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「子どもが不登校になってしまった…この先の進路として通信制高校を選択肢にいれた方が良い?」
「通信制高校はどんなところ?学費や入学条件、卒業後の進路は?」
中学生、高校生のお子さんが不登校になってしまったとき、進学先や転入先として通信制高校を検討されているのではないでしょうか?
通信制高校は、お子さんのペースで勉強ができ高卒資格も取得できますが、自宅学習が基本なのでそのまま引きこもりにならないように注意も必要です。
本記事では、通信制高校とはどのようなところなのか、授業内容や通う子どもの数、学費などを解説させていただきます。
また、お子さんが不登校のときの、通信制高校以外の選択肢や、不登校の解決方法も合わせてご紹介しております。
平均3週間で再登校に導くサービスを提供する小川涼太郎監修のもと、お話しする内容は次の通りです。
記事を読むとわかること
- 通信制高校とは?現状の学校数、通っている生徒数について
- 全日制高校、定時制高校、サポート校、フリースクールとの違い
- どんな子どもが通っていて、どんな授業が受けられるのか
- 単位と高卒資格を取得するための条件
- 通信制高校に通うメリットデメリット
- 通信制高校に通ったら人生終わりと言われる理由
- 子どもが「人生終わり」と感じないために親御さんがやるべきこと
- 不登校になったとき、通信制高校以外の選択肢と不登校の解決方法
お子さんを通信制高校に通わせるべきかお悩みの方の参考になりましたら幸いです。
スダチではお子さんが不登校になった根本原因にアプローチして、再登校へ導いています。
今まで不登校が長期化していた中学生・高校生のお子さんも再登校へ導いてきました。
お子さんの現状を把握した上で、どう対処したら良いのかを具体的にお伝えいたします。
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1. 通信制高校とは?全日制・定時制などの学校との違い
通信制高校は、登校頻度や授業内容などが全日制や定時制と大きく異なります。
それぞれの違いから、通信制高校の学校生活をイメージしていただけると幸いです。
1-1.登校頻度の違い
全日制 | 週5日 |
定時制 | 週5日 |
通信制 | ・自由通学コース:週1〜5日の通学を選べる ・オンラインコース:年に数回の登校のみ |
通信制高校は、基本的にインターネットを活用した授業となるため、登校頻度はお子さんが自由に決められることが多いです。
週1〜5回の通学を自由に選べる通学コースと、年に数回登校するだけのオンラインコースがあります。
- 学校と自宅の距離
- 自宅学習が得意かどうか
- メンタルの状態
これらを加味してコースを決めると良いでしょう。
1-2.授業内容の違い
全日制 | 朝から授業 |
定時制 | 夕方以降に授業 |
通信制 | オンライン授業で時間は自由 |
それぞれ授業を行う時間帯に違いがあります。通信制高校は授業時間が決まっておらず、お子さんの体調や生活リズムによって調整できるのが魅力です。
また、細かい部分は学校により異なりますが、通信制高校のコースごとの授業は次の表の通りです。
オンラインコース | ・オンライン個別授業 ・授業の動画を視聴 ・レポート課題の提出 |
通学コース | ・教室で授業を受ける ・特定の曜日は自由登校で自習のケースも |
1-3.在籍期間の違い
全日制 | 3年 |
定時制 | 3〜4年 |
通信制 | 3年〜 |
一般的な全日制高校は、留年しない限り在籍期間が3年間です。
定時制と通信制は、年間74単位を取得したお子さんから卒業という仕組みのため、学習スピードによって在籍期間が異なります。
自由度の高い通信制高校では、自宅学習の習慣をつけられるかどうかが在籍期間を左右します。
1-4.学年制・単位制の違い
全日制 | 学年制 |
定時制 | 学年制 |
通信制 | 単位制 |
通信制高校は単位制であるため、学年の概念がそもそもありません。
学年制と単位制の違いは次の表の通りです。
学年制 | ・1年間に取るべき単位数が決まっている ・必要単位を取らないと進級できない |
単位制 | ・1年間に取るべき単位数は決まっていない ・卒業に必要な単位数を獲得した段階で卒業できる仕組み ・在籍期間は人によって違う(基本は3年以上) |
