や声かけを具体的な内容でお伝えしているのが特徴です。
声かけや接し方の変化を通し、お子さんは親御さんからの愛情を今まで以上に実感していきます。
そして、信頼できる親がいる安心感や、信頼できる親から褒められて自己肯定感が育つことで不登校の解決につながります。
- 親子関係をより良くして家族の時間を楽しみたい
- 不登校を根本的に解決し、これから学校生活や社会での生活を楽しんでほしい
このようにお考えであれば、一度お子さんの現状をお聞かせいただけたら幸いです。
スダチと共にお子さんがもっている力を引き出していきましょう。
スダチでは、お子さんが 自ら「学校に行きたい」と思える サポートしています。
実際に支援を受けた 90%以上のお子さんが、「学校に行くほうが楽しい!」と回答してくれました。
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5-2. 子どもの自己肯定感を育てる
不登校のお子さんは、自己肯定感が下がり切っている状態です。
自己肯定感が低い状況だと、学校で「嫌だな」と感じることがあった際乗り越えることができなかったり、周囲の中で自分らしく接することができず学校生活が苦しくなってしまうことがあります。
そのため、お子さんの自己肯定感を育てることは、不登校を解決し再登校を目指すうえで大切です。
- つらい思いをしながらも学校生活を頑張っていたこと
- 今家庭で取り組んでいること
お子さんが日々行動してきたことや行動している過程に目を向けて、正しいことや頑張っていることをたくさん褒めてあげてください。
信頼できる親御さんから、自分が行動していることを褒められることにより、お子さんの自己肯定感がどんどん育っていきます。
5-3. 正しい親子関係を築く
不登校を解決するためには、正しい親子関係を築くことが大切です。
そのためには、次のことを意識してみましょう。
- お子さんの気持ちや意見を受け入れて認めてあげること
- 正しいことはたくさん褒める
- ダメなことはダメだと毅然とした態度で教える
お子さんを受け入れるとは言っても、全肯定して言いなりになるわけではありません。
お子さんの気持ちや意見は一度受け入れて認めてあげること、そのうえでお子さんが間違ったことをした時には、行動や考え方の間違いについて毅然とした態度で教えてあげることが大切です。
なんでもお子さんを肯定していると、お子さんの思い通りになってしまい親子の立場が逆転してしまいます。
立場が逆転すると何を言っても聞き入れてもらえなくなるので、注意しましょう。
お子さんは「何でも全肯定してくれる親」「何でもやってくれる親」ではなく、自分を受け入れつつも間違いは毅然とした態度で正してくれる親を信頼します。
信頼する親に褒めてもらったり、話をじっくり聞いてもらったりすることで自己肯定感がどんどん育ちます。
5-4. 学校の時間に合わせた生活習慣に導く
登校時間に合わせた生活習慣に導くことも大切です。
正しい生活習慣を身につけることで、お子さんが「自分にもできた」と感じ、自己肯定感が育ちます。
十分な自己肯定感がある状態で学校に行ける時間に起きられるようになると「行ってみようかな」と登校する意欲が湧いてきます。
- 就寝時間や起床時間を定める
- 夜更かしや勉強時間の不足を防ぐため、デジタル機器の使用制限を設ける
これらに取り組んでいきましょう。
親御さんも一緒に取り組むと、お子さんと接する時間を長く取れますし、お子さんの反発心も抑えられます。
生活習慣を身につけさせる際にも、努力を褒めつつ毅然とした態度で間違いを教えてあげて、信頼関係を築いていきましょう。
6. 全寮制高校の利用を検討している親御さんが抱えがちな疑問
6-1. 不登校特例校とフリースクールの違いは?
不登校特例校とフリースクールの違いは、次の表の通りです。
特徴 | 運営団体 | 高卒資格 | |
---|---|---|---|
不登校特例校 | 不登校の生徒向けのカリキュラムを提供する学校 | 国 | 取得可能 |
フリースクール | 不登校など様々な背景をもつ生徒を受け入れている機関 | NPO法人や個人など | 通信制高校などの併用が必要 |
高校生が通えるフリースクールについては、次の記事を参考にしていただけると幸いです。
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6-2. 高校生の転校は難しいですか?
全日制高校から別の全日制高校に転校する場合には、入学試験に合格する必要があります。
すでに取得した単位については引き継ぎが可能です。
公立よりも私立の方が入りやすい傾向があります。
通える距離に自宅があり、転校生を募集している高校にテストで合格すれば入れます。
また、定時制や通信制、全寮制高校にも転校可能で、不登校のお子さんを受け入れている学校も多いです。
ただ、根本原因がそのままだと転校先でも不登校になってしまうリスクがあります。
転校すると環境が大きく変わるため、今通っている学校に復帰する方がお子さんの負担が少ないことも。
他の選択肢も十分に検討した上で、進路を決めることが大切です。
不登校の高校生が転校できるのかについては、次の記事も参考にしていただけると幸いです。
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7. まとめ
全寮制高校は共同生活によって生活リズムが整いやすく、不登校を受け入れているタイプの学校もあります。
昼夜逆転してしまっている場合に、利用を検討されるケースが多いです。うまく活用すれば不規則な生活習慣が改善されるでしょう。
ただし、親子で信頼関係が築けていないと、お子さんに精神的ショックを与えてしまいかねません。
全寮制高校に入ると自宅を出ることになり、「親から追い出された」と捉えられてしまうことがあるからです。
全寮制高校の利用を検討されるのであれば、親子でじっくり話し合うようにしてください。
スダチでは、親子の関わり方を見直して信頼関係を築くことで、不登校を根本から解決しています。
脳科学に基づいたアプローチにより、2023年6月時点で500名以上のお子さんを再登校に導いてきました。
お子さんの現状をお聞きし、今お子さんが必要としている声かけをお伝えしています。
具体的な内容で実践しやすい形になっているので、ご安心ください。
お子さんの不登校、実はご家庭のタイプによって対応方法が変わるってご存じですか?
スダチでは、これまで 1,000名以上の親御さんとお子さんをサポートする中で、不登校に陥りやすいご家庭の特徴を分析し、4つのタイプに分類する診断を作成しました!
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お子さんに合った対応方法を知る第一歩として、ぜひお試しください。
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