単位制では、「学習が遅れて周囲から取り残されてしまう」ということはありません。
しかし、単位の取得が遅れてしまうといつまで経っても卒業できないため、補助として通信制サポート校(フリースクール)を利用するケースも多いようです。
中学生で不登校のお子さんの進学先の選択肢、高校生のお子さんが不登校になったときの選択肢は次の記事でも詳しくお話ししています。あわせてご確認いただけたら幸いです。
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1-5.入学時期・卒業時期の違い
全日制 | 4月入学、3月卒業 |
定時制 | 4月入学、3月卒業 |
通信制 | ・4月入学、3月卒業 ・10月入学、9月卒業 |
通信制高校の入学時期は年に2回あり、入学する月によって卒業月も変わってきます。
大学も10月に入学できる学校が増えてきていますし、通信制大学であれば多くの場合10月に入学できます。
就職するケースでも10月ごろまで採用している企業も多くあるため、秋に入学するデメリットはそれほどありません。
また、編入は随時受け付けているケースが多いです。全日制高校で取得した単位があれば、通信制高校に引き継ぐことも可能です。
入学条件については、多くの学校で次の3つが課されています。
- 書類選考
- 面接
- 作文
具体的な選考基準は学校によって異なるので、公式サイトなどで調べて対策しておくことが大切です。
1-6. 通信制高校に通う子どもの現状|生徒数や学校数
文部科学省の資料によると、通信制高校の生徒数や学校数は次の表の通りです。
全日制高校、定時制高校の数も合わせて掲載しているため、比較して解説いたします。
◼︎通信制高校の数
全日 定時 |
通信制 | |||
---|---|---|---|---|
私立 | 公立 | 計 | ||
H12 | 5,478 | 69 | 44 | 113 |
H17 | 5,418 | 76 | 99 | 175 |
H22 | 5,116 | 72 | 137 | 209 |
H27 | 4,939 | 77 | 160 | 237 |
R2 | 4,874 | 78 | 179 | 257 |
全日制や定時制の高校は減少傾向にあります。これは、少子化の影響を受けている様子がうかがえます。
一方で通信制高校は公立が微増、私立が増加傾向です。不登校の子どもが増えて、通信制高校の需要が増えていることがわかります。
次に生徒数の変動も見てみましょう。
◼︎通信制高校に通う生徒数
国立 | 公立 | 私立 | 総数 | |
---|---|---|---|---|
全日制 | 8,452 | 1,989,163 | 1,015,093 | 3,012,708 |
定時制 | - | 76,817 | 2,539 | 79,356 |
通信制 | - | 55,427 | 151,521 | 206,948 |
◼︎通信制高校に通う生徒数の推移
全日 定時 |
通信 | |||
---|---|---|---|---|
公立 | 私立 | 計 | ||
H12 | 4,165,434 | 107,854 | 74,023 | 181,877 |
H17 | 3,605,242 | 93,770 | 89,748 | 183,518 |
H22 | 3,368,693 | 86,843 | 100,695 | 187,538 |
H27 | 3,319,114 | 66,702 | 113,691 | 180,393 |
R2 | 3,092,064 | 55,427 | 151,521 | 206,948 |
生徒数についても全日制・定時制高校は減少傾向ですが、通信制高校は増加傾向にあります。
特に私立の通信制高校が大きく伸びていることがわかります。
- 不登校の子どもが増えていること
- 不登校になった時の選択肢として通信制高校を選ぶ子どもが増えていること
少子化により、子どもの数は減っているにも関わらず、通信制高校の生徒数が伸びているということは、年々不登校の子どもが増加していると読み解くことができます。
また、不登校になったときの選択肢として、通信制高校への入学・編入を選択されるお子さんが多いようです。
参考:文部科学省「高等学校通信教育の現状について」
2.通信制高校にはどんな子どもが通っている?
通信制高校はさまざまな問題によって、全日制高校に通うことが難しいお子さんが利用しているケースが多いです。
しかし、そのお子さんたちは
- なんとか社会とのつながりを維持したい
- 社会に属しながら貢献する方法を模索したい
- 高卒資格を取ってしっかりキャリア形成をしたい
などの前向きな動機をもって通信制高校を利用しています。
入学後にお子さんがどのような人と関わりながら学校生活を送るのか不安な場合には、説明会や体験入学を活用して雰囲気を確かめましょう。
通信制高校には、次のような背景を抱えたお子さんが多く通っています。
2-1.不登校を経験した子ども
不登校を経験し、現状の高校に通えなくなってしまったお子さんは通信制高校に通うことが多いです。
一般的な高校は、休みが続いてしまうとそのまま単位を取得できず、進級や卒業ができません。そのため通っている高校を中退し、通信制高校で高卒資格の取得を目指す人が多くいます。
また、通信制高校は次のように不登校のお子さんでも通いやすい環境が整っています。
- 登校日が少ない
- 単位制で周囲との遅れを感じにくい
- 個別指導や少人数制の学校が多い
- メンタルケアを受けられる
「現在の学校に再登校することは目指しておらず、今の子どもの状況に合ったところへ通いたい」と考える場合に通信制高校を選択されています。
2-2.学びたい専門分野がある子ども
目指している夢、学びたい専門分野がある場合も、通信制高校を選択することがあります。
- 美術の道を目指している
- 音楽の道を目指している
- 芸能活動で忙しい
など
夢を目指すための活動が忙しいものの、高卒資格を取得しておきたい場合、通信制高校が選択肢となります。
また、一般的な高校では学べない専門分野に興味があるお子さんが通信制高校に通うケースもあるでしょう。
例えば、通信制高校によっては、漫画イラストコースや声優コースなどの将来の職業につながる専門的なコースを用意しています。
目指している夢、学びたい専門分野があることから、通信制高校を選択するお子さんも多いです。
2-3.大学進学を目指す子ども
通信制高校で高卒資格を取得し、大学受験を目指すケースです。
- 高校には進学しなかった
- 高校は途中で辞めてしまった
こういったケースであっても、将来の就職などを見据えて、再度、大学受験を目指すために通信制高校へ通うお子さんもいます。
大学受験では、高校の登校日数などは合否に加味されません。高卒資格を取得していて学力が伴っていればどの大学にも入ることができます。
お子さんが不登校のときの大学受験については、次の記事で解説しています。
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2-4.発達障害の傾向が見られる子ども
発達障害の傾向が見られ、集団で生活することを難しく感じたお子さんは、通信制高校に通う場合もあります。
発達障害の傾向が見られるお子さんは、特有のこだわりから周りに合わせて行動することにストレスを感じてしまったり、時に同級生に貶されたりした経験をお持ちの方も多いです。
通信制高校ならば、自分のペースで学べるのでお子さんのルーティーンやこだわりを乱さずに生活できます。
また、発達障害へのサポートが整っている通信制高校も存在しています。
「この先も、子どもが無理なく所属できる社会の中で過ごしてほしい」そのように考える際に通信制高校を選択されています。
発達障害の傾向が見られるお子さんは、不登校になりやすい場合があります。
発達障害と不登校の関係性や、不登校の予防や脱出のために親御さんができることについては、次の記事を参考にしてください。
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3. 通信制高校で単位を取得する方法
通信制高校で単位を得るには次の3つが必要です。
3-1.レポート課題を提出する
学校指定の教科書や映像授業などで学習し、レポート課題にて理解度を確認します。
レポートは郵送するケースもありますが、現在ではネット上で提出まで完了するEラーニング方式を採用している学校が多いです。
3-2.スクーリング
通信制高校にも必要な登校日数が定められており、登校日に通学することをスクーリングと呼びます。
- 自宅学習では理解できないことを先生に質問する
- 自然体験や芸術鑑賞など特別活動をする
スクーリングは主に以上2つのために設定されています。
スクーリングする日数や頻度については学校により違いがあり、年に4日通えばいいケースもあれば、月に1度など頻度まで指定されていることも。
合宿を実施してスクーリング日数をまとめて消化できるような学校もあります。
3-3.単位認定試験に合格する
授業内容に沿った問題が出題される単位認定試験に合格することで、単位の取得ができます。
日頃の自宅学習によりレポート課題をこなしていれば、十分合格できる難易度です。
4.通信制高校を卒業するために必要な条件
通信制高校の卒業には次の3つの条件を満たす必要があります。
4-1.必須科目の単位を含めて74単位以上を取得
レポート課題の提出や認定試験の合格などによって、74単位以上の取得が求められます。
全日制高校ですでにいくつか単位を取得している場合には、それを引き継げるため、通信制高校で取得する単位と合わせて74単位にすれば卒業可能です。
一部、必ず単位取得しなければいけない必須科目があり、仮に74単位以上取得していても、必須科目を取得していないと卒業できないため注意しましょう。
また、スクーリング日数が足りなかったり、レポート課題の提出がされていなかったりすると単位認定試験が受けられず単位取得できない仕組みになっています。
卒業に向けて日頃から自宅学習に励むことが大切です。
4-2.3年以上の在籍
74単位以上を取得しても、3年以上は在籍しないと卒業できないとされています。
そのため、無理に多くの単位を取得する必要はなく、3年かけて74単位を計画的に取得していけば問題ありません。
ただ、最長の在籍期間に定めがないため、「また来年頑張ればいい」とのんびりしていると卒業まで10年かかったり、いつまでも卒業できなかったりするケースもあります。
スムーズに学習を進めて卒業できるよう、親御さんが自宅で勉強しやすい状態を整えるサポートをしてあげましょう。
4-3.30単位以上の特別活動
卒業までには30時間の特別活動への参加も必要です。
特別活動の例は次が挙げられます。
- ホームルーム:学習指導、進路指導
- 学校行事:体育祭、文化祭、入学式、卒業式など
- 生徒会活動:生徒会選挙、新入生歓迎会、校内新聞の作成など
特別活動には登校は必要なので、3年間のうち30時間は必ず学校で過ごすことになります。
5.通信制高校で高卒資格取得を取得するために併用できる手段
通信制高校のみでも高卒資格の取得は可能ですが、他の手段を併用することでよりスムーズに学習を進められたり、お子さんの将来的な選択肢が広がったりします。
5-1.通信制サポート校で授業の補填を行い卒業を目指す
通信制高校でオンラインコースを受講した場合、ほとんどの時間を自宅で過ごし、自分で勉強することになり、高い自己管理力が求められます。
生活リズムが乱れたり、モチベーションが続かなかったりして、卒業まで長い時間がかかってしまうお子さんもいます。
通信制サポート校は、自己管理力が求められる通信制高校でスムーズに単位を取得、卒業できるようにするために、授業内容の補填や単位取得のサポートを行なってくれる学校です。
サポート校だけでは高卒資格を取得できず、いわば高校生のフリースクールのような立ち位置にあります。
そのため、通信制高校のオンラインコースへ通うお子さんは、サポート校も併用していることが多いです。
お子さんが自宅学習を継続できるか不安がある場合には、サポート校の併用を検討してみましょう。
サポート校については次の記事でお話ししています。
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5-2.技能連携校と同時入学する
技能連携校は、専門的な勉強をしながら通信制高校での高校卒業資格取得を目指せる学校です。
技能連携校で取得した単位のうち、最大半分が通信制高校の単位として認められる特徴もあります。
お子さんの将来進みたい道がすでに決まっていて、通信制高校だけでは学べない分野である時に技能連携校の併用がおすすめです。
技能連携校は通信制高校と同時に入学し、卒業時にはそれぞれの卒業証書を受け取る形になります。
技能連携校では、次のような分野の勉強ができます。一例ですが、利用を検討される際の参考にしてください。
- 商業(商業英語、簿記など)
- 工業(電気基礎など)
- 社会福祉(介護福祉基礎、コミュニケーション技術など)
- 家庭(家政、服飾など)
- 調理(料理、製菓など)
実務的な内容が多く、就職活動を有利に進めやすくなるでしょう。
6.通信制高校を卒業後の進路
文部科学省の調査によると、令和元年に通信制高校を卒業した60,691人の主な進路は次の表の通りです。
- 大学等進学者:17.6%
- 専修学校(専門課程)進学:23.3%
- 就職者が23.1%
卒業者の残りの3分の1はそれ以外の選択肢を選んでいます。
通信制高校は、オンラインコースの場合、ほとんど自宅で過ごすことになってしまいます。
毎日決まった時間に外に出て、決められた場所で決められたことをこなすことが難しくなってしまうケースも多いです。
そのため、卒業後に望んでいた進路へ進めるよう、親御さんの日々のサポートも必要となります。
参考:文部科学省「高等学校通信教育の現状について」
7.通信制高校の学費|公立と私立をそれぞれ解説
通信制高校の学費は、公立と私立で大きく異なります。
通信制高校の学費の内訳は次の通りです。
- 入学金
- 授業料
- そのほか諸費用(教材費、施設維持費など)
それぞれ公立と私立で相場があります。
通信制高校の授業料は1単位あたりで計算されますが、相場は次のように大きく差があります。
- 公立:336〜700円
- 私立:5,000〜15,000円
参考:学びリンク
具体的な費用の相場を解説させていただきます。
7-1. 公立通信制高校の費用相場
公立通信制高校の、年間の学費平均は以下の通りです。
- 入学金(初年度のみ):500円
- 授業料:8,400〜17,500円
- そのほか諸費用:学校により異なるがおよそ3万円
就学支援金制度を活用すると年間8,400円の授業料が免除されるため、取得単位数によっては授業料が実質無料になります。
必要な費用は以下となります。
- 授業料が実質無料の場合:入学金500円+そのほか諸費用
- 授業料が実質無料でない場合:入学金500円+そのほか諸費用+授業料〜9,100円
参考:学びリンク
7-2. 私立通信制高校の費用相場
私立通信制高校の、年間の学費平均は以下の通りです。
- 入学金:40,000円
- 授業料:225,000円(通学日数によって幅がある)
- そのほか諸費用:102,000円
私立の場合には、世帯年収によって就学支援金制度の補助金額が異なります。
- 年収590万円未満:1単位12,030円、年間297,000円
- 年収590〜910万円未満:1単位4,812円、年間118,800円
私立の場合でも授業料によっては実質無料になる可能性があるとわかります。
上記の数値だと、授業料より支援金の方が高額になるケースがありますが、実際には授業料より多く支援金を受け取れることはありません。
私立の授業料は通学日数や取得単位数によって大きく幅があるため、入学手続きの前に授業料を確認しましょう。
7-3. 奨学金や特待生制度、就学支援制度で学費負担を減らせる
通信制高校の授業料には、就学支援金が利用できます。
国から学校側に直接支払われ、親御さんの負担分が減る形になっています。
2020年4月からは私立高校生に対する国からの就学支援金が拡充されているため、実質的に授業料無償になるケースもあります。
受け取るためには事前の手続きが必要ですので、文科省の公式サイトを確認の上、忘れずに手続きするようにしましょう。
そのほか、奨学金やスポーツ特待生、都道府県による補助なども受けられるケースがあります。
利用する予定の通信制高校やお住まいの都道府県に補助を受けられる制度がないか、確認することをおすすめします。
8. 通信制高校のメリットデメリット|向いているケースと向かないケース
8-1. 通信制高校のメリット|自由度が高く高卒資格を取れる
通信制高校に通うメリットは次の3つです。
- 高卒資格が取れる
- 自由な時間が多く趣味にも時間を割ける
- 自分のペースで勉強できる
趣味などの好きなことをしながら、自分のペースで勉強して高卒資格が取れることが1番のメリットです。
そのため、次のときには通信制高校が向いているかもしれません。
- 通うきっかけが不登校ではなく、他にやりたいことがあるが高卒資格も取りたいとき
- 子どもに社会に出てつらい経験をしてほしくない、できる仕事をできる限りでやれば良いと思う
仕事や、仕事につながる趣味など、何か集中したいことがあり、全日制高校との両立が難しいときにはお子さんの夢を叶えるための選択肢として向いています。
また、もともと学校復帰、社会復帰は目指していないという場合にも選択肢となるでしょう。
8-2. 通信制高校のデメリット|自己管理ができないときは社会復帰が難しくなることも
通信制高校に通うデメリットは次の3つです。
- 勉強のペースを自己管理する必要がある
- 生活リズムが崩れる危険性がある
- 通学する日数が少なく友達を作りにくい
通信制高校は時間的な自由度が高いため、お子さんが主体的に勉強に取り組めるようサポートすることが大切です。
卒業に必要な単位を3年間でしっかり取得できるよう、授業の進捗状況を適宜チェックしておきましょう。
また、収録された授業をオンライン視聴するタイプの場合、いつでも授業を受けられるため生活が不規則になる可能性もあります。
生活が不規則でも単位さえ取得すれば卒業できますが、その後、就職する場合などは乱れた生活習慣を正さなくてはなりません。
お子さんにとって乗り越えなくてはならないハードルが増えないよう、声かけを通してお子さんの生活習慣を整えることも大切です。
さらに、登校日が少ないため友達を作る機会が少ないことも特徴です。
大学進学や社会に出たときに、お子さんが対人関係で困らないように、習い事などを通して人と交流をもてる場所を確保しましょう。
9.不登校になって通信制高校に通ったら子どもの人生は終わり?人生終わりと言われる理由
9-1.不登校の根本原因を解決できるわけではないため
通信制高校は不登校を経験したお子さんが通いやすい環境ではありますが、不登校の根本原因を解決してくれるわけではありません。
お子さんが不登校になった根本原因を解決しないままだと、お子さんがこの先大学進学、就職し、何かつらいことを経験した際、再び不登校になってしまう場合があります。
スダチでは、不登校になるきっかけは複数あるものの、不登校の根本原因は1つだと考えています。
お子さん方が不登校になった根本原因をたどっていくと、親御さんからの愛情がお子さんへうまく行き届いていないケースが多いです。
親御さんは、お子さんを大切に思い、日々愛情を注ぎ育児なさっておられますが、その愛情を時にお子さんがうまく受け取れていないことがあります。
親御さんからの愛情がうまく行き届いていないお子さんは、自己肯定感が低い状態にあります。
「自分なら大丈夫なはずだ」という自己肯定感が低いと、少しでもつらい経験をすると「自分はダメだ」と落ち込み、社会へ出ていく気力が生まれません。
通信制高校を選択される場合も、お子さんが不登校になった根本的な原因の解決に向けたアプローチは欠かせないでしょう。
9-2.一般的な社会生活が身につくわけではないため
通信制高校では、社会に出ると当たり前となる、次の点を経験できません。
- 毎日決められた時間、決められた場所で学業(仕事)に取り組む
- 波長が合う人だけでなく苦手だなと感じる人とも日々コミュニケーションをとる
せっかく通信制高校を卒業しても、大学生活や社会人生活が通信制高校の仕様と大きく異なりつらくなってしまうことがあります。
お子さんにこれから幸せに生きて欲しいと考えていらっしゃるのでしたら、現状の不登校を根本的に解決して、全日制高校への再登校を目指すことが大切です。
不登校を解決したいときには、ぜひスダチへご相談ください。
スダチでは2024年8月時点で、1000名以上の不登校のお子さんを平均3週間で再登校に導いてきました。
スダチの支援では、正しい親子関係を築いていただき、お子さんの自己肯定感を育てることを大切にしています。
お子さんに目を向けていつも正しいことをたくさん褒めてくれて、ダメなことはダメだと毅然とした態度で教えてくれる親御さんのことを、お子さんは信頼できるようになります。
信頼できる親御さんからたくさん褒められることで、お子さんの自己肯定感がどんどん育ちます。
自己肯定感が育つと、お子さんに次の気持ちが芽生え、不登校解決につながります。
- 学校で抱えていた問題は意外と大したことではないのかもしれない
- 信頼できる親がいるから私ならどんな問題にも立ち向かっていける
- 失敗したりうまくできなくても大丈夫なんだ
お子さんの自己肯定感が育つと、お子さんのこの先社会に出て何か問題に直面したときも、主体的に解決していけるようになります。
お子さんが抱えるつらい気持ちの解決に向けて、親御さんもぜひ前進いただけたら幸いです。
スダチでは、オンラインの無料相談を実施しております。1対1で顔出しも不要です。現状のつらい気持ち、お子さんのご状況を一度ご相談ください。
適切なお子さんへの接し方、不登校を解決するための道標をご提案させていただきます。
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9-3.全日制高校が一般的という考えが浸透しているため
通信制高校に通うお子さんも増えてきていますが、まだまだ全日制高校に通うのが一般的という考えが世の中に根強く残っています。
通信制高校に通うのが悪いというわけでは決してないのですが、一般的でないが故に周囲の目が気になってお子さんが悩んでしまうこともあります。
- お子さん自身が全日制高校に通えなかったことに、つらさや悔しさを抱えている
- 親御さんが通信制高校に通うお子さんを恥ずかしく思っている
お子さんは親御さんの気持ちに敏感です。はっきりと言葉にせずとも言葉尻や態度から親御さんの気持ちを感じとり、一人で悩んでしまうことも少なくありません。
カウンセリングを活用するなどして、お子さんのメンタルケアをしつつ、親御さん自身の考え方も変えていく必要があります。
高校生や高校生のお子さんを持つ親御さんが利用できるカウンセリングサービスについては、次の記事で紹介しているのでご活用いただければ幸いです。
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10.通信制高校に通い子どもが「人生終わり」と感じないために親御さんがやるべきこと
10-1. 通信制高校に通う目的、卒業の意思を強く持つ
親子で話し合って、通信制高校に通う目的をはっきりと持ち、卒業に向かって迷いなく進めるようにしましょう。
「不登校になって卒業が難しそうだけど、とりあえず高卒資格は取得してほしいから…」という親御さんの気持ちで通わせることはあまりおすすめできません。
通信制高校は、自己管理が求められ、お子さんにやる気がないとそのまま卒業できないこともあります。
お子さんにとって退屈な時間を過ごすことになり、そのブランクはキャリアを築いていく上でもマイナスになってしまうでしょう。
また、高卒資格を取得したからといって、お子さんが学校で経験したつらい気持ちを解決できるわけではありません。
つらい気持ちを抱えたままでは、大学や就職先でつらい経験をしたときに、再びお子さんが不登校、ひきこもりになる可能性もあります。
一旦、心の整理をして、これからお子さん自身がどうしていきたいのかを見つめ直すことが大切です。
その上で、お子さんがやりたいことを実現するための手段として、通信制高校を選んでいるか、必ず卒業するという強い意志がお子さんにあるかをよく確認しましょう。
10-2.子どもに合った他の選択肢も視野に入れる
お子さんが不登校となったときの選択肢は通信制高校だけではありません。
- 不登校を解決して現状の学校へ復帰する
- 現在の高校に在籍しながら高卒認定の取得を目指す
- 他の全日制高校へ入学する
- 定時制高校へ入学する
- 高専へ入学する
この先大学進学を目指す場合でも、上記などのさまざまな選択肢があります。
お子さんが不登校になったとき、つらい思いを経験し、外へ出ることに積極的ではないご状況から、親御さんは次のように考えていらっしゃるかもしれません。
- 再び全日制高校に通い、つらい思いをする可能性があるのなら通信制高校の方が良いのではないか?
- 子どもにとって負担なく社会復帰できるよう、通信制高校が良いのではないか?
たしかに、通信制高校ならお子さんのペースで登校する日数を選ぶことができ、集団生活の中でつらい経験をすることがなくなります。
お子さんにとって負担の少ない状態で高卒資格を取得できるかもしれません。
しかし、お子さんにこれから社会に出て幸せに生活して欲しいと望んでおられるのでしたら、通信制高校はおすすめできない点もあります。
すでにお伝えしているように、通信制高校では社会のルールを学ぶことが難しく、不登校の根本解決にもつながらないからです。
大学や就職に進んで行った先で、周囲の環境に慣れることに苦労したり、つらい経験をして不登校や引きこもりになってしまったりするリスクもあります。
通信制高校以外の選択肢についてもお子さんと一緒に話し合って、お子さんがやる気を持って取り組めるものを選ぶことが大切です。
10-3.不登校解決の支援機関へ相談をする
お子さんがこの先社会の中で、主体的に問題を乗り越えていくためには、不登校を根本から解決する必要があります。
不登校の根本解決を目指される場合には、専門機関に相談して親御さん自身も気持ちにゆとりを持ってお子さんのサポートをしていくことが大切です。
スダチの支援では、親子の信頼関係を深めながら、お子さんの自己肯定感を育てることに焦点を当てています。
スダチが直接お子さんを支援するのではなく、親御さんから毎日お子さんの様子をヒアリングさせていただき、その時のお子さんに合った接し方、声のかけ方をフィードバックしていることが特徴です。
日々の親御さんからの対応や、かけられる言葉が変化することで、お子さんの状態が日に日に変化しお子さんの自己肯定感がどんどん育ちます。
自己肯定感の育ったお子さんは、「学校で抱えていた問題も自分なら解決できそうだ」「意外と大したことではなかったのかも」と考え方もポジティブにシフトしていきます。
実際にスダチが支援したお子さんは、2024年8月時点で1000名以上以上が再登校を果たしました。
再登校してスダチのサポートを卒業した親御さんからは、「子どもが問題を主体的に解決できるようになった」「子どもが困っているときにうまく助言できるようになった」「家族で過ごす時間が楽しくなった」という声をいただいております。
お子さんがこの先社会で生活していくことを望んでおられるときには、ぜひ一度、無料オンライン相談から現状の悩みやお子さんの様子をお伺いできましたら幸いです。
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11. 子どもが不登校になり通信制高校を検討している際によくある質問
ここでは、親御さんが抱えている悩みについて回答させていただきます。
11-1. 週に何回通えば良いのですか?
通信制高校では、通う日数は定められていません。
オンラインコースでしたら、年に数回の登校となり、通学コースですと週1〜5日から自由に選べます。
学校によっても異なり、週単位ではなく月単位で登校日数が定められている場合もあります。
通学する日数によって学費が異なる学校もあるため、
- どのくらいの頻度で登校するつもりなのか
- 学費はどのくらいになりそうなのか
を事前に確認しておくことが大切です。
11-2. 自分に合う通信制高校を選ぶにはどうしたらいいですか?
まずは、通える距離にある学校をピックアップしましょう。
その上で、
- 公式サイト
- 実際の雰囲気
- 経験できる特別活動
- 入学条件と授業内容
などをチェックして選ぶのがおすすめです。
説明会や見学会、体験入学ができる場合には、実際に足を運んで雰囲気を確かめておくとより安心です。
通信制高校の選び方については、次の記事でお話ししています。
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11-3. 通信制高校は「やめとけ」「人生終わり」と聞きましたが本当ですか?
通信制高校は自宅学習がメインとなるため、学習習慣がないお子さんの場合には勉強がうまく進まず留年したり卒業できずに退学したりする場合もあります。
通信制高校を選ぶのであれば、自宅学習できる環境を整えてあげることが大切です。
- デジタル機器の使用を制限して学習時間を確保する
- 生活リズムを整える
- 勉強を強制せず、親が勉強を楽しんでいる姿を見せる
これらを意識すると、お子さんが意欲的に勉強に励めるようになります。
また、通信制高校を利用して自宅学習がメインになると、社会と交流を持てる機会が少なく、自宅にいる時間が長くなります。
そのまま引きこもりになってしまわないよう、習い事などを通して、お子さんが社会と交流を持てる居場所を確保することも大切です。
12. まとめ
通信制高校は、毎日通う必要がないため、お子さんにとって自由度が高く、負担も少なく高卒資格を取得できます。
しかし、社会に出てから当たり前になる、毎日学校・会社へ通学・通勤すること、さまざまな人とコミリュニケーションを取るという経験ができません。
そのため、大学進学や就職してから大きなギャップを感じ、そのまま不登校や引きこもりにならないよう注意は必要です。
- 「不登校でつらい経験をした分、楽しい大学生活を送ってほしい」
- 「社会に出て、活躍して、社会の中で幸せに生きてほしい」
そのように望んでおられる場合には、不登校の根本原因を解決して全日制の学校への復帰を目指しましょう。
スダチでは、脳科学に基づいた視点でお子さんの不登校の根本原因を解決しています。
みなさん、平均3週間で再登校を果たしており、その後は主体的に学校生活を楽しんでいらっしゃいます。
お子さんをつらい気持ちから救ってあげたいときには、ぜひ一度スダチへご相談ください。
1対1で顔出し不要のオンライン無料相談も実施しております。
現状のお子さんの様子をお聞かせいただけたら幸いです。
